初心者のための経営学の教科書「俯瞰経営学3」PART8

どうも、武信です。(No337)  

 

「フィクサーによる日本教育改革本」も教育の全体図・俯瞰図でしたが、経営学でも俯瞰図を作ろうという野心で作ったのが本書です。  

 

「フィクサーによる日本の教育改革本」も教育業界に影響を与えていると思われますが、この俯瞰経営学も多少は影響を与えているかもしれません。  

 

作り始めたのは3年くらい前ですし、まだ未完成ですが、出版社らにパクられまくり、新規性がなくなったので、無料で公開します。  

 

「俯瞰経営学3」のPART8です。

 

本編はここからです。  

 

前置き編が終わって、ようやく本編に入ります。  

 

ここからが僕の経営学の俯瞰全体地図です。  

 

 

21 マーケティング(ビジネスプランの立て方が変わった&デザイン思考のマトリクス&顧客の一連の行動をストーリー化して整理する手法)

 

さて、今までの時代の「ニーズ→解決策→製品・サービス」というビジネスプランの立て方が、「ライフスタイル(エスノグラフィー調査など)→価値ある情報→コミュニティづくり」というステップに、変わった可能性はあります。  

 

Amazonのレコメンド機能は、顧客のライフスタイルを検索履歴から、暴き出し、価値ある情報をお勧めする機能であり、さらに、多くの集客を誇るコミュニティの場とも言えるでしょう。  

 

ソフトバンクのペッパー君でさえ、家庭の中や社会に置かれることで、ライフスタイルを調査するセンサーという位置づけで、観ることができるでしょう。  

 

センサーや検索サービス、ポイントを使い、消費者のライフスタイルのデータベースを作り、価値ある情報を解明し、提供する視点が今後、広がりそうです。  

 

情報革命とは、まさに情報(顧客のライフスタイルのデータベース)が鍵を握ると言えるでしょう。  

 

また、デザイン思考では、あるマトリクス図を提唱しています。  

 

左上に「顧客が言っていること」、左下に「顧客が行っていること」、右上に「顧客が考えていると思われること」、右下に「顧客が感じているだろうこと」に分類します。  

 

エスノグラフィーによる観察により、「言っていること」「行っていること」は把握できます。  

 

そこから洞察し、「考えていること」「感じていること」を見いだすのが、大事なのです。  

 

そこから、顧客の隠されたニーズ(インサイト。洞察や気づき)が得られます。  

 

マトリクス図を眺めながら、「新鮮な点は?」「意外に思う点は?」「4つのエリア間に矛盾やギャップはないか?」「予期せぬパターンがないか?」などを検討します。  

 

特に、言葉と行動の矛盾や思っていて、感じていることと、行動とのギャップには、隠されたニーズが潜んでいる可能性が高いです。  

 

顧客の一連の行動をストーリー化して、整理する手法もあります。  

 

一連の行動を、各々分解し名前をつけ、カテゴリー(分類)化し、ストーリーとして記録するのです。  

 

一連の行動を分解し、カテゴリー化することで、各段階での顧客の隠されたニーズに気づきやすくなります。  

 

顧客の全部の行動から、隠された動機やニーズを洞察するのは難しいことですから。  

 

場面場面でそう行動し、言う理由があるはずです。  

 

データ分析では、顧客の買うモノは把握できるのですが、「なぜ」買ったかは分かりません。  

 

この「なぜ」買ったのかを暴く行為が、エスノグラフィー手法の特徴であり、強みです。  

 

アンケート調査でも、表面上の購買の理由しか見つけられない可能性が高いです。  

 

「値段が安い」「広告に惹かれた」「デザインが気に入った」などの表面上の理由です。  

 

本当は「愛する彼の笑顔が見たい」「夫のお褒めの言葉が欲しい」などの購買目的が、潜んでいる可能性はあります。  

 

アンケート調査やデータ分析では見えない顧客の隠されたニーズを探り当てるのに、エスノグラフィー手法はかなり有効です。  

 

僕の言う「願望」は経営学用語では、「インサイト」(隠されたニーズや洞察や気づき)と言われているようです。  

 

インサイトは他にも、「タウンウォッチング」「実際に買ってくれてそれに対して意見を言ってくる人」(たいていは文句)を重要視すると、把握しやすくなるようです。

 

  「タウンウォッチング」により、今までと違う行動を取る人を発見し、「どうしてそのような行動を取るのか」分析するのです。  

 

その分析は、その行動の動機や欲望を追求することになり、願望が見えてくるかもしれません。  

 

また何かを言ってくる人、たいていは文句を言ってくる人は、願望を吐き出していることもありえます。  

 

例えば、本屋大賞誕生のきっかけは文句です。

 

多くの書店員が、「直木賞に不満を持っていた」のです。  

 

書店員は、直木賞の作品じゃない本を売りたかったのです。

 

その文句が、「本屋大賞」誕生につながりました。  

 

 

22 マーケティング(ブルーオーシャン発想法)

 

ニーズ把握・発見法ではなく、形式的な手法で製品開発ができる手法があります。  

 

ブルーオーシャン戦略の著者の手法です。  

 

「超一流のアイデア力」の著者中野明氏によれば、タブレットもブルーオーシャン戦略の発想の賜物だそうです。

 

ブルーオーシャン戦略とは、既存の製品やサービスから、「取り除く」「減らす」「増やす」「付け加える」という、4つのアクションを実行して、従来にはない製品やサービスを実現します。  

 

レッドオーシャン(赤い海。競争が激しい世界)ではなく、ブルーオーシャン(靑い海。競争のない世界)を作ろうした手法です。

 

タブレットの場合、ノート型PCからキーボードを取り除き、CPUOSの能力データ保存領域を大胆に減らしました。  

 

そしたら、ノートPCとしては無価値な商品なりました。  

 

しかし、これにタッチスクリーンスクリーンキーボードを付け加え、ネット機能を大幅に向上させたら、タブレットという新しいタイプの端末が出来上がりました。  

 

この4つのアクションを形式的に実行するだけで、アイデアが浮かぶお手軽な手法と言えるでしょう。  

 

雑学ですが、等価変換理論の等価変換とは、「既知のものから不要な要素を捨て去って抽象化する」「そこに新たな要素を付け加えて再構成する」という作業が基本手順だそうです。P98。  

 

ブルーオーシャン戦略の手順と同じです。

 

理論とは根本では、似るのでしょうね。  

 

ブルーオーシャン戦略で有名な製品やサービスといえば、任天堂のWii1000円カットと言われています。

 

どちらも新しい市場を生み出しました。  

 

ブルーオーシャン戦略の「取り除く」を過剰に表現すると、「肝心なものをなくす」になります。  

 

この方法でイノベーションが生まれた例としては、ダイソンの羽根のない扇風機やスクリューをなくしたホバークラフト、情報保存の場所の制限をなくしたDropbox、長文のメッセージをなくしたTwitter、過熱から火をなくした電子レンジなどの電磁調理器、ブラウン管をなくした液晶テレビなど多数の例があります。  

 

肝心なものをなくすとは、無理難題であり、普通はなくせないと考えがちですが、それをなくすことで、逆転の発想でイノベーションを起こしてしまうのです。  

 

 

23 マーケティング(マトリクス図&広告のやり方によるニーズや購買意欲の掘り起こし方)

 

他にも、マトリクス図を活用する案があります。  

 

デスクトップ×消費者(iMac)、デスクトップ×プロ(Power Mac)、ポータブル×消費者(iBook)、ポータブル×プロ(Power Book) という4つの象限にします。  

 

スティーブ・ジョブズは、このマトリクス図をもとに製品開発したようです。  

 

顧客を消費者プロに分け、PCの形態をデスクトップポータブルに分けました。

 

発想法のヒントになるでしょう。  

 

マトリクス図は、アイデア発想のヒントが浮かびやすいと言えます。  

 

また、広告のやり方によっても、ニーズや購買意欲の掘り起こし方が変わります。  

 

顧客に関与、参加してもらうことで、自分事にさせます。

 

自分事になると、企業や製品に興味を持ち、結果として、購買に結び付きやすくなります。  

 

心理学によれば、「人は悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しい」となります。  

 

行動が感情を作るのですから、関与、参加させれば、企業に愛着という感情が湧く可能性は高いです。  

 

それは製品のニーズを強制的に掘り起こし、購買に結び付けることになります。  

 

製品やサービスを欲しいというより、関与のさせ方で、心理的変化を起こさせ、購買に結びつきやすくする手法です。  

 

Twitterで、ファンにイベントなどに参加させる手法は典型例でしょう。  

 

 

24 マーケティング(アイデアの発散と収束の繰り返し&評価方法は気をつけるべき&ラビットプロトタイピング&既存事業と新規事業のマネジメントは異なる)

 

さて、破壊的イノベーションの製品・サービス開発には、アイデアの「発散」「収束」を繰り返します。  

 

ここでは「収束」、つまり、アイデアをたくさん発想した後に、そのアイデアをどのように選ぶべきかの説明をします。  

 

大事な点は、新規性、有効性、実現可能性、賛否両論ある議論の発生、強い価値観の内包です。  

 

以下、説明していきます。  

 

1  新規性は、目新しさが重要ということです。

 

特に、破壊的イノベーションの場合、目新しさは重要です。

 

持続的イノベーションの場合は、改善のケースが多く、目新しさはあまりないかもしれません。  

 

2  有効性は経済的・社会的影響の規模感や強度が十分か?を重視します。

 

アイデアの想定市場規模や社会的意義が弱いと、そこまでしてやる価値があるのか?疑問符になります。  

 

3 実現可能性はどれくらいの年限で実現できそうか?吟味します。

 

あまりに長い年限だと、会社の資源で支えきれないかもしれません。  

 

4 賛否両論ある議論の発生は新しいアイデアならば、既存の固定感根を壊しているはずであり、意見が分かれるはずであり、意見の相違が表れているかを見ようという視点です。  

 

5 強い価値観の内包はそのアイデアに大切にしたい価値観や実現したい世界観が、メンバーにあるか?を見ます。

 

特に、破壊的イノベーションの場合は、無消費者が相手であり、市場が現時点ではないのですから、抽象的な価値観や世界観をアピールし、共感してもらうことが大事なのです。  

 

クラウドファンディングによる製品開発プロジェクトへの投資は、その一例です。  

 

抽象的な価値観や世界観に惹かれて、投資しているわけです。

 

まだ製品化されていないわけですから。  

 

そして、破壊的イノベーションのアイデアは無消費者が相手ですから、評価方法は気をつけるべきです。  

 

具体的には、不確実性が高いのが、破壊的イノベーションのアイデアなので、様々な人達(別の部門の上位者や、社外専門家や技術者や営業担当者など)も含めた、多面的な視点で評価するべきです。  

 

評価者は、複数人、必要でしょう。

 

プロジェクトのコアメンバーやサポートメンバ-は最優先であり、彼らに選ばれた10個程度のアイデアについては、社内キーマンや社外専門家などに追加で、評価してもらうと良いでしょう。  

 

アイデアはラビットプロトタイピングという方法論で、煮つめるべきです。  

 

これはアイデアのコンセプトができた早い段階で目に見えて、手に触れられるプロトタイプを作り、それを基にして、生産的な議論をしていくという手法です。 プロトタイピングを作る際、「デザイン」(=意匠)と「ファンクション」(=機能)を分けて、低い完成度でかまわないので作っていきます。  

 

ユーザーから具体的なアドバイスをもらえるレベルの、「実用最小限」のプロトタイプを作りましょう。  

 

ちなみに、起業の成功率は1000社に3社と言われています。

 

言い換えれば、1000のアイデアを出せば、3つは成功するかもしれないということです。  

 

それでも、大企業においても新規事業は大事です。  

 

既存事業は現在の会社を支えていますが、未来の会社を支えるのは新規事業です。

 

どちらも、会社を持続的に成り立たせる両輪なのです。  

 

加えて、既存事業と新規事業のマネジメント手法は異なります

 

完全に分ける、つまり、新規事業は別働隊にした方が良いようなのです。

 

新規事業は小さく始め、一定期間で何らかの成果を測り、それによって前進するかやめるかの判断を繰り返します。  

また、これらの新規事業は並行して稼働させます。

 

このようにニーズを把握する手法はいろいろあります。  

 

破壊的イノベーションの製品・サービスの開発手法についても述べました。  

 

ではこの辺で。(6432文字)  

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。  

 

参考・引用文献。  

 

「超一流のアイデア力」  

 

参考引用文献がわからなくなったので、僕の「俯瞰経営学」で参考にした本は全冊載せておきます。

 

参考・引用文献。

「27歳からのMBA グロービス流リーダー基礎力10」

「正解が見えない課題を圧倒的に解決する超仮説思考」

「超・検証力 その仮説は本当に成果を出せるのか?」

「世界市場で勝つルールメイキング戦略」

「ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか」

「ビジネスモデルナビゲーター」

「リクルートのすごい構創力」

「0to100会社を育てる戦略地図」

「世界最高峰の頭脳集団NASAに学ぶ決断技法」

「数学嫌いの人のためのすべてを可能にする数学脳のつくり方」

「文系が20年後も生き残るためにいますべきこと」

「マッキンゼーが予測する未来」

「RPA革命の衝撃」

「日本流イノベーション」

「統計学が最強の学問である ビジネス編」

「入社10年分の思考スキルが3時間で学べる」

「大前研一IoT革命」

「新富裕層の研究」

「ビジネスで使える経済予測入門」

「定量分析の教科書」

「稼ぐ人財のつくり方」

「社員20人なのに新卒採用に1万人が殺到。日本一学生が集まる中小企業の秘密」

「リーダーの基準」

「INNOVATION PATH イノベーションパス」

「イノベーションの壁」

「確率思考の戦略論」

「未来を味方にする技術」

「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」

「あなたの会社が最速で変わる7つの戦略」

「ビジネスモデル思考 既存ビジネスから「イノベーション」を生む7つの視点」

「賢い企業は拡大主義より永続主義」

「なぜデータ主義は失敗するのか?」

「戦略にこそ「戦略」が必要だ」

「手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略」

「カスタマーセントリック思考」

「日本企業で本当に役立つマーケティング7つの原則」

「機会発見」

「パラノイアだけが生き残る」

「超一流のアイデア力」

「経営とデザインの幸せな関係」

「降りてくる思考法」

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