2020年教育改革への僕の本「「亡国のメガロポリス」の引用・まとめ」PART1

どうも、武信です。(No731)  

 

最初に、短文書評を載せておきます。僕はこの本をかなり高く評価しています。

 

「亡国のメガロポリス」  

 

4点。三橋貴明氏の本を2年ぶりぐらい?に読んでみたが、離れていたのを失敗だったと思うほど濃い本。構想とはこういう本のことを言う。大前研一氏を抜いたと思う。政治家、経営者は必読。一般人にも良い。議論の叩き台として広く読まれて欲しい良書。」以上、ここまで。  

 

ちなみに5点満点であり、5点をつけることはほぼないため、4.5点が僕の短文書評では最高点に実質上なるわけですが、この本に4.5点をつけてもいいかなと思うぐらいの出来栄えでした。  

 

ですが、政策の善し悪しが完全に理解できているか分からなかったので、4点にしました。  

 

かなりのマクロ経済学の分かりやすい本としては良書でして、さらに三橋氏の提言力、構想力が凄いと思いました。  

この本の一部を引用・まとめします。(要約に近いですが、ぼくの概念では多少違います)  

 

1 少子化の原因。  

 

2 人口減少が経済成長しない論は嘘。  

 

3 日本が経済成長しない理由。  

 

4 日本の人口現象の整理。  

 

5 移民受入の問題点&安倍政権の評価。  

 

6 地方の失業率低下&実質賃金の話&労働集約的になっている話。  

 

7 東京とシンガポール比較&東京都と島根県比較  

 

8 三橋氏の提案。  

 

9  三橋氏の提案2。  

 

目次はここまで全部、要約しましたが、これだと本を全部、引用・まとめしてしまうので、ここから6までを紹介したいと思います。  

 

全文では2万2000文字になっていますがこのうち、14000文字ぐらいを紹介します。  

 

1(PART1、PART2)と2(PART1、PART2)と3と4に分けます。  

 

3と4は僕の意見や他の本の引用・まとめが入っています。

 

1 少子化の原因。

 

少子化の原因はズバリ、以下です。  

 

答え。有配偶率の低下。  

 

つまり、結婚しない人の増加。  

 

結婚している人は子供を、実は生んでいます。

 

結婚している(有配偶)女性1人当たりが産む子供の数、すなわち有配偶出生率は1990年の「66人/1000人」を境に回復傾向にあり、2015年度では「75.9人/1000人」でした。(国勢調査)  

 

婚姻率の低下、結婚していない人の増加が「子供の数が増えない原因」なのです。  

 

有配偶率は1980年が64.2%でしたが、2015年は56.3%であり、しかも一貫して下落傾向です。(マッチングアプリ・結婚相談所など出会いの数の普及と、以下に説明する非正規雇用の削減、つまり所得の増加を起こさないと、少子化はどんどん進むでしょう)  

 

では有配偶率、結婚していない人の増加の原因を2つ見ていきましょう。  

 

a 有配偶率の低下の原因の1つ目。

 

答え。所得水準の低下。  

 

非正規雇用社員の増加です。  

 

男性の正社員は35歳未満で6割近くが結婚し、非正規雇用の場合は35歳未満で2割強でああり、明らかに所得低下により、男性は結婚できていません。  

 

また、1997年は「500万円台」25%近くもいたのに対し、2012年には「300万円台」最多になりました。  

 

1997年には5%前後だった年収300万円未満が、2012年には10%前後にまで拡大しています。  

 

所得水準の低下や非正規雇用の増加が、結婚しない(できない)人の増加を生んだのです。  

 

b 有配偶率の低下の原因の2つ目。

 

答え。東京一極集中。  

 

次に、東京一極集中という現象が原因と考えられます。

 

結論から言うと、結婚しない東京圏に「結婚しており合計特殊出生率も高い地方から若者が流入し続けている」のです。  

 

具体的に見ていきましょう。  

 

東京の合計特殊出生率は1.24。全国平均(1.44)を下回り、さらに最下位を延々と続けています。  

 

東京23区の各区について、30~49歳の女性の未婚率合計特殊出生率を見ると、見事なまでに相関関係があります。  

 

特に、渋谷区や新宿区は女性の未婚率がそれぞれ渋谷区が約50%、新宿区が約45%であり、逆に、未婚率が25%を切る江戸川区の合計特殊出生率は全国平均(1.44)を上回っており、やはり結婚さえすれば女性はある程度、子供を生むので、未婚というのはヤバイ現象ということです。  

 

東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)への転入者の年齢層は、20~24歳が約12万人(2018年)、25~29歳が約10万人と、若い世代が大半を占めています。  

 

婚姻率が著しく低下し、合計特殊出生率が低下する東京圏に結婚適齢期の若者が流入し続けているのです。(しかも東京圏は「保育所等の数が不足」&「地方と比較すると子育てのコストが高い」です)  

 

さらに、都道府県別合計特殊出生率ワースト10(東京圏の4つは全部含まれている)へ、ベスト10(沖縄がトップ)の都道府県から人口が流出しています。  

 

合計特殊出生率が高い都道府県から若者が出ていき、東京圏に行き、そこでは有配偶率や合計特殊出生率が低くなっているのです。  

 

これを日本政府は、移民受入で防ごうとしている事実があります。  

 

2 人口減少が経済成長しない論は嘘。

 

ここで少子化から、人口減少の話題に移ります。  

 

まず、人口が減っている国は日本だけなく、たくさん存在します。  

 

IMF(国際通貨基金)の最新データ(18年10月版)を用い、2017年の人口を2000年と比較すると、10%以上も減少している国が7カ国あります。  

 

下落率の高い国から、1位リトアニア(19.3%減)、2位ラトビア、3位ジョージア(旧グルジア)、4位ブルガリア、5位プエルトリコ、6位ウクライナ、7位ルーマニアです。

 

ルーマニア以下も並べてみると、8位ボスニア、9位アルバニア、10位セルビア、11位クロアチア、12位エストニア、13位パラオ、14位ベラルーシ、15位ミクロネシア、16位ハンガリー、17位アルメニア、18位モルドヴァ、19位ロシア、20位ポーランド、21位ギリシャ、そしてようやく22位日本となります。(2000年移行のデータです)  

 

そして、2011年(日本の人口のピーク)から2017年までの人口減少率も見てみましょう。  

 

下落率が高い国から、1位プエルトリコ(減少率10.3%)、2位ウクライナ、3位リトアニア、4位ラトビア、5位ボスニア、6位ジョージア、7位ブルガリア、8位クロアチア、9位ギリシャ、10位セルビア、11位ルーマニア、12位ポルトガル、13位トンガ、14位ハンガリー、15位アルバニア、16位スペインと続き、17位日本(減少率0.85%)となります。  

 

人口減少で有名な旧ソ連圏の国(ジョージアやラトビアなど)と比べたら、日本の人口減少は「誤差レベル」だといいます。  

 

さて、日本では「人口減少している国は経済成長するはずがない」と見られています。  

 

経済学者までが、「生産年齢人口(15~64歳人口)と経済成長には強い相関関係がある」と吹聴しているので、誤解が広まるのは無理がありません。  

 

日本の人口減少は誤差レベルだというと、「総人口はそうかも知れませんが少子高齢化で生産年齢人口はそれ以上に減っています。経済学によると「生産年齢人口が増えれば経済成長することになっており、生産年齢人口が減っている日本が経済成長しないのは当然なのです」という反論が来るといいます。  

 

実は「日本人の勝算」という本によると、「生産年齢人口が増えるのはデフレ要因、減るのはインフレ要因」と書かれていました。。。  

 

話を戻します。  

 

ここで、2000年以降の三大人口減少国「リトアニア、ラトビア、ジョージア」と日本の生産年齢人口、経済成長、総固定資本形成(投資)の状況を比較してみましょう。 つまり、2017年の生産年齢人口、名目GDPが対2000年比で「何倍になったか」を比較します。(データの都合で総固定資本形成については2016年と2000年を比べています)  

 

結果は、日本の2017年の生産年齢人口は対2000年比で0.88倍、つまりは12%も縮小していますが、生産年齢人口の下落率でいえばジョージアが15%、ラトビアが19%、リトアニアは21%と、2割を上回っています。  

 

ところが、名目GDPは日本が「1倍」なのに対し、ジョージアは4.96倍、ラトビアは3.82倍、リトアニアは4.1倍です。  

 

生産年齢人口が減少すると、経済成長しないはずじゃなかったのでしょうか?  

 

実は日本に限定された現象なのですね。  

 

しかし、反論として「ジョージアやバルト三国は新興経済諸国で日本は成熟国だから、日本は成長しなくて当然だ」と来ますが、そもそも97年に日本はデフレーションに陥って以降、先進諸国らはきちんとGDPを拡大しています。  

 

過去20年で見ると、アメリカやカナダのGDPは2.5倍に、イギリスは2倍に、フランス、イタリア、ドイツですら1.5倍になっており、新興経済諸国だろうが、先進諸国だろうがGDPは増えています。日本を除き。  

 

人口減少と経済成長は関係ないのです。  

 

資本主義経済においては経済成長のためには投資、生産資産の拡大が必要であり、それは総固定資本形成であり、ジョージアやラトビアやリトアニアの投資が数倍になっていることからも明らかなのです。  

 

日本は2016年の投資は対2000年比で0.86倍であり、これで経済成長できるわけがありません。  

 

投資が減ったことにより、日本経済が停滞したと同時に、たまたま日本の生産年齢人口の減少が重なり、経済学の教えも加わり「日本は生産年齢人口が減ったために経済成長しなくなった」と誤解が広がったのです。  

 

ジョージアやラトビアやエストニアは生産年齢人口が日本以上に減っているのに、GDPが3倍、4倍になってますからね。(理由は投資が増えたからです)

 

そして、日本が経済成長するには投資をしないといけないのですが、長引くデフレにより、国内市場は「儲からない」と思われ、経営者は投資をしなくなったのです。  

 

民間が投資しないなら、政府の出番ですが、政府も公共投資を削りました。  

 

「日本は経済成長しない」→「経済成長しない国で投資を増やすのはやめよう」→「実際に投資が減り、経済成長しない」→「経済成長しない国で投資を増やすのはやめよう」の悪循環が繰り返されています。  

 

経済成長率低迷の言い訳として、「人口減少」があがりました。  

 

ちなみに、日本の人口減少ペースは繰り返しますが「誤差レベル」です。(あくまで総人口の話)  

 

ウクライナの人口減少率は7.12%、リトアニアが6.7%、ラトビアが6.2%、ジョージアが4.63%、日本はわずかに0.85%ですからね。(日本の人口がピークを打って以降のデータ)  

 

日本が人口減少局面に入って以降、総人口は未だに1%も減っていません。  

 

生産年齢人口の減少ペースはそこそこ速いです。(日本の生産年齢人口のピークが1995年です)  

 

ピークの1995年から、次第に減少ペースが速まり、2017年までの5年間の平均を取ると毎年1%程度の減少率です。

 

しかし、生産年齢人口が減少しても投資拡大で生産性が向上すれば国民経済は成長する、つまり生産、支出、所得の合計であるGDPは増えるのです。

 

PART2に続きます。 

 

ではこの辺で。(4781文字)  

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。  

 

参考・引用文献。

「亡国のメガロポリス」

「日本人の勝算」

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