どうも、武信です。(No219)
2020年教育改革への僕の本「フィクサーによる日本の教育改革本10 第14章 上」PART1です。
構想約5年以上!総文字数約31万2000文字以上の執筆物です。
フィクサーだと僕が思う理由は、2014年頃(正確には2013年頃から着手)から、この本を書き始めており、それと連動して日本の教育改革も進んだことが、まず挙げられます。
また、それ以上の確固たる証拠もありますが、それは伏せることにします。(本が1冊書けるほどの情報量になります)
第14章「日本のモノづくりの姿とはどうあるべきか?」
1 「「タレント」の時代」から引用・まとめ
この章では、「日本のモノづくりの理想の姿」を見出していきたいと思います。
「「タレント」の時代」(酒井崇男著)から引用・まとめをします。P64、P80~81
一般的に、製造業のビジネスプロセスは、調査・市場ニーズの把握→製品開発→生産準備→生産→販売→プロモーション・普及 という流れです。
ものつくりがグローバル化した現在は、商品開発・製品開発と製造と販売は、地理的に世界の別々の地域で行われています。
中略。
情報視点で見ると、企業活動を通して私達が生み出している価値とは、本質的には次の3つの情報資産です。
情報資産とは、知的資産と言い換えてもよいでしょう。
1 設計情報。「商品」に相当する情報資産。
2 設計情報をつくりだし、生産(媒体に転写)するためのノウハウ。情報資産。
3 人材の頭脳に残っていく知識・経験の蓄積。情報資産。
1を生み出す活動が、企業の売上・利益に関係してきます。
1を生み出す元になるのは2と3です。2はかつての製品開発を通して、組織に蓄積されたノウハウです。
1が新製品開発の場合は、3が創造的な活動をし、その進化分が2として蓄積されていきます。
つまり、魅力のある商品・サービスを開発する活動(フロー)を通して、試行錯誤する中で、企業にも個人にも知的資産が蓄積(ストック)されていくという関係にあります。
工場や建物のような固定資産がなくなっても、これら3つの情報資産が揃えば、また同じ生産設備をつくり、同じ成製品をつくることができます。
情報と現物が、1対1に対応しているからです。
つまり、設計情報・ノウハウとそれを理解できる頭脳を持つ人材の3つが揃えば、いつでも現物の商品をつくりだすことができるのです。
労働を通して私達が生み出したり、売ったり、買ったりしているモノとは、本質的にはこうした情報そのものなのです。以上、ここまで。
2 「国富新論」からの引用・まとめ
ここから、さらに「国富新論」(三橋貴明著)からの引用・まとめをします。P21。
農業に限らず、生産力とはノウハウの蓄積です。
技術や人材や資本が豊富にあっても、ノウハウがなければ生産力は高まりません。
「ノウハウ」の蓄積は国民経済にとって最も重要です。
技術は購入することができます。
労働者は人材派遣会社で集めることができます。
ですが、資金を投じ、工場や設備を整え、経営者が「さあ、生産せよ」と言っても製造業が成り立つわけではありません。
農業、製造業はもちろん、サービス業を含めた国民経済のすべての供給能力は、知識、技術、スキル、ノウハウの蓄積によって成り立っています。
人間は労働することで、モノやサービスを生産する力を身につけます。
人材に蓄積された技術やノウハウが厚いほど、その国は「モノやサービスを生産できる」のです。以上、ここまで。
三橋貴明氏は生産力とは、ノウハウの蓄積であり、生産力こそが国富であると主張しています。
酒井氏と三橋氏は似たようなことを言っていますが、酒井氏はさらに突っ込んで設計情報という概念で説明したことに、新規性があると思います。
アップルは設計情報をつくりだし、中国に製造を請け負っています。
もはや、製造段階はモノづくり企業が行わない時代なのです。
製造業に限らず、サービス業のスターバックスでさえ、設計情報(ノウハウ)があればあとは他店舗展開をするだけです。
これはフランチャイズにも言えるでしょう。
日本はモノづくりにせよ、サービス業にせよ、設計情報で勝負するお国柄なのかもしれません。
製造は外注すれば、国土の危険性(地震・災害、電気の供給問題、国土の狭さなど)の懸念点はなくなります。
ただし、特許できちんと守ったり、情報が漏れないようにセキュリティを万全にしたりする必要はあるでしょう。
3 3つの目とその他
ところで、リーダーには物事の見方として、3つの目が必要であるようです。
「鳥の目」「虫の目」「魚の目」です。
「鳥の目」は大所高所からマクロ的、大局的に、物事全体を把握する俯瞰の目です。
「虫の目」は物事に近づいて、様々な角度から細部を見つめる複眼の目です。
「魚の目」は潮の流れのような周りの変化、時代の流れのようなものを敏感に感じ取る目です。
厳密さとは虫の目のことでしょう。
「神は細部に宿る」という格言通りです。
僕の本は鳥の目路線であり、大局観を重要視しています。
魚の目も多少、意識しています。
理工系は厳密さが特に重要です。
機械やコンピュータは、正確な指示がないと動きません。
文系の世界は人間の心理が関わるので、そもそも厳密さを適用しづらいでしょう。
「心理学の研究結果、6割以上が再現不可能 検証調査」というタイトルで記事が出ています。(2015年8月28日)
心理学研究の信頼性に関する新たな疑問を浮上させる結果だといいます。
社会科学は自然科学と違ってより複雑です。
厳密に理論化できないと思われます。
象概念を示したら、後は柔軟に応用するしかないとも言えます。
抽象的な理論ではなくて、具体的で複雑な指示書(マニュアル)まで落とし込むのは、オペレーションの場面ではないでしょうか。
経営者で、具体的な指示書や教科書通りに動いていたら、変化が速い世界では柔軟性が失われます。
世の中は刻々と変わっていくのです。そう考えると、文系の世界は違った難しさがあると言えます。
体系化できる理論が一応ありますが、それも完成とはいえないからです。
年々、更新されていきます。新しい理論もどんどん出てきます。
だから、経営者は柔軟性がないとダメなのでしょう。
経営コンサルタントや社長の仕事は、いろいろなやり方があるでしょう。
Mynewsjapan代表渡邉正裕氏は、1%の天才と99%のソルジャー(兵士)が伸びている会社だといいます。
1%の天才経営者は柔軟に考え動きますが、99%のソルジャーはマニュアル通りか、目標を提示されて成果を出すよう、徹底的にしごかれるということでしょうか。
4 企業の不確実性について
ここで、企業の不確実性について述べていきます。
企業の顧客獲得に関係する不確実性には、2つの種類があります。
需要の不確実性(顧客はそれを買うのか?)と技術の不確実性(理想的な解決策を提案できるのか?)です。
不確実性は未知の要素があることで、未来が見えにくくなります。
顧客のニーズや行動について未知の要素が増えれば、需要の不確実性が大きくなります。
技術の不確実性は、今後登場するかもしれない技術、あるいは、新しい解決策を開発するために必要な技術の不確実性が増すことです。
不確実な時代では、リーダーに全ての意思決定を任せるのではなく、実験者としてチームと共に仮説を構築し、実験を行い、データに語らせるべきなのです。
アップルのクック氏は、リーダーに意思決定者ではなく、コーチやファシリテーターを求めているようです。
チームが実験を行い、データを得ます。
実験の結果に頼ることにより、ジョブズやベゾスを必要としなくなり、未来を予測するのをやめたそうです。
インテュイットのチームは、次のプロセスに従っています。
1 最も重要な挑戦の要となる仮説を明らかにする。
2 それを検証するための実験を設計する。
3 答えを出すための実験を行う。
4 元に戻って、チームとして答えるべき次の重要な挑戦の要となる仮説を理解する。
不確実性の高い時代においては、真実だと思っているものは何でも有力な仮説でしかないので、リーダーの意思決定も単なる仮説という扱いになります。
不確実な時代においては「1%の天才経営者と99%のソルジャーという構図は成り立たない」とアメリカでは見ているようです。
スティーブ・ジョブズを必要としない経営に舵を切っているみたいですね。
僕の本では、イノベーターについて主に語ってきました。
全員がイノベーターになるのが、不確実な時代においては必要であるのかもしれません。
ではこの辺で。(3948文字)
このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。
あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。
参考・引用文献。
「タレントの時代」
「国富新論」
政府が対グーグル戦略策定へ…市場独占に歯止め という記事が読売新聞に載った。(2015年2月25日)
ネット記事「心理学の研究結果、6割以上が再現不可能 検証調査」
「成功するイノベーションは何が違うのか?」