2020年教育改革への僕の本「「亡国のメガロポリス」の引用・まとめ2」PART2

どうも、武信です。(No734)  

 

前回の記事が以下です。

2020年教育改革への僕の本「「亡国のメガロポリス」の引用・まとめ2」PART1

 

 

最初に、短文書評を載せておきます。

 

僕はこの本をかなり高く評価しています。

 

「亡国のメガロポリス」  

 

4点。三橋貴明氏の本を2年ぶりぐらい?に読んでみたが、離れていたのを失敗だったと思うほど濃い本。構想とはこういう本のことを言う。大前研一氏を抜いたと思う。政治家、経営者は必読。一般人にも良い。議論の叩き台として広く読まれて欲しい良書。」以上、ここまで。  

 

ちなみに5点満点であり、5点をつけることはほぼないため、4.5点が僕の短文書評では最高点に実質上なるわけですが、この本に4.5点をつけてもいいかなと思うぐらいの出来栄えでした。  

 

ですが、政策の善し悪しが完全に理解できているか分からなかったので、4点にしました。  

 

かなりのマクロ経済学の分かりやすい本としては良書でして、さらに三橋氏の提言力、構想力が凄いと思いました。  

この本の一部を引用・まとめします。(要約に近いですが、ぼくの概念では多少違います)  

 

目次。  

 

1 少子化の原因。  

 

2 人口減少が経済成長しない論は嘘。  

 

3 日本が経済成長しない理由。  

 

4 日本の人口現象の整理。  

 

5 移民受入の問題点&安倍政権の評価。  

 

6 地方の失業率低下&実質賃金の話&労働集約的になっている話。  

 

7 東京とシンガポール比較&東京都と島根県比較  

 

8 三橋氏の提案。  

 

9  三橋氏の提案2。  

 

目次はここまで全部、要約しましたが、これだと本を全部、引用・まとめしてしまうので、ここから6までを紹介したいと思います。

 

全文では2万2000文字になっていますがこのうち、14000文字ぐらいを紹介します。

 

1(PART1、PART2)と2(PART1、PART2)と3と4に分けます。  

 

3と4は僕の意見や他の本の引用・まとめが入っています。  

 

2です。  

 

6 地方の失業率低下&実質賃金の話&労働集約的になっている話。

 

では、地方の失業率を見ていきましょう。  

 

2018年4ー6月期平均の都道府県別失業率(モデル推進値)によると、ベスト10(失業率が低い)とワースト10(失業率が高い)に載る県は、ベスト10では大都市部がなく、名古屋圏(愛知、岐阜、三重)以外は全て地方になっています。

 

ワースト10は東京都、大阪府、神奈川県、宮城県、福岡県と百万都市を超える都道府県が並びます。(ちなみに埼玉県はワースト11、京都府がワースト12です)  

 

加えて、当道府県別の労働力調査は「標本規模も小さく、全国調査と比べると信頼性が落ちる」ことは付け加えておきます。  

 

最も高失業率の県は沖縄県(3.6%)ですが、それでも諸外国と比べると低めです。  

 

若年層失業率(15ー24歳の労働市場に参加している若者の失業率。学生や主婦などは含まない)はギリシャは4割以上、スペイン、イタリアも凄まじいです。  

 

カナダやイギリスや韓国などは全体の完全失業率は総じて低いですが、若年層失業率は二桁です。  

 

これらの国では若い世代に、失業負担を押し付けているのです。  

 

日本は全体の失業率も低く、加えて若年層失業率までもが2017年時点で5%を切っており、2017年の調査でもOECD加盟国の中で最も低かったのです。  

 

2018年調査(12月)では完全失業率が2.4%、若年層失業率が3.3%でした。(ほぼ、完全雇用といってよいです)  

 

そして、インフレ率は「コアコアCIP」ベースで0%前後であり、フィリップス曲線を裏切る結果となっています。(理論を裏切って、失業率とインフレ率の同時低下が起きているのです)

 

現在の日本は好景気ではないです。  

 

実質賃金と実質消費が同時に落ち込む好景気などないからです。(消費税増税により、実質賃金と実質消費は同時に激しく落ち込みました)  

 

所得や消費の落ち込みについて安倍政権は「V字回復する」と言いましたが、現実は「L字型」であり、全く回復しておらず、日本国民の実質賃金は安倍政権発足後に5%以上も下がり、実質消費についてはリーマンショック後の消費停滞期をも下回っています。  

 

しかし、就業者数は増えており、同時に実質賃金が低迷しているということは日本国民は「安く買い叩かれている」状態を意味します。  

 

「就業者数が増えているのだから実質賃金が下がるのは当たり前」という反論がありますが、1997年のデフレ突入前はほとんどの年で、日本は実質賃金も就業者数も共に増え続けており、例外はオイルショック期バブル崩壊時ぐらいなのです。  

 

就業者数が増えて、実質賃金が低迷する現象は「2013年以降に限定された現象」なのです。  

 

例えば、2014年の「就業者数増加と実質賃金が対前年比マイナス4%と激減」は、普通に考えれば「消費税増税により一家の大黒柱の実質賃金が下がり、女性が働きに出ざるを得なかったため、就業者数が増えた」と解釈すべきでは?と三橋氏は言います。  

 

ところで、実質賃金とは労働分配率生産性により決定されます。  

 

就業者数が増え、同時に実質賃金が低迷するとは「企業が労働分配率を減らしているか、生産性が低下しているか、あるいはその双方である」という意味です。

 

生産性の低下とは、日本の経済が次第に「労働集約的」になっていることを表します。  

 

普通、国民経済は「人力」(人による根性も入る)による労働集約的構造から、投資の蓄積により資本集約型(資本装備率を高めて、機械など広範囲のモノにより生産性をあげる)になるのですが、日本は逆行しています。  

 

資本装備率の資本とは具体的には、「道路、トンネル、橋梁、鉄道網、空港、港湾、発電所、送電線網、電波塔、通信ネットワーク、ガスパイプライン、上下水道網、建築物、工場、機械・設備、運搬車両など「生産のために必要な資産(=生産資産)」」を指します。  

 

資本主義とは投資により労働者の生産性を高め、生産量を拡大していく経済モデルです。

 

生産性向上により実質賃金が上昇し、国民が稼ぐ所得でモノやサービスが増えていく、つまり豊かになるのです。  

 

生産性向上のためには「資本装備率を高め、労働集約的から資本集約型へと移行していく」ことです。  

 

日本の資本装備率は製造業は横ばいですが、サービス業は30年前以下の状態になっています。  

 

デフレ下の日本では次第に、労働集約的になってきているのです。  

 

1997年以降、消費税増税、公共投資削減といった一連の緊縮財政により、経済がデフレ化し、人が安く買い叩かれる時代が始まりました。  

 

経営者は設備投資をせず、資本装備率は低迷し、労働集約的になり、技術や設備ではなく「人の根性」「安く良い品質の製品・サービス」を提供するという狂気の状態に至りました。

 

企業が生産性向上を怠り、日本人の労働力(人手)に過剰に依存することで生産を成り立たせてきたということです。

 

2012年末の第二次安倍政権が発足後も、日本の資本装備率は低迷し、経営者は資本を増やしていません。  

 

逆に言えば、資本装備率を上げずに需要を満たそうとするなら、経営者は「労働者を増やす」選択肢しかなく、結果的に「就業者数が増えているが、実質賃金は落ち込んだまま」となりました。  

 

「就業者数増+実質賃金低下」とは国家が低生産性の発展途上国、貧困国に落ちぶれていったことを意味します。

 

働いても、十分な給与を稼げない人が増えています。(高齢者の低賃金再雇用や女性のパートタイマー・アルバイト雇用の増加のため)  

 

しかし、地方は失業率は低いといっても、疲弊しています。  

 

理由は政府が地方への交通インフラの整備を怠っているからです。  

 

公共投資は南関東(首都圏)と東北(大震災後)のみ増えており、後はどこも1999年水準を下回っています。(特に酷いのが四国、中国、北陸です)  

 

つまり、東京一極集中なわけです。  

 

ここからの詳しい内容は本をお読みください。

 

かなり濃い本です。  

 

ではこの辺で。(3528文字)  

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。

 

参考・引用文献。

「亡国のメガロポリス」

「日本人の勝算」

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