どうも、武信です。(No138)
前回の記事が以下です。
2020年教育改革への僕の本「フィクサーによる日本の教育改革本4 第2章」です。
構想約5年以上!総文字数約31万2000文字以上の執筆物です。
フィクサーだと僕が思う理由は、2014年頃(正確には2013年頃から着手)から、この本を書き始めており、それと連動して日本の教育改革も進んだことが、まず挙げられます。
また、それ以上の確固たる証拠もありますが、それは伏せることにします。(本が1冊書けるほどの情報量になります)
5 資本集約型と労働集約型の話。
ここで、「ビッグチャンス」冨山和彦著 という本から引用・まとめをします。
「労働集約的(体育会系か)か、知識集約的(インテリか)」に加えて、もう一つは、「資本(カネ)がたくさん要るか、要らないか」です。
1 労働集約型+資本集約型低い。(数百万円)
2 労働集約型+資本集約型高い。
3 知識集約型+資本集約型低い。(1円からでも始められる)
4 知識集約型+資本集約型高い。(最初だけでも1000万円単位必要。ちょっとうまくいくとすぐに二ケタ億円必要になる)
の4つに分けられます。
1は、外食や小売やアパレルなどは、日本でも山ほどベンチャーが出ています。
ワタミやユニクロなどが当てはまります。
2は、インフラ系。 電車・バスなどの公共交通機関、電気・水道・ガスなどの公共的設備やサービスが入ります。
ここはベンチャーが立ち入る余地はほとんどありません。
3は、ネット上B2Cサービス系です。
アプリ会社、ゲーム会社が当てはまります。
LINEやGREEやDeNAなどです。
通信インフラやネットシステムインフラの利用コストが劇的に下がり、資本がほとんどいらないので多くの人がトライできます。
4は「本格テッキー系」。
バイオ、材料、メカトロ、エネルギー、B2B系ハイテク企業などです。
成功するにはインテリがたくさん必要でカネがかかります。
ここは日本が弱い部分です。
アメリカは圧倒的に強く、インテルやクアルコム、マイクロソフト、グーグルが出ました。 バイオテクノロジーでもジェネンテック、ヒトゲノムを解読したセレラなどが誕生しました。
そして、エネルギー関係やロボティクス関連などを中心に、これから面白くなるのはこの「本格テッキー系」の分野なのです。
大学発ベンチャーというのは、「本格テッキー系」の領域をカバーしています。
技術開発が複雑で重層的になっているので、一人の人間がゼロから思いつきでつくることは不可能です。
この分野では、その前に10~20年の基礎研究段階があります。
公的な研究開発費用でまかなわれるのは、実用化されるかどうか誰にもわからないからです。
グーグルは、国防総省がDARPAの予算でつくった軍事技術がもとになっています。
インターネットの原型となったアーパネットは、DARPAの前身のARPAとスタンフォード研究所、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の間で結ばれました。
このように社会的に大きな影響を持つイノベーションは、基礎研究段階で独占的企業の儲けか国家予算を注ぎ込んでできています。
要するに、市場経済の原理で動かないお金が長い間使われて、そこから先の実用化が見えてきた段階で初めて、ベンチャービジネスに育つという長い物語があるので、産学の連携がうまくいかないと、この分野でベンチャーはでてこないのです。以上、ここまで。
この分析は素晴らしいです。 冨山氏はG型・L型にせよ、こういう仕分けが上手いです。
6 資本集約型と労働集約型の話2
資本が必要な順に書くと、
製造業>大規模小売店や電力会社など>大きな設備を必要とするサービス業>ソフトウェアや広告など
となります。
資本集約型企業の生み出す製品やサービスの輸送のコストが大きく、輸出に向かないと言われています。
鉄鋼業を例にとると、規模の大きい高炉のビジネスでは、建設コストの高い炉を設置し、原料を調達して製品になるまでに、多くの工程が必要です。
なので、大規模な高炉メーカーの輸出依存度はそれほど高くありません。
工場も国内に集中して、立地していることが多いです。
同じ製造業でも、電子部品などは輸送のコストが安いです。
なので工場の立地にあまり制限がなく、製造したものは自由に輸送できます。
工場もあちこちに分散しています。
資本集約的な色彩が強いのは、インフラ系の企業です。
通信会社や鉄道会社、電力会社は毎年巨額の設備投資をし、減価償却を行いながら、設備の更新を続けていきます。
ソフトバンク、東京電力、NTTドコモ、KDDIなど、典型的な設備投資産業が入っています。
労働集約型でトップの企業はミツミ電機です。
スマホ向けを中心とした電子部品のメーカーです。従業員数は3万7000人です。
3位は、ミネベアで極小ベアリングではシェアの高い企業でして、最近ではスマホ向けのバックライトの事業が伸びています。従業員数は6万人以上です。
労働集約型の2位は、ヤマト運輸などを傘下に持つヤマトホールディングスです。(ちなみに15位に日本通運が入っています)
AIが代替するとしたら、労働集約型の企業は最有力候補です。電
子部品メーカー、運送会社、情報システム会社などですね。
さて、経済産業省の調査によれば、起業希望者は以下のようになっています。
1979年は169万人、バブル期は178万人、2007年は101万人、2012年は84万人です。
起業希望者は年々減っていますが、高齢者が占める割合は増えています。
1979年の60歳以上の起業は、6.6%でしたが、2007年には27%にまで上昇しています。
シニア起業家の増加の理由は、第二の人生などの生きがいや資金が豊富にあることなどが挙げられるでしょう。
資金がない若者は、ソフトウェアなどの資金が少なくて済む分野で勝負すべきなのです。
1 労働集約型+資本集約型低い。(数百万円)
この分野(体育会系の飲食店など)も勝負の土俵の候補に挙げられますけどね。
3 知識集約型+資本集約型低い。(1円からでも始められる)
この分野はすぐに始められそうです。
具体例を挙げると、暮らしに関するキュレーション・メディア「iemo」というサイトはDeNAに推定20億円で売却されましたが、立ち上げ者は1人の女性(村田マリ氏。今はWELQ問題で戦犯です)だけであり、9ヶ月後という短期間の話です。
他には、現在のグノシーの社長木村新司氏(推定資産は2016年2月現在45億円)はドリームインキュベータ社の後、2007年にネット広告関連の事業を立ち上げてから、わずか4年でゲーム会社のグリーに推定20億円で、その事業を売却したそうです。
4 知識集約型+資本集約型高い。(最初だけでも1000万円単位必要。ちょっとうまくいくとすぐに二ケタ億円必要になる)
この分野は国の援助が必要になるでしょう。
7 イノベーション論。
さて、イノベーションとはどういうものなのでしょうか?
以降、簡単に説明しますが、詳しくは「クリステンセン教授に学ぶ「イノベーションの授業」や「日本のイノベーションのジレンマ」などの本を参考するのがいいかと思います。
イノベーションは対象や速度、市場などによって分類されます。
<対象による分類>
「企業の提供する製品やサービスが変化するプロダクト・イノベーション」
独創的・先進的で新しい製品・サービスを生み出すイノベーションのこと。
例。ハイブリッド・カーやスマートフォンなど。
「企業におけるやり方が変化するプロセス・イノベーション」
製造や作業のプロセスを変革してコスト削減・品質向上させるイノベーションのこと。
例。生産機能を持ったアパレル専門店(SPA)や立席メインのフレンチレストランなど。
「消費者の認識が変化するメンタルモデル・イノベーション」
例。広告によって「ポカリスエットはスポーツの後に飲むと美味しい」という消費者の認識が「ポカリスエットはスポーツ後はもちろん、二日酔いのときに飲んでも役に立つ」へと変化させたこと。
「新しい販売先の開拓であるマーケティング・イノベーション」
「新しい仕入先の獲得であるサプライチェーン・イノベーション」
「新しい組織の実現である組織のイノベーション」
「新しい体験の創造である感性のイノベーション」
例。iPadやiPhoneのようにUI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)を追求した製品。
<市場による分類>
持続的イノベーション(2種類あります)と、破壊的イノベーションがあります。
「既存顧客が求める、性能・機能を向上させる持続的イノベーション」。
「漸進的イノベーション」と「画期的イノベーション」の2つがあります。
「少しずつ製品・サービスを変化させるイノベーションである漸進的イノベーション」
例。液晶テレビに対する4Kテレビ、自動車用ガソリンエンジンの馬力や燃費の向上、冷蔵庫やエアコンの省エネ化など。
「(急激に大きく製品・サービスを変化させる革新的(画期的)イノベーション)」
例。ブラウン管テレビに対する液晶テレビ、LED電球、音楽CDなど。
「既存顧客が求めず、性能・機能を向上させない破壊的イノベーション」。
新しい市場(新市場型破壊)や既存市場のローエンド層(ローエンド型破壊)を対象とします。
ローエンド型破壊の例として、ティファールの電気ケトルやイケアの家具やQBハウスの1000円カットがあります。
既存の顧客のニーズに応える「持続的イノベーション」は、大企業が有利であり、放っておくと、どんどん技術を活かして性能を向上させていきます。
ですが、消費者の技術や性能に対するニーズには限界点があり、「これ以上の機能はいらない」という沸点を超えてしまうほど、「持続的イノベーション」を続けてしまうのです。
そんなとき、別の市場の技術などにより、低価格を実現した製品・サービスが現れます。
最初は見向きもされませんが、徐々に性能を向上させ、ローエンド層に売れていきます。
しばらく経つと、これまでの製品・サービス(持続的イノベーション)と、新しく現れた製品・サービス(破壊的イノベーション)のどちらでも良いと顧客は思うようになります。
そして、多くの場合、後者の方が使いやすさ・持ち運び・価格などで優れています。
そうなると、後者の「破壊的イノベーション」が打ち勝ちます。
イノベーションのやり方としては、破壊的イノベーションを狙うことです。
まずは、これまでに何も使っていない「無消費」の顧客を相手とする「新市場型破壊」です。
無消費者は欲求不満を感じています。
何らかの制約によって、既存の製品やサービスを使えない状況にあります。
そういう層に、新しい製品やサービスを提供するのが「新市場型破壊」です。
制約は「スキル・資力・アクセス・時間」の4つがあります。
新市場型破壊がダメな場合は、「ローエンド型破壊」を狙います。
消費者にとって「過剰満足」の状況があるなら、狙い目です。
「過剰満足」を排して、シンプルで低価格で必要十分な解決策を提示すればいいわけです。
どちらもダメだった場合、ハイエンドを目指す「持続的イノベーション」です。
ですが、顧客の満足する機能には上限がありますから、単なる性能の向上や機能の増加は良くないです。
ここでやるべきことは、消費者の認識を変化させる「メンタルモデル・イノベーション」です。
顧客の「主観的価値」を向上させるのです。
詳しくは、「日本のイノベーションのジレンマ」を読んでもらいたいです。
ではこの辺で。(5215文字)
このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。
あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。