初心者のための経営学の教科書「俯瞰経営学3」PART11

どうも、武信です。(No340)  

 

「フィクサーによる日本教育改革本」も教育の全体図・俯瞰図でしたが、経営学でも俯瞰図を作ろうという野心で作ったのが本書です。  

 

「フィクサーによる日本の教育改革本」も教育業界に影響を与えていると思われますが、この俯瞰経営学も多少は影響を与えているかもしれません。  

 

作り始めたのは3年くらい前ですし、まだ未完成ですが、出版社らにパクられまくり、新規性がなくなったので、無料で公開します。  

 

「俯瞰経営学3」のPART11です。

 

本編はここからです。  

 

前置き編が終わって、ようやく本編に入ります。  

 

ここからが僕の経営学の俯瞰全体地図です。  

 

 

31 マーケティング(3C分析&マスマーケティングが日本では通用しなくなっている&物語戦略)

 

3C分析もしておきましょう。  

 

3CとはCustomer(顧客、市場)、Competitor(競合)、Company(自社)のことで、顧客と競合は外部に影響される外部環境、自社は内部環境と言えます。  

 

まずは、Customer(顧客、市場)です。  

 

これはPreferenceやニーズと、ほぼ同じで散々書きました。  

 

しかし、日本市場という大きなテーマで書くとすると、現代の日本はマスマーケティングが通用しなくなっています。  

 

消費行動は複雑化、細分化しています。  

 

メディアにおいては、例えば、TVはメディア総接触時間でタブレット端末と携帯電話とスマホとパソコンの合計に抜かれています。(TVは153分、携帯電話とスマホとタブレット端末とパソコンの合計は169分です。「カスタマーセントリック思考」のP40)  

 

LINEの利用率が、東京地区では過半数と突破し、自分と関係ないTVの世界よりも、自分に関係ある身近な世界を重視している世界観が窺えます。(日本のLINEの20代の利用率は8割を超えるそうです)  

 

日本の消費者はもはや自分に関係あること、「自分ゴト」にしか、興味がなくなったのです。

 

自分にメリットがあることや、知らないと損するモノに敏感になり、メリットがないことは、出来るだけスルーするようになりました。  

 

情報爆発の時代ですから、当然の対処法です。  

 

オムニチャンネル(あらゆるチャネルを通して顧客と接点を持ち、それらの接点を有機的に連携させていく戦略のこと)が重視されるようになったのは、当然の成り行きです。  

 

インターネット、店頭など、オンライン・オフライン問わず、あらゆるチャネルで消費者は自由に買う時代ですから。  

 

逆に押し売り、押しつけてくる企業の広告には、嫌悪感さえ覚えるようになったと言えます。  

 

ちなみに、日本の流通の棚の争いは海外(得に欧米)よりも激しいものです。(日本のコンビニでは、3週間で見切りをつけられます)  

 

短期志向で成果を上げるために、インパクトや新規性に偏った商品開発がなされ、長期的な視点がなかなか見いだせません。  

 

欧米の棚の争いはそこまでではないので、長期的な視点で商品開発ができ、消費者のインサイトをじっくりと見極める余裕がある、と言われています。  

 

さて、このような情報爆発の時代の中で、いかに「自分ゴト」として捉えてもらい、無関心から興味あり、好き・買いたいにつなげていくか?がマーケティングの見せどころです。  

 

そのひとつの手段として、「物語戦略」があります。  

 

「物語戦略」の本から引用・まとめします。  

 

シンボリック・ストーリーとは、

1  企業の強みを象徴している

2 企業の戦略方針に合致している

3 思わず人に話したくなる。という要件を満たす物語のことです。P37。  

 

ビジネスモデルを構成する戦略要素として、

1 顧客に提供する価値

2 競争優位性の持続

3 儲けの仕組み

となっています。  

 

一方で、シンボリック・ストーリーはビジネスモデルそれ自体をさすものではなく、その各要素の独自性を高める物語のことです。  

 

各要素を強く結びつけたり、味付けしたり、包み込んだりとさまざまな形でビジネスモデルを強くする役割を果たします。P47、48。  

 

「近大マグロ」「タニタの社員食堂」「ソルハイム博士」といった物語があれば、ビジネスモデルを独自のものとして打ち出し、その物語が広まることによって、「他社とは違う」というポジションを獲得することが可能になります。P88。  

 

まずは、基本的なことを確認しておきましょう。  

 

そもそも、企業が目指す勝利とは何でしょうか?  

 

シェアを奪う売上げを伸ばす顧客満足度で他社を圧倒する・・・などが考えられますが、最も重要なことは持続的に利益を出していくことです。  

 

企業として、顧客の共感を得ても、競争に勝って儲けを出さないと、何もなりません。

 

また、一時的な大儲けも勝利とは言えません。  

 

他社よりも優位に立ち、持続的に利益を確保できる状態が維持できれば、「勝ち」、そうでなければ「負け」です。  

そのための戦略要素の組み合わせに関する設計図が、ビジネスモデルです。  

 

そして、戦略要素を差別化し、ビジネスモデルを強くするのが、シンボリック・ストーリーです。  

 

そのようなシンボリック・ストーリーを「見つけ出し」、その力を「テストし」、「ビジネスモデルと「つなぐ」、これが物語戦略づくりの3つのステップです。P92。  

 

創業者や伝統的な技術者、著名な顧客などの物語から派生する人的資源タイプのシンボリック・ストーリーは、自分の購買決断は正しかったのかという、買い手の「認知的不協和の解消」に絶大な効果を発揮します。

 

「この企業から買ってよかった」「この企業なら間違いない」という信頼感を獲得することは、企業の永続性にとって、ことのほか重要な資産となります  

 

社会を変えていくような革新的な製品、驚くような技術などの物的資源タイプのシンボリック・ストーリーは、その「モノ」がシンボルになることによって、他の製品にもポジティブな見方が波及していく「ハロー効果」をもたらします。  

 

シンボリック・ストーリーとして、上手に活用することによって、企業に対する認識を他社とはまったく異なるものに変えてしまう、大きな効果をもたらしてくれます。  

 

継続的にカイゼンを促進していく組織風土やオペレーションなどの組織資源タイプのシンボリック・ストーリーは、社内において、「ミッション効果」を発揮します。  

 

「組織のクセ」として、ミッションが定着し、行動原理になった時、このミッションは顧客からの信頼だけでなく、そこで働こうと応募する人たちにも、確実に伝播されて普及していきます。  

 

そのミッション効果が、現場のオペレーションを永続的に深化させていくことにつながっていきます。P183~185。  

詳しくは本を読んでください。

 

「カスタマーセントリック思考」という本のP110~ も参考になります。  

 

 

32 マーケティング(市場の変化の例&競合と自社&PLC)

 

市場の変化としては、自動車業界の例もあります。  

 

従来は、自動車業界は「モビリティ」という顧客体験(場所を移動することで得られる経験)を売りにしていました。  

しかし、モビリティという売りだけだと、他の売りで満足が得られるサービスに対抗が難しくなりました。  

 

例えば、JR九州の寝台特急「ななつ星」では、特別な顧客体験を提供しています。  

 

中高年の間でブームになっているスポーツバイクも、別な顧客体験を提供しています。  

 

「ななつ星」やスポーツバイクは、ソーシャルメディアなどで情報交換され、ファンが増えていっています。  

 

さらに、VR(仮想現実)は、モビリティの代替体験を提供するライバルになるかもしれません。(リアルの車での渋滞を回避し、バーチャル上で、ドライブを体験できるかもしれません)  

 

加えて、自動運転車は「究極の安心、安全」という価値を訴えて、台頭してきそうです。  

 

次に、競合です。  

 

Competitor(競合)は内部を知るには、産業スパイを使う以外になく、相手が打ち出してきた策に後追いで、対抗策を打つ以外、基本的には取る手段はありません。  

 

「市場・顧客」の分析と、「競合」の分析で大事な概念は、KSF(Key success Factor)と呼ばれる概念です。  

 

これは「その業界で成功するためのカギ」「勝負を決める大きな要因」という意味になります。  

 

例えば、缶コーヒー業界におけるKSFは、「自動販売機の数」「プロモーション投資の大きさ」と言われています。  

 

顧客は「身近に置いてあること」を重視しています。  

 

特定の缶コーヒーを求めて、遠くまで買いに行かないので、一番近い自動販売機やコンビニで済ませるのです。  

 

よって、これらの2つのKSFが勝負のカギになります。  

 

そして、自社です。  

 

Company(自社)では、自社のことを正確に知るのは、大企業の場合、それなりに大変でしょう。  

 

自社内でも、出世争いなどで、きちんとした情報が上層部に上がってこない場合もあり、いかに企業で団結し、統率が取れているかが重要です。  

 

また、自社分析で大事なのは「強み」を知ることです。  

 

強みとは競争相手と比べて秀でていることと、KSFを満たすことができることの、2点が大事です。  

 

営業で言えば、競合と比べて相対的に強い上に、そのビジネスにおいて営業は本当に重要か?が問われます。  

 

営業力よりも、製品力やプロモーションなどがKSFであれば、強みとは言えないのです。  

 

また、「その強みはいつまで続くのか」「もし強みが強みでなくなることがあるならば、それはどういう瞬間に起きるのか」ということを考える必要があります。  

 

競争相手も変化するし、現状の強みも永遠には続きません。  

 

コスト構造の異なる海外企業の参入や、ルールが異なる異業種の参入、技術の変化など、強みを揺るがす要因は多いです。  

 

強みを脅かす存在も、見ておく必要があります。  

 

例えば、本屋のリアル店舗は従来は資産でしたが、今では負債になっています。

 

Amazonの台頭によってです。  

 

従来は店舗数が多くなれば、販売量が増え、その分仕入れ値を抑えることができて、利益も上がっていました。  

 

ですが、Amazonの出現により、店舗は重荷となりました。(不動産コストや従業員の人件費など)  

 

他の例では、百貨店は何でも揃っていることが売りでした。  

 

そこに消費者の好みやライフスタイルが多様化する流れと、専門店の大型化(ヤマダ電機、ビッグカメラなどや大塚家具やIKEAやニトリなど)が加わり、品揃えで勝負できなくなりました。  

 

さらに、ECサイトの出現により、旧来の小売業は品揃えでは、まったく勝負にならなくなりました。  

 

ECサイトは時間や場所を選ばないで、自宅で商品を選べる上に、ワンクリックで翌日に配送できます。  

 

顧客も、夜の9時から12時の間に、購買する習慣がつきました。(EC取引のピーク時間はこの時間帯)  

 

ECサイトは対応可能ですが、店舗は営業時間外です。  

 

このように、強みは一転して、弱みとなりうるのです。  

 

また、自社の強みを考えるには、バリューチェーンを分解してみることも役立ちます。  

 

製品の周期も、知っておきたいところです。  

 

PLC(Product Life Cycle) は、ある製品が発売されてから、発売が終わるまでの周期を表します。  

 

「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4つで表します。  

 

時期によって、マーケティング戦略も変わります。  

 

これも押さえておかないと、「何を」「誰に」の製品・サービスの供給戦略が上手くいきません。

 

33 マーケティング(心理学)

 

マーケティングにおいて、心理学は重要です。  

 

詳しくは、「ビジネス心理学」を読むことをお勧めしておきます。  

 

心理学の話でいえば、顧客は自己イメージを大事にしています。  

 

例えば、オタクだと思われるイメージのある製品だとしたら、それを身に着けるのを避ける顧客心理があります。(オタクが良いと考える顧客は、身に着け続けます)  

 

自己イメージは類似性差別化になります。

 

適度な類似性は、自己イメージを守ってくれます。  

 

つまり、友達と同じブランドの服を着たいけど、違うスタイルを選ばせたり、同僚と同じ形の椅子を買うけれど、色は違うものにさせるのが適度な類似性を使う手法です。  

 

仲間になりたい(類似性)という願望もあるのですが、同時に完全に同じにはなりたくない、他人とは違っていたい(差別化)というのが人間なのです。  

 

執筆中。(未完成)  

 

PART4に続きます。  

 

ではこの辺で。(6373文字)  

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。  

 

参考・引用文献。  

 

「カスタマーセントリック思考」

 

「物語戦略」

 

「ビジネス心理学」  

 

参考引用文献がわからなくなったので、僕の「俯瞰経営学」で参考にした本は全冊載せておきます。  

 

参考・引用文献。

「27歳からのMBA グロービス流リーダー基礎力10」

「正解が見えない課題を圧倒的に解決する超仮説思考」

「超・検証力 その仮説は本当に成果を出せるのか?」

「世界市場で勝つルールメイキング戦略」

「ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか」

「ビジネスモデルナビゲーター」

「リクルートのすごい構創力」

「0to100会社を育てる戦略地図」

「世界最高峰の頭脳集団NASAに学ぶ決断技法」

「数学嫌いの人のためのすべてを可能にする数学脳のつくり方」

「文系が20年後も生き残るためにいますべきこと」

「マッキンゼーが予測する未来」

「RPA革命の衝撃」

「日本流イノベーション」

「統計学が最強の学問である ビジネス編」

「入社10年分の思考スキルが3時間で学べる」

「大前研一IoT革命」

「新富裕層の研究」

「ビジネスで使える経済予測入門」

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