どうも、武信です。(No260)
前回の記事は以下です。
2020年教育改革への僕の本「フィクサーによる日本の教育改革本12 第16章 上」PART3です。
構想約5年以上!総文字数約31万2000文字以上の執筆物です。
フィクサーだと僕が思う理由は、2014年頃(正確には2013年頃から着手)から、この本を書き始めており、それと連動して日本の教育改革も進んだことが、まず挙げられます。
また、それ以上の確固たる証拠もありますが、それは伏せることにします。(本が1冊書けるほどの情報量になります)
第16章「日本に今後、必要な人材とは?」
7 「IT心理学」からの引用・まとめ(長め)
コスト削減の話では、「IT心理学」という本も参考になります。
著者は、武蔵野という中小企業の社長で、見事に実績を上げた小山昇氏で、その実績を元に、今では中小企業の社長向けに経営コンサル的なことをやっているようです。
小山氏のIT活用術は、コスト削減にはかなり効果がありました。
例えば、残業を月に40時間減らした結果(1人の時給が1000円なら、月に1人4万円の人件費削減)、社員の人数分、毎月、人件費削減が続きます。
残業を減らすために、iPadを活用しました。
武蔵野では、家族の交流も大切にし、ITを使えない時間帯を強制的にもうけ、アクセス制限をかけたほどです。
「残業時間を減らしただけでなく、その余った時間を家族交流に使わせ、家族の絆が安泰なら、仕事にも好影響を与える」という目論見です。
休日出勤も承認制にしました。
さらに、休日出勤を申請するなら、同時に必ず振替休日を取らせました。
代わりの休みを決めないと、休日出勤の許可が下りず、休日出勤は激減したそうです。
セールスパフォーマーという営業支援ソフトを活用し、社員の営業成績を全員に見える化しました。
「見える化」により誰の成績が良くて誰がイマイチなのか、さらには顔写真付きであり、一目瞭然です。
また、契約が取れると速報として、他の社員にメールで通知が行ったり、モニターにアニメーションが流れるのです。
他人の頑張りが向こうから流れてくるので、社員も頑張らざるを得ない仕組みです。
ちなみに、セールスパフォーマーは残業時間の削減にも使われましたが、詳しくは本で。
残業時間削減などのコスト削減策だけでなく、売上増加にもITは貢献しています。
iPadは社員全員が1人1台持たせていますが、そのiPadに法人向けのファイル共有ソフト「PrimeDrive」をインストールし、会社でIDの管理をしています。
さらに、営業現場で、そのソフトによるキャンペーンのチラシや商品の使い方を紹介した動画を用い、お客様先での事務の処理中に見てもらうことで、営業マンが実質的に2人いるような活躍をしてくれます。
iPadにはGPS機能も入っており、顧客対応にも効率化を図っています。
ITで位置情報を活用し、お客様からのクレームにはそのお客様の担当ではない社員が、すぐ現場に駆け付けられるのです。
また、お客様の情報は普通は営業マン個人に紐づいていますが、武蔵野では自社で開発したソフト「マイページPlus」で、情報を人にではなくお客様につけています。
普通の会社は「情報=営業マン(人)」ですが、武蔵野では「情報=お客様」なのです。
こうすれば、担当外の社員でも「情報=お客様」ですから、調べれば、これまでの取引や現在の商談にも対応できます。
また、「情報=営業マン(人)」の場合、その営業マンが、「あのお客様は自分がじゃないとダメだ」と訴え、保身に走りがちです。
または、お客様と仲良くなりすぎて、不正をする場合もあります。
さらに、優秀な営業マンが、お客様を抱えたまま独立する例もあります。
しかし、「情報=お客様」にしておけば、そういうトラブルは起こらず、さらに異動もしやすいのです。
自社ソフトの「マイページPlus」には、訪問計画も登録されています。
予定先を訪問して、訪問実績を登録すると色が変わり、訪問しないと実績を登録できないので、色が変わらず、サボったら一目瞭然になっています。
さらに、営業マンが先方に滞在した時間まで記録されます。(ちなみに、滞在時間が長いほど売上は伸び、逆に短いほど、売上が落ちるという法則があるそうです)
これが「見える化」の威力であり、社員はサボれないのです。
データネイチャーというソフトを現場の社員が使って、データ分析をするのも武蔵野の独自の特徴です。
普通の会社では、経営企画部門がデータ分析をやるのに、現場の社員がやるのだから、驚きです。
コールセンターでは「Avaya」というソフトを入れており、いつ誰から電話があり、どんな内容だったかなど、お客様に関するデータをすべて記録しています。
このデータにより1週間のうち、もっとも電話が多いのは月曜日であり、時間帯は朝と夕方が多いと分かったそうです。
これらの事実から、柔軟なオペレーターのシフトを組めます。
9時~10時は1050円、10時~16時は1000円、16時からは1050円など、時給を変えることで、オペレーターを柔軟に使いこなすのです。
武蔵野は、ホームページ内の動きの全てのデーターを記録しています。
Webマーケティングをしっかりやっているのです。
これもITを駆使した戦略です。
「ChatWork」というコミュニケーションツールも、武蔵野では導入しています。(LINEのようなものですが、LINEより使いやすいそうです)
小山氏が個人で使っているアプリが「Captio」です。
このアプリは音声認識の機能があり、スマホに向かって話すと、テキスト化してメールで送ってくれるのです。
精度はそこまで高くないので、自分用のメモとして活用できます。
「エナジャイザー」という適正ソフトを使うと、社員1人1人の能力や適性、価値観がある程度、把握できます。
「情報処理特性」「内的価値観」「対象評価価値観」の3つが、定量的に示されるテストです。
分かりやすく書けば、「情報処理能力、頭の良さ」「性格」「モチベーション」の3つです。
「情報処理特性」は同じぐらいのレベル同士で、仕事を組むのが大事です。
どちらかが上でも下でも、波長が合いません。
また、適正な稼働率は約8割であり、10割を超えるとオーバーワークです。
「内的価値観」は、「野心」「おとなしい」「真面目」「外交」「世話好き」「気さく」の6つが数値化されます。
数値によって、管理職に向いているかや、営業職に向いているかなどの判断ができます。
「対象評価価値観」(モチベーション)は、「ブランド」「楽しさ」「実利」「マインド」「体・行動」「自己実現」「やすらぎ」の7つです。
このうち、「ブランド」「実利」「自己実現」が高いと、厳しい局面を乗り切れる人材ということがわかるそうです。
逆に、「楽しさ」「マインド」「体・行動」「やすらぎ」が高いタイプは、ストレスを感じる場面から逃げる傾向があるそうです。(少なくとも、幹部職員には向きません)
「対象評価価値観」のグラフにより、その社員が何に不平不満を抱いているかがわかります。
グラフは「仕事」「会社」「職場」の3つに分かれています。
武蔵野では、「エナジャイザー」を入社希望者に受けさせており、採用の際に、落とす目安としています。
どういった人を落とすかというと、「情報処理特性」の高すぎる人がまず挙げられます。
理由は、社員の能力に差がありすぎると、ぎくしゃくした雰囲気になるからです。
どうしても採りたい場合は、情報システム担当にします。
次に、ストレス耐性が低い人を落とします。
「対象評価価値観」で、「楽しさ」「マインド」「体・行動」「やすらぎ」の項目が強い人ですね。
詳しくは本で。(近いうちに「エナジャイザー」に関する本が出版されるそうです。「人事課がなくなる日」という本にも詳しく書かれています)
「IT心理学」という本ではITを活用し、コスト削減だけでなく売上アップもさせています。
また、ITの活用は、主に裏方が効果的ですが(内勤の事務処理など)、フロントで人と人が接する場面ではアナログが大事です。
人と人との対面では、手抜きはデジタルによる手抜きは厳禁です。
人間関係とは基本的に面倒くさいものであり、だからこそ苦労して築けば、関係は強固になります。
小山氏は社員1人1人にハガキを出すそうです。
ハガキは社員の妻も見るので、叱咤激励したいとき、妻に代わりにしてもらう意味もあります。
ハガキは印刷ではなく、文字を書いているので、手間がかかっており、心が相手に伝わります。(ハガキ1枚書くのに、3分かかるそうです)
社員教育にも、Eラーニングを武蔵野では行いません。
アナログによる勉強会を開きます。
Eラーニングだと、社員がずるをしてサボりがちだからです。
武蔵野では、営業車に「テレマティクス」という自動車に通信機器をつけて、情報をやりとりする技術を導入しました。
これにより、スピードのデータを遠隔地からリアルタイムで把握できます。
よって、安全運転が達成されやすくなります。(危険な運転が、すべて見張られているということです)
ITの活用により、会社の強化につながることが分かります。(「IT心理学」の本は中小企業向けではありますが)
ではこの辺で。(4413文字)
このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。
あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。
参考・引用文献。
「IT心理学」