2020年教育改革への僕の本「フィクサーによる日本の教育改革本7 第7章 中」PART1

どうも、武信です。(No167)  

 

前回の記事が以下です。

 

 

2020年教育改革への僕の本「フィクサーによる日本の教育改革本7 第7章 中」PART1です。  

 

構想約5年以上!総文字数約31万2000文字以上の執筆物です。  

 

フィクサーだと僕が思う理由は、2014年頃(正確には2013年頃から着手)から、この本を書き始めており、それと連動して日本の教育改革も進んだことが、まず挙げられます。  

 

また、それ以上の確固たる証拠もありますが、それは伏せることにします。(本が1冊書けるほどの情報量になります)

 

 

1 同一労働同一賃金を正規か非正規かで見る

 

これらの知識を基に今、騒がれている「同一賃金同一労働」について考えてみることにします。  

 

「同一労働同一賃金」とは、就いている仕事で同じ職務であるなら、同じ賃金にするべきという主張です。  

 

しかし、その主張には、長期的な人材・能力育成という視点が見えません。  

 

短期間で小遣い稼ぎで働く目的の人と、長期的に能力育成の目的の人がいたとしたら、同じ職務であるにせよ、同じ賃金で果たしていいのでしょうか?  

 

「長期の就社目的のメンバーシップ型の正社員」「ジョブ型正社員」では、能力育成にかける労力が変わります。  

ましてや、「非正規社員」であればなおさら、能力育成に時間を割きにくくなるでしょう。  

 

能力面での育成に差があるので、正社員と非正規社員の20歳から64歳までの生涯賃金での比較では、非正規労働者は正規社員の55%にとどまります。  

 

「同一労働同一賃金」が達成されても、能力面で異なる両者が、極端に生涯賃金で差が縮まることはないでしょう。  

企業にとっても労働者のモチベーションを上げるために、公平さを演出しようと「同一労働同一賃金」を掲げる意味はありますが、労働者のモチベ―ションは賃金だけではないのです。  

 

達成や承認や仕事そのものや昇進などの「動機付け要因」も、モチベーションの動機なのですが、「非正規社員」にはそれが欠けています。  

 

正社員、ジョブ型正社員は「動機付け要因」はあります。  

 

この違いは大きいです。

 

「非正規社員」にも「動機付け要因」を持たせるには、企業理念への共感や、能力育成の機会正社員登用への道などが解決策としてあるでしょう。  

 

日本での正社員は「なんでも屋」であり、仕事の価値に応じて賃金が変わるのは、公平ではないでしょう。  

 

日本企業は「メンバーシップ型の正社員」の場合、能力を上げるために異動を繰り返します。  

 

その異動先では価値が低い場合があり、それで賃金が下がるのは納得いかないでしょう。  

 

「非正規社員」は異動の繰り返しはほぼないですし「異動を繰り返す正社員」との賃金が同じというのはおかしいと思います。  

 

「非正規社員の意欲ある人」には能力開発の機会と正社員登用の道を残して、「動機付け要因」を作り出すのが得策でしょう。  

 

2 雇われない働き方

 

同一労働同一賃金を「正規か非正規か」で見てきましたが、最近、「雇われない働き方」、つまり「自営業主」が出てきました。  

 

従来の自営業主は、農家の世帯主や駅前商店街の店主や飲食店のオーナーや医者や弁護士や税理士や会計士といった「士業」でした。  

 

しかし、最近の「自営業主」には、特定分野での高いスキルを持つ経営コンサルタントやIT技術者といった、企業と対等に渡り合い、有利な条件で特定業務を請け負う「インディペンデント・コントラクター」と呼ばれる人々が出てきたのです。  

 

とはいえ、大半は弱い下請けの立場で請け負う「雇用的自営」が多いです。  

 

「雇用的自営」の人が業務委託という形で労働者を雇えば本来、雇用者が負う「最低賃金や解雇権濫用法理などの、労働法や社会保険料を支払う労働者」を持つ必要がなくなります。  

 

企業は業務委託で、外部に仕事を外注したくなるのです。  

 

それらに「自営業主」が使われる可能性は高いです。  

 

「同一労働同一賃金」の進行により「非正規社員」の賃上げが進めば業務委託により、コスト削減を行う誘因があります。  

 

実際、ネット上での特定業務の発注者と受注者のマッチングを行う「クラウドソーシングサービス」は流行っています。  

 

これらは様々な問題をはらんでいます。(詳しくはP102、103)  

 

3 政府が「同一労働同一賃金」を進める真の理由

 

政府が「同一労働同一賃金」を進める真の理由は、「非正規労働者の処遇改善」というよりも、「賃金の底上げを通じた経済好循環の流れ」を作るというものです。  

 

しかし、パイが増えない場合、「非正規労働者の処遇改善」は企業業績を悪化させますし、企業はその際、「正社員の処遇引き下げ」を行う可能性があります。  

 

これではパイの奪い合いです。

 

「最低賃金の引き上げや非正規労働者の正社員化など」も行うことで、パイの調整が必要になるでしょう。  

 

4 「最低賃金の引き上げ」

 

現在、「非正規社員の処遇改善」を政府が行うまでもないまま、人手不足により一部の業界では人件費が上がっています。  

 

さらに、「最低賃金の引き上げ」を政府は行いました。  

 

2015年では全国平均の最低賃金は798円でしたが、米国は872円、ドイツは1141円、イギリスは1268円、フランスは1290円となっています。(2015年上期レートで換算)  

 

日本では「もともとの最低賃金水準が低すぎ」だったので上げても、全然、欧米水準には至りませんでした。  

 

2016年秋からは、最低賃金の全国平均は823円となりました。  

 

非正規の世帯主が増えたので、最低賃金の引き上げにより、「低所得世帯の生活水準底上げ」を狙ったのですね。  

 

また、本来「最低賃金の引き上げ」は雇用に影響し、失業を生みやすいと言われますが、地方ではその影響は出にくいでしょう。  

 

地方は人手不足であり、なおかつ雇用情勢も良好だからです。

 

「地方では雇用を減らすという動き」は、取られにくいと予測されます。  

 

そして、最低賃金の引き上げに耐えられない企業は退出し、それに耐えられる生産性の高い企業が労働者を賃金を上げた状態で雇用します。  

 

そうすれば、「生産性の向上と賃金の底上げの同時達成」が可能かもしれません。  

 

もちろん、収益力のある企業が生産性向上により、賃金上昇に耐えられる余力を持ち、雇用も吸収できることが前提です。

 

また、体力のない企業から離職した労働者が、収益力のある企業に転職できるシステム作りも必要です。  

 

 

5 「非正規労働者の比率上昇の理由」

 

「非正規労働者の処遇改善」で、すべてが解決するかといえばそうはいかないです。  

 

その点を考える前に、まず、これまでの「非正規労働者の比率上昇の理由」を探りましょう。  

 

企業側の理由としては、「景気変動のための人材、雇用の調整弁」というものがあります。  

 

さらに、「人件費削減」も挙げられます。  

 

バブル崩壊以後、不景気による売上減と中高年の賃金負担が重くのしかかり、「人件費削減」に取り組まざるを得なかったのですね。  

 

しかし、実は、重要な非正規労働者の比率上昇の要因は、「正社員という働き方そのもの」にあったとも考えられます。  

 

「メンバーシップ型の正社員」という、働き方の制度が限界に達したのです。  

 

上記でも散々述べたようにビジネスの変化が激しい時代の流れにより、外部の人材登用が必要になったり、浅く広い特定業務の知識の人材では高い専門性と外部とのネットワークが必要な時代に通用しなくなったというわけです。  

 

6 日本の労働・人事などの解決策

 

では、ここからは日本の労働・人事などの解決策を考えていくことにしましょう。  

 

「非正規雇用と正規雇用の格差問題」「正社員の長時間労働問題」「女性の仕事と家庭の両立問題」「人材資源が適切に配分されていない問題」です。  

 

今まで、日本企業は非正規社員にツケを押しつけて乗り切ってきました。

 

これをどう解決するのか?です。

 

そのためには「ジョブ型を一般的とする解決法」があります。

 

欧米型に近づけようということです。  

 

ジョブ型になれば、「正社員の長時間労働問題」も解決されます。  

 

「ジョブ型正社員」とは職務、勤務地、労働時間の、いずれかが限定された正社員と定義します。  

 

労働時間の限定については、「フルタイムよりも労働時間が短い短時間労働正社員」「フルタイムではありますが残業がない正社員」の2タイプが存在します。  

 

この「ジョブ型正社員」の普及状況は2011年の厚労省の調査によると、大企業2000社近くのサンプルになりますが、5割程度が採用しています。  

 

大企業2000社近くの対象の正社員の中で、「ジョブ型正社員」の占める割合は3分の1程度です。

 

その内、約9割(タイプミス?調査中)が職種限定正社員、約4割が勤務地限定正社員、約1~2割が労働時間限定となっています。(複数の限定性要素を兼ね揃えるケースも多いです)  

 

「職務限定正社員」の強みは自分のキャリア、強みを意識し、明確化できる点でしょう。

 

「専門性に特化したプロフェッショナル」を目指せます。

 

専門的であれば転職もしやすくなります。  

 

また、企業内での賃金交渉も有利に立てますし、専門性に特化することで生産性が向上し、長時間労働を抑制することができるでしょう。  

 

「勤務地限定正社員や労働時間限定正社員」は男女ともに子育て、介護と仕事を両立しやすくなります。  

 

「メンバーシップ型正社員」と「ジョブ型正社員」の働き型の満足度調査結果があります。  

 

「ジョブ型正社員」は、週の平均労働時間が43.3時間です。(残業なしだと、41.2時間になります)  

 

対して、「メンバーシップ型正社員」は47.3時間です。  

 

労働時間の量から、「ジョブ型正社員」は給料は若干低くなりますが、賃金に対する満足度は「メンバーシップ型正社員」と変わらないとのことです。  

 

賃金だけでなく、仕事に関する満足度、ストレス、不満なども「ジョブ型正社員」の方が、「メンバーシップ型正社員」よりも満足度が高く、ストレスも低いのです。  

 

労働時間こそが、「ジョブ型正社員」と「メンバーシップ型正社員」の満足度の違いと考えられます。  

 

「ジョブ型正社員」を普及させることは、「後払い賃金システム」も見直すことにつながります。  

 

「後払い賃金システム」は、中高年層が多いことからも成長が不透明なことからも、もはや持続不能でしょう。  

 

かといって、大企業の中高年が生産性に見合った中小企業に行けば、年収で300万程度は下がると思われます。  

 

となると転職は難しいでしょう。  

 

ではこの辺で。(4727文字)  

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。

 

参考・引用文献。

 

 

「人材覚醒経済」

 

「同一労働同一賃金の衝撃」

 

2冊とも良書です。お勧めですよ!

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