初心者のための経営学の教科書「俯瞰経営学3」PART7

どうも、武信です。(No336)  

 

「フィクサーによる日本教育改革本」も教育の全体図・俯瞰図でしたが、経営学でも俯瞰図を作ろうという野心で作ったのが本書です。  

 

「フィクサーによる日本の教育改革本」も教育業界に影響を与えていると思われますが、この俯瞰経営学も多少は影響を与えているかもしれません。  

 

作り始めたのは3年くらい前ですし、まだ未完成ですが、出版社らにパクられまくり、新規性がなくなったので、無料で公開します。  

 

「俯瞰経営学3」のPART7です。

 

本編はここからです。  

 

前置き編が終わって、ようやく本編に入ります。  

 

ここからが僕の経営学の俯瞰全体地図です。  

 

 

18 マーケティング(好感度の話&初頭効果と親近効果&「上昇選好」&割引価値&損失回避バイアスと現状維持バイアス)

 

「人間が不合理な存在」という例では、以下があります。  

 

「ずっと優等生で善行を積んできた人が、たまに悪事をしたときへの人間の嫌悪度」や、「ずっと悪人だったけど、たまに善行をしたときの好感度の話」です。  

 

前者は、嫌悪度が極端に高くなります。

 

後者は、好感度が高くなります。  

 

これっておかしい(矛盾)ですよね?  

 

評価されるべきは前者の人であり、後者は善行の蓄積の面から言えば、少しなのです。  

 

また、人間には初頭効果親近効果があります。  

 

初頭効果は「物事の最初が印象に残りやすい現象」であり、親近効果は反対に、「一番最後が物事の印象に残りやすい現象」です。  

 

人間とは蓄積ではなく、ある強烈な一場面を高く評価したり、記憶しているのです。  

 

ピークエンドの法則もありますね。  

 

人の経験に対する印象は必ずしも絶対的なものではなく、「ピーク時の感情と最終局面での感情の平均で決まる」という法則です。  

 

不快な経験が、どれだけ長く続いたかよりも(苦痛の蓄積)、ピーク時の苦痛と、終了局面の苦痛が和らいだ方が、苦痛度は後者が減るのです。  

 

食事の際に、好物を最後に食べた方が、満足度が高まります。(最終局面)  

 

このような人間の感覚の矛盾は、適応でも説明できます。人間は適応度が優れています。  

 

悪いストレスを与え続ける人に慣れて、当たり前に思ってきた時に、良いことをされると、インパクトが強いのです。  

 

逆に、良い状態に慣れ過ぎて、たまに悪いことをされるのも、インパクトが強くなります。  

 

人間は適応してしまいます。  

 

本来なら、良いことを長くしてくれた人に、良い印象を持つべきなのに、適応し慣れすぎて、当たり前に思えてきて、インパクトが薄れるのです。  

 

逆に、悪いことを長くしてきたなら、悪印象を持つべきなのに、適応し慣れすぎた時に、よいことをされると、インパクトが強くなり、好意度が上がります。  

 

人間の感覚は、まったく当てになりません。  

 

「超一流のアイデア力」という本によれば、ピークエンドの法則の変種に、次のような法則があります。P207、208。  

 

「上昇選好」です。  

 

5年契約である仕事に就くとして、右肩上がりで年収が「上昇する」タイプと、右肩下がりで年収が「下降する」タイプの2種類があり、年収の合計は同じだとしたら、どちらを選ぶのかというテーマです。  

 

多くの人は、上昇型を選ぶといいます。  

 

「終わりよければすべて良し」だからです。(最終局面)  

 

しかし、割引価値の概念を知っていたら、この行動は合理的ではないと思うはずです。  

 

現在の1万円と、5年後の1万円は同じ価値ではないからです。

 

現在の1万円は、5年後の1万円より価値が高いです。  

 

それは投資に回すことで、金利や利息がもらえるからです。  

 

早めに現金を多くもらっていた方が、金利分、お金が増えるわけですから、合理的な行動です。  

 

ですが、多くの人は感覚的に、後の満足を選んでしまいます。  

 

損失回避バイアスに加えて、現状維持バイアスもあります。P213~218。  

 

人間は、損することを特に恐れているのに加えて、現状を維持することを好むのです。

 

引っ越しや新しい製品やサービスを試すという人は、少数派です。  

 

現状を変えるというのは、リスクを伴うことだからです。  

 

よって、よほどのことがない限り、現状維持を好みます。  

 

新しいモノに手を出すにはリスクがある以上、よほどの便益、満足が得られないと行動に移さないのです。  

 

このように、矛盾を多く抱えているから、不合理な存在なのです。  

 

 

19 マーケティング(エスノグラフィー手法)

 

ここで、エスノグラフィーの手法を紹介します。 文化人類学の考えであり、「現地の人々と一緒に生活して行動を観察し、体験した事実やインタビューした内容をフィールドノートに記録する手法」です。

 

エクストリームユーザー(極端な利用者)を、観察します。  

 

極端な利用者には、「徹底的利用者」「代替品利用者」がいます。  

 

前者は頻繁に利用する層であり、製品やサービスに対して詳しく意見をたくさん持っているでしょう。

 

自分なりに工夫して使いやすくもしているはずです。  

 

彼らを観察すれば、製品・サービスの改善に活かせる場面が多いことでしょう。  

 

後者は代替品で間に合わせている層であり、代替品の利点を明らかにしてくれるかもしれません。

 

この情報も、従来の製品やサービスの改善に役立つでしょう。  

 

ちなみに、観察には主観を入れず、ありのままに捉えることが大事です。

 

その観察から、顧客ニーズが明らかになります。  

 

例えば、スマホのカメラを本を写して、記録している姿を観察できたら、この現象の裏に潜む顧客のニーズは何か?を考えるわけです。  

 

要は、本を紙に写すのではなく、手っ取り早く記録し、PCなどに移したいのです。

 

本の情報をタイピングで、わざわざ打って記録したくないということです。  

 

しかし、それが安易にできるようになったら、出版社は困ります。

 

このニーズは大きいですが、出版社は困るわけです。(今はこれのアプリがあります)  

 

ちなみに、エスノグラフィー手法は強力すぎる反面、悪用されることがあると僕は考えています。  

 

あまり大っぴらに言いたくないことですが、顧客を盗聴・盗撮し、観察してしまうのです。

 

これなら、顧客が丸裸にされます。  

 

アンケート調査のように、見栄も嘘も顧客はつかないので、ありのままを観察できます。

 

そして、企業の製品・サービスの改善に役立てるのです。  

 

盗聴は現在、違法ではありません。

 

盗聴行為自体は法律で、罰せられないのです。  

 

信じられない話かもしれませんが、僕は企業はこれをやっていると考えています。

 

特に、TV局や出版社などのメディア系はこれをやっていると予測します。  

 

興味深い視聴者を盗聴・盗撮し、番組のネタにするのです。

 

本や番組は、常にネタ不足です。  

 

このネタ不足を補うには、盗聴・盗撮し、観察すれば、かなりアイデアが浮かぶでしょう。  

 

ちなみに番組のネタだけでなく、病気や症状などの発見にも役立ちます。  

 

「ストレートネック」という言葉が流行り始めました。

 

知っていますか?  

 

これも観察から導き出されたと聞いたら驚くのではないでしょうか?  

 

こんな話は信じられないという人は、僕の陰謀論のブログを読んでください 

 

エスノグラフィー調査の詳しい説明については、「機会発見」という本のP116~156までをお読みください。  

 

ちなみに、家庭訪問調査というものもありまして、それは既存の商品や完成した製品のコンセプトの評価といった、「仮説検証」を目的としています。 そして、この本で紹介されている「機会発見アプローチ」はエスノグラフィー調査的な「仮説発見」を目的としています。  

 

エスノグラフィー調査とは、「仮説発見」であり、「仮説検証」ではないのです。

 

新製品開発のためなのですね。  

 

エスノグラフィー調査に似たものとして、日記調査デプスインタビューがありますが、エスノグラフィー調査とは似て非なるものです。

 

  日記調査の目的は、アンケートによる生活者の価値観、動機に関する定性情報の収集です。  

 

デプスインタビューの目的は、インタビューによる生活者の価値観、動機に関する定性情報収集です。  

 

エスノグラフィー調査の目的は、フィールドワーク(インタビューと観察)による生活者の価値観、動機に関する定性情報の収集です。  

 

エスノグラフィー調査の方が生活者にもっと踏み込んでいます。  

 

詳しくは「機会発見」という本のP93~95をお読みください。  

 

20 マーケティング(「人間は外面と内面、本音と願望で成りたっている」)

 

ここで、「人間は外面と内面、本音と願望で成りたっている」という話をします。  

 

人間は外面と内面と本音と願望で成っています。  

 

外面と内面を使い分ける人はいます。  

 

さらに行動を見れば、本音が見えると信じられてきました。

 

ですが、行動だけではその人の真の姿は見えてきません。  

 

なぜなら、願望が含まれているからです。  

 

恋愛に例えてみましょう。  

 

その人の行動を見るとある女性Aさんに惚れているように見えます。

 

熱烈なアプローチをし、片道2時間かけて会いにきてくれます。  

 

言葉(愛しているなど)よりは信頼できます。

 

ですが、その行動はその人の真の姿ではありません。  

 

なぜなら、願望が隠れているからです。  

 

その女性Aさんを好きかもしれませんがさ、らなる魅力的なBさんが登場し、そのBさんが男を好きだと言い始めた場合、様相が変わってきます。

 

男の願望的にはBさんの方が好みだからです。  

 

そうなると、Bさんにアプローチを始める可能性があります。  

 

つまり、今までのAさんに対するアプローチ(行動)だけ見ていても、男の真の姿は把握できないのです。  

 

願望が隠れているのです。

 

商品も同じです。

 

行動や言葉を見ると、こういう商品を欲していると見られがちですが、願望まで反映しているかは分かりません。

 

そして往々にして、願望の方が欲求度が高いのです。

 

願望を満たす商品を作った方が売れます。  

 

アップルが消費者調査をやめるという報道がありましたが、ある程度正しいです。  

 

行動や言葉だけでは願望まで把握できません。  

 

願望行動言葉の順に、その人の姿が垣間見ることができます。  

 

願望とは理想の製品であり、SF的発想が役立つでしょう。  

 

消費者にとって、最高に満足できて便利なら、どんな形態の製品やサービスでもいいのです。  

 

空想、発想を狭めないようにしましょう。  

 

人間という生き物は不合理であり、願望>行動>言葉などの構造があり、矛盾した構造を内に秘めているのですね。  

自身が発言した内容だとしても、その通りに行動しているとは限らず、そういう全人格を見つめないと、その人の行動の動機や本音は分かりません。  

 

1人の人間の断片的な情報(行動、価値観、習慣、動機、属性など)を総合、集約化して、全人格として理解すべきでしょう。  

 

しかし、1人の人間の完全理解だけでここまで手こずるわけですから、多数になるとお手上げですね。  

 

One-to-Oneマーケティングで、個々のお客事に対応できれば良いのですが、それが無理な場合、最大公約数を狙うべきでしょう。  

 

ではこの辺で。(5862文字)  

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。  

 

参考・引用文献。  

 

「超一流のアイデア力」

 

「機会発見」  

 

参考引用文献がわからなくなったので、僕の「俯瞰経営学」で参考にした本は全冊載せておきます。  

 

参考・引用文献。

「27歳からのMBA グロービス流リーダー基礎力10」

「正解が見えない課題を圧倒的に解決する超仮説思考」

「超・検証力 その仮説は本当に成果を出せるのか?」

「世界市場で勝つルールメイキング戦略」

「ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか」

「ビジネスモデルナビゲーター」

「リクルートのすごい構創力」

「0to100会社を育てる戦略地図」

「世界最高峰の頭脳集団NASAに学ぶ決断技法」

「数学嫌いの人のためのすべてを可能にする数学脳のつくり方」

「文系が20年後も生き残るためにいますべきこと」

「マッキンゼーが予測する未来」

「RPA革命の衝撃」

「日本流イノベーション」

「統計学が最強の学問である ビジネス編」

「入社10年分の思考スキルが3時間で学べる」

「大前研一IoT革命」

「新富裕層の研究」

「ビジネスで使える経済予測入門」

「定量分析の教科書」

「稼ぐ人財のつくり方」

「社員20人なのに新卒採用に1万人が殺到。日本一学生が集まる中小企業の秘密」

「リーダーの基準」

「INNOVATION PATH イノベーションパス」

「イノベーションの壁」

「確率思考の戦略論」

「未来を味方にする技術」

「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」

「あなたの会社が最速で変わる7つの戦略」

「ビジネスモデル思考 既存ビジネスから「イノベーション」を生む7つの視点」

「賢い企業は拡大主義より永続主義」

「なぜデータ主義は失敗するのか?」

「戦略にこそ「戦略」が必要だ」

「手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略」

「カスタマーセントリック思考」

「日本企業で本当に役立つマーケティング7つの原則」

「機会発見」

「パラノイアだけが生き残る」

「超一流のアイデア力」

「経営とデザインの幸せな関係」

「降りてくる思考法」

「マーケティング零」

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「なぜ良い戦略が利益に結びつかないのか」

「図解&事例で学ぶWebマーケティングの教科書」

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「物語戦略」

「デジタル・トランスフォーメーション」

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