初心者のための経営学の教科書「俯瞰経営学3」PART6

どうも、武信です。(No335)  

 

「フィクサーによる日本教育改革本」も教育の全体図・俯瞰図でしたが、経営学でも俯瞰図を作ろうという野心で作ったのが本書です。  

 

「フィクサーによる日本の教育改革本」も教育業界に影響を与えていると思われますが、この俯瞰経営学も多少は影響を与えているかもしれません。  

 

作り始めたのは3年くらい前ですし、まだ未完成ですが、出版社らにパクられまくり、新規性がなくなったので、無料で公開します。  

 

「俯瞰経営学3」のPART6です。

 

本編はここからです。  

 

前置き編が終わって、ようやく本編に入ります。

 

ここからが僕の経営学の俯瞰全体地図です。  

 

 

15 マーケティング(顧客ニーズの分析手法&市場目線の分析&市場調査&HOOFモデル)

 

さて、顧客ニーズを分析するには購買意思決定プロセス購買行動分析購買決定要因(KBF)、購買意思決定者(DMU=Decision Making Unit)などがあります。  

 

製品やサービスのイメージが出来上がったら、それを自社の資源を利用して提供できるのか、あるいは支援することができるのか、それをいかなる技術で具現化するかを考えなければならないのです。  

 

また市場目線の分析も大事です。  

 

規模(売上金額・出荷数量・顧客数等)、

年平均成長率(過去・将来予測)、

構成比率(地域別・年齢別等)

などがあります。  

 

市場調査もします。  

 

「世界標準の思考ツールが一気にわかる戦略フレームワーク25」という本から。  

 

あなたの会社が2つの製品を1つの顧客グループに提供している場合、事業セグメント(製品―市場セグメントとも呼ぶ)は2つです。  

 

しかし、製品数は2つのままで、新たな顧客グループを1つ開拓すると、事業セグメントは4つとなります。  

 

3つ目の製品を導入して、2つの顧客グループに販売すると、事業セグメントは6つです。  

 

あなたの会社ではいくつの製品を提供しているだろうか。

 

顧客グループはいくつあるか。  

 

両方の数字を掛け合わせたものがあなたの会社のセグメントの数です。P19。  

 

HOOFモデルで需要予測を行う場合、そのステップ(段階)は4つある。

 

このプロセスを正しく行うことで論理的に予測が行える。

 

ステップから外れると、間違った答えが導き出される可能性もある。  

 

この4つのステップを自社の主な製品―市場セグメントにそれぞれ適用して実施する。  

 

4つのステップは以下の通り。

 

1  過去の成長(H Historic growth) 市場の需要がこれまでに、どれだけ伸びてきたかを評価する。

2 過去の成長要因(D Drivers past) これまでの成長を動かしてきた成長要因は何かを、認識する。

3  今後の成長要因(D Drivers future) これまでの成長要因に変化はあるか、また今後新たな成長要因となるものが登場しそうかを考える。

4  成長予測(F Forecast growth)  今後の成長要因の動向を基に、将来の需要を予測する。

P57、58。詳しくは本で。  

 

主に、ニーズを追求するときに顧客・市場分析は必要です。

 

しかし、破壊的イノベーションの場合は顧客・市場調査は難しいです。  

 

何しろ、まだ消費者が存在していない無消費者を相手にしていますから。  

 

16 マーケティング(Facebookの例&歯ブラシテスト)

 

ここからは人間心理を深く知ることで、ニーズ把握や新製品開発に活かしましょう。  

 

人間起点アプローチの深堀りです。  

 

人間起点アプローチの究極の商売として、Facebookが挙げられます。  

 

モノが満たされ、精神の充足が求められる世の中になったとき、人々は自分に関心を向け、「いいね」されることを求めるようになりました。  

 

自分に関心を持ってもらい、注目されたいという欲求をFacebookは満たし、16億人の会員数(キリスト教は20億人)を誇り、広告料収入などで35兆円の企業価値につながっているのです。  

 

Facebookはプラットフォームビジネスだと言われます。  

 

プラットフォームとは身近な例で言えば、電車の駅のようもので、駅には利用者がたくさん集まります。  

 

利用者が集まれば、ビジネスの可能性は大きく広がります。  

 

プラットフォームビジネスをするうえでは、直接的ネットワーク効果は外せません。(今や売上が数兆円規模であるFacebookも、サービスが十分大きくなるまでは、広告すら載せず、ユーザーをとにかく増やす作戦を取りました)  

 

電話は1人だけしか利用しなければ、価値はほぼないですが、たくさんの人が使えば、たちまち便利な道具と化します。プラットフォームもたくさんの人が使えば使うほど、利便性が増すのです。  

 

Facebookも参加人数が増えれば増えるほど、出会いの機会が増しますね。  

 

そして、知名度により、「1人勝ち現象」が起きやすくなります。  

 

間接的ネットワーク効果は膨大な参加者を目当てに、別のネットワークが始まる意味合いです。  

 

例えば、家庭用ゲーム機は専用のハードが普及すれば、ソフトを開発する企業群がヒット作を狙い、競争します。

 

この現象が起きれば、元のネットワークはさらに盛り上がります。  

 

ハード機器と人気ソフトが相乗効果を発揮し合い、ネットワーク効果がどんどん拡大していきます。  

 

Dropboxは無料で使えるストレージ容量は2.5GBで制限していましたが、一人紹介するごとに、500MB分のストレージを増やす仕組みを導入しました。  

 

Uberはユーザーを紹介すれば、5000円分の無料チケットを配布し、初期ユーザーを増やすことに成功しました。

 

DropboxもUberも、ネットワーク効果を狙った施策でした。  

 

最後に「歯ブラシテスト」というものがあり、「自社のサービスを使う頻度は歯ブラシを使う頻度(1日2回)より高いか」と、自問するテストがあるそうです。  

 

利用頻度が高ければ、10倍スケールで成長する可能性が高いと言えます。

 

Facebookも利用頻度が多いと思われます。  

 

17 マーケティング(人間心理や行動の深堀り&CMの話&楽しさなどを追求した商品作りにするか不快を減らす商品作りをするか&買われる理由、選ばれる理由の調査)

 

次に、人間心理や行動の深堀りをします。  

 

ほとんどの人間は、経済学が描くように、合理的に動いていません。

 

不合理を描いた行動経済学のほうが現実的な見方です。  

 

ものすごくシンプルに考えると、「快か不快か、損か得か」で動いていると思えてきます。  

 

快か不快かは、感情的側面であり、損か得かは、合理的側面でしょう。  

 

従来の経済学が描く人間像は、「損か得か」でしたが、現在の行動経済学は、「快か不快か」の感情面を考慮した、不合理な存在を前提としています。  

 

そして快を与え、得させると思わせれば、ほとんどの人間は味方につくか、動くのではないでしょうか?  

 

自分が不快で損してまで動く動機の人は、自分のプライドや道義や正義感などで動く人でしょう。

 

自分の中に、正義像、ヒーロー像があるのでしょうね。  

 

NSAを暴露したスノーデン氏が該当するでしょう。

 

アメリカの不正義を見過ごせなかったのです。  

 

不快で、損をする行動をなかなか人間はしませんが、スノーデン氏は命の危険を冒してまで、実行しました。  

 

ちなみに、快か不快かは「美しいか醜いか」や(視覚)、「おいしいかマズイか」や(味覚)、「いい匂いかくさいか」(嗅覚)や、「触り心地がいいか悪いか」(触覚)や、「いい音(声)かそうでないか」(聴覚)や、「気持ちいいか気持よくないか」(複合、総合的)など、幅広く含みます。  

 

感情以外の要素も入るということです。

 

損か得かは打算的です。  

 

他の軸として、マズローの欲求説があるでしょう。  

 

自己実現(自分の力がどこまで通用するか?大リーグに挑戦する野球選手が典型例)や、承認欲求(マウンティング含む)などもあるでしょう。  

 

または、他の軸があるかもしれません。  

 

さて、感情を伴ったストーリー体験のCMと機能や、メリットをアピールしたCMがあります。  

 

人間は感情にも左右されますので、前者のCMも効果的でしょう。  

 

また、人間の感情を考慮しないと、商品が購入されない可能性があります。  

 

白髪染めケア商品では、「同年代で使用者が少ないので使うのが恥ずかしい」や、「白髪染め商品は年齢を受け入れられない、潔くない感情が沸き起こる」などの理由で、買われないこともあります。  

 

日本人の国民性「皆が使っているものに合わせる」だとすると、「皆が使っている」というCMは効果がありそうです。  

 

損得だけでは動かない、人間の性質を表していますね。  

 

「快か、不快か」の軸では感情もそうですが、さらに、楽しさなどを追求した商品作りにするか、不快を減らす(不満点、不満足、不便を減らすか、なくす)商品作りをするかに分かれます。

 

ポケモンGoなどは、快を追求した商品です。  

 

逆に、食器洗い器などは、不便を減らす商品です。

 

どちらを追求するか考えると、商品作りのアイデアが浮かびやすくなるかもしれません。  

 

また、一つの商品に「快や不快」の両方が含まれているケースももちろんあります。  

 

iPodはCDを持ち歩く不便さを解消し、何千曲を持ち歩け、「ネットですぐに買える」という快を併せ持つ商品です。  

 

消費者の「買う理由」において、「快」で買うのか、不快を減らす」で買うのか、それとも両方か、または買わない理由は何なのか、を調査することは大事です。  

 

買わない理由を把握し、ボトルネックをなくしても、それだけで購買動機が強まるとは限りません。  

 

また、そもそも買わない理由が、認知率の低さも考えられますし、認知率を上げるのは情報爆発、チャネル・メディア多様化の時代では、難しくなっています。  

 

買われる理由、選ばれる理由を調査する方が良いのでしょう。  

 

現在の顧客の買っている理由をきちんと把握し、現在買っていない顧客に、どう訴えることができるか考えるのです。  

 

例えば、

A「買っていない人の買わない理由」と、

B「買っている人の買っている理由」

の調査が、「スッポン商品」について行われました。  

 

Aは「スッポンは男性の滋養強壮」という調査が出ました。

 

Bは「美魔女系芸人がスッポンを使い、美肌の効果が高い」という調査を引き出しました。

 

Bを調査することで、女性向けスッポンという商品が出来上がったのです。  

 

「カスタマーセントリック思考」のP117。  

 

ではこの辺で。(5638文字)  

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。  

 

参考・引用文献。  

 

「世界標準の思考ツールが一気にわかる戦略フレームワーク25」

 

「カスタマーセントリック思考」

 

参考引用文献がわからなくなったので、僕の「俯瞰経営学」で参考にした本は全冊載せておきます。

 

参考・引用文献。

「27歳からのMBA グロービス流リーダー基礎力10」

「正解が見えない課題を圧倒的に解決する超仮説思考」

「超・検証力 その仮説は本当に成果を出せるのか?」

「世界市場で勝つルールメイキング戦略」

「ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか」

「ビジネスモデルナビゲーター」

「リクルートのすごい構創力」

「0to100会社を育てる戦略地図」

「世界最高峰の頭脳集団NASAに学ぶ決断技法」

「数学嫌いの人のためのすべてを可能にする数学脳のつくり方」

「文系が20年後も生き残るためにいますべきこと」

「マッキンゼーが予測する未来」

「RPA革命の衝撃」

「日本流イノベーション」

「統計学が最強の学問である ビジネス編」

「入社10年分の思考スキルが3時間で学べる」

「大前研一IoT革命」

「新富裕層の研究」

「ビジネスで使える経済予測入門」

「定量分析の教科書」

「稼ぐ人財のつくり方」

「社員20人なのに新卒採用に1万人が殺到。日本一学生が集まる中小企業の秘密」

「リーダーの基準」

「INNOVATION PATH イノベーションパス」

「イノベーションの壁」

「確率思考の戦略論」

「未来を味方にする技術」

「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」

「あなたの会社が最速で変わる7つの戦略」

「ビジネスモデル思考 既存ビジネスから「イノベーション」を生む7つの視点」

「賢い企業は拡大主義より永続主義」

「なぜデータ主義は失敗するのか?」

「戦略にこそ「戦略」が必要だ」

「手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略」

「カスタマーセントリック思考」

「日本企業で本当に役立つマーケティング7つの原則」

「機会発見」

「パラノイアだけが生き残る」

「超一流のアイデア力」

「経営とデザインの幸せな関係」

「降りてくる思考法」

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