2020年教育改革への僕の本「フィクサーによる日本の教育改革本9 第13章」

どうも、武信です。(No194)  

 

2020年教育改革への僕の本「フィクサーによる日本の教育改革本9 第13章」です。  

 

構想約5年以上!総文字数約31万2000文字以上の執筆物です。  

 

フィクサーだと僕が思う理由は、2014年頃(正確には2013年頃から着手)から、この本を書き始めており、それと連動して日本の教育改革も進んだことが、まず挙げられます。  

 

また、それ以上の確固たる証拠もありますが、それは伏せることにします。(本が1冊書けるほどの情報量になります)  

 

第13章「そもそもイノベーターを前提とする社会システム自体に問題があるとしたら」

 

1 今の経営状況

 

第11章で資本主義の限界という、衝撃的な視点を紹介しました。  

 

この章では、資本主義の限界をさらに細かく見ていきます。  

 

「賢い企業は拡大主義より永続主義」という本を参考にさせてもらいました。  

 

そもそも、「イノベーターを必要とする社会(資本主義)がおかしいのでは?」という視点です。  

 

高度成長時代はまだまだ豊かになっておらず、消費者が欲しい製品やサービスは満ち溢れていました。  

 

なので、規模の経済によりコスト削減し、大量生産して普及させる作戦が通用しました。  

 

しかし、現代は「よほどの差別化された製品やサービス」じゃないと売れません。  

 

iPhoneのような画期的なスマートフォンのような製品じゃないと、消費者は見向きもしないのです。  

 

それだけ、物質的には満たされた社会だということです。  

 

現代では少々改善した製品やサービスを宣伝により、無理やり売れるようにしています。  

 

液晶テレビまではまだ良いですが、4Kテレビの画質は多くの消費者は望んでいるのでしょうか?  

 

つまり、資源の無駄遣いをしているのであり、永続的じゃないというわけです。  

 

常に売上を上げないと、企業が存続できない社会がおかしいのでは?という視点です。  

 

成熟した市場では売上拡大が望めないのであれば、海外へ活路を見出したり、他企業からシェアを奪う競争になります。消耗戦です。

 

それでも売上が上がらなければ、企業はコスト削減に走ります。  

 

原材料は言うまでもなく、社員を非正規にしたりします。

 

こういう行動を採ると品質が下がります。  

 

多くのホテルでのメニュー表記の仕様原材料の偽造が、典型例です。  

 

2 経営戦略論

 

このような消耗戦になった場合、拡大成長路線を採るのであれば、コストリーダーシップ戦略、つまり海外に工場を移したりして、コスト削減を図り、安さで勝負する道もあります。  

 

この戦略はナンバー1企業しか採れません。

 

他には、差別化戦略もあります。  

 

「範囲の経済性」という多種類を生産した方が、利益が出るという経済理論もあります。  

 

少品種の原材料を共通利用して他種類の製品を造り、原材料の利用効率を高めることで利益を出す手法です。  

 

例として、中華料理店などが挙げられます。  

 

飲食店のようなビジネスには通用しますが、大規模な産業設備を有する企業では通用しません。詳しくは本で。

 

例として、近年のJRの鉄道事業における駅ナカ開発が挙げられます。  

 

飲食店でも1店舗のみであれば、範囲の経済性が成立しやすいですが何百というチェーン店になると、規模の経済に依存します。  

 

また、チェーンレストランなどでは労働集約的なビジネスなので、人件費がゼロにはなりません。(ロボット導入なら別かもしれません)  

 

なので、料理やサービスなどの高品質化による差別化戦略が良いということになります。  

 

差別化戦略ではなく、安さ勝負になると人件費圧縮のため、1人の従業員を酷使するブラック企業状態に陥ります。  

 

3 M&Aなど

 

あとはM&Aなどです。  

 

TOB (Takeover bid)やLBO(leveraged buyout)などの手法によって買収します。  

 

ハゲタカファンドと呼ばれる、買収直後の売却益を狙うだけの投資ファンド企業さえあります。  

 

買収された側の企業の従業員は、士気が低いケースが多いです。  

 

不祥事もそういう企業で起こります。  

 

また、株主は利益ばかり求めますから、企業の拡大主義を望みます。  

 

よって、今まで述べた手法が採られ、従業員は士気が下がりやすいのです。  

 

拡大主義の弊害を打破するためには、過剰在庫を発生させないための需要に応じた供給システム(アパレル業界のSPAなどが有名)と、イノベーター的需要促進策だったのです。  

 

しかし、これらの策も尽きると、M&Aに走るわけです。(買収企業の売却益狙いも含みます)  

 

4 拡大路線だけが全てではないという視点

 

著者は通常の企業の場合、他社のシェアを奪おうが技術革新に依ろうが、マーケティングによる需要鼓舞策に依ろうが、M&Aに依ろうが従業員を無視し、株主・利益重視のビジネス拡大路線は永続性がないと主張しています。  

 

それよりも、「中小企業でも100年企業になったほうがいいのでは?」という提案です。  

 

資本金は5000万円未満の会社で、従業員数は10人未満ないしは、50人未満で年商10億円未満の会社が100年以上の長寿企業になりやすいのです。  

 

それに対して、拡大企業はほとんど長寿企業にはなりにくく、30年ぐらいから90年くらいしか生きられないとのことです。  

 

永続企業の条件として、利益剰余金の資産合計(総資産額)が60%になることだといいます。  

 

この状態になると、無借金経営になります。  

 

会計部分の解説が詳しく書いてある本なので、興味ある方はぜひ読んでもらいたいと思います。  

 

ちなみに著者は、ROEを否定しています。ROAの方を勧めています。

 

これは小宮一慶氏と同じ主張ですね。  

 

僕はイノベーターを重要視していると書いてきましたが、「そもそもイノベーターを必要とする社会システムそのものがおかしい」という視点を著者の本によって気づかされました。  

 

また、イノベーターによって、新需要を開拓しなくても永続企業(100年以上の企業)を目指すことは可能なのかもしれません。  

 

「拡大路線だけが全てではない」という視点は斬新でした。  

 

「100年企業の中小企業を目指す」という選択肢もあるのですね。  

 

永続企業という視点で言うと、2008年時点で200年以上の歴史を持つ企業が世界41カ国では5586社ありましたが、そのうち3146社が日本企業です。  

 

日本は「世界一の老舗企業大国」なのですね。  

 

ちなみに、世界最古の企業は日本企業であり、578年創業で神社仏閣の建築を手がける「金剛組」(こんごうぐみ)です。

 

 

5 「「公益」資本主義」という本からの引用・まとめ

 

ここで、従来の資本主義(アメリカ型であり、株主資本主義)を否定する本、「「公益」資本主義」という本からの引用・まとめです。  

 

株主資本主義

短期の勝負=別名カジノ資本主義。

新たな富を生まない=単なるマネーゲーム、

ゼロサムゲーム。一部の超富裕層と大多数の貧困層を生む。

英米の金融界、メガファンド、投機家、ウォールストリートが望む資本主義。  

 

公益資本主義

中長期の勝負。

新たな富を生む=プラスサムゲーム。

層の厚い中間層を生む。

大多数の日本人と世界の大多数の国民が望む資本主義。  

 

金融危機は常に、バブルの崩壊によって起こります。

 

株価などの乱高下で儲かるのは、投機家だけです。  

 

バブルと危機を繰り返す経済はいつまでも続けられません。社会と働く人々を疲弊させるからです。以上、ここまで。P172~173。  

 

公益資本主義は、すべてのステークホルダー(利害関係者)を幸せにすることを目指していますし、持続性を考えています。  

 

株主資本主義はROE(自己資本利益率)を重視し、株主ばかり重視しがちですが、公益資本主義はROC(Return on Company)という指標を作っています。  

 

ROCは「会社を支える社中全体への貢献度」を測る指標です。  

 

公益資本主義における利益は従業員には「給与」「教育」「福祉」、株主には「配当」「株価上昇」、顧客には「安全性」「品質」、仕入れ先には「適正価格での購買」、地域社会には「貢献」、地球全体には「環境」、そして会社自身には「内部留保」という形で分配されます。  

 

このすべてが「社中」であり、「利益」を公正に分配すべき対象となります。  

 

中略。  

 

実際に、上場企業の財務データに適用してみたところ、ROCが高くなれば、数年後のROEも高くなる傾向が見られました。  

 

この意味では長期にわたって、ROEを上げるにはROCを高くすればよい、ということになります。  

 

「企業は社会の公器である」と考え、ROCは中長期的な観点に立つ経営を行って、社中全体に利益を還元する企業を高く評価する指標で、実際、こうした企業の方が将来にわたって大きな利益をもたらすのです。  

 

この意味では、「長期的にみたROE」と捉えることもできます。  

 

ROCと株価をリンクさせる投資理論が完成すれば、投機家もその魅力に気づき、中長期的な経営や社中分配を行う企業を選んで投資するようになります。  

 

中長期的な経営を行う企業が増え、利益を上げ、しかもマーケットで評価されていることが知れ渡れば、日本発の新しい資本主義=公益資本主義は、たちまち世界中に浸透していくことでしょう。以上、ここまで。P193、194。

 

従来の株主資本主義は株主ばかり重視しすぎで、その他のステークホルダーを軽視しすぎており、企業も世の中も持続性がなく、株主ばかり大儲けして、格差もアメリカでは特にゆがんだ構造となっていました。  

 

この構造に警鐘を鳴らし、解決策まで述べたのが著者の本です。  

 

以下、解決策の目次だけ、載せておきます。詳しくは本で。  

 

公益資本主義を実現するためのルールづくり

ルール1 「会社の公器性」と「経営者の責任」の明確化。

ルール2 「中長期株主の優遇」。

ルール3 「にわか株主」の排除。

ルール4 保有期間で税率を変える。

ルール5 「ストックオプションの廃止」

ルール6 「新技術・新産業への投資の税金控除」。

ルール7 「株主優遇と同程度の従業員へのボーナス支給」

ルール8 「ROEに代わる新たな企業価値基準「ROC」」

ルール9 「四半期決算の廃止」

ルール10 「社外取締役制度の改善」

ルール11 「時価会計原則と減損会計の見直し」

ルール12 「日本発の新しい経済指標」  

以上、イノベーター必要論についての反論も織り込んでみました。  

 

第14章以降ではさらに新しい論点で分析していきます。  

 

ではこの辺で。(4762文字)  

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。  

 

参考・引用文献。

 

「賢い企業は拡大主義より永続主義」

 

「日本企業で本当に役立つ マーケティング7つの原則」

 

「「公益」資本主義」

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