どうも、武信です。(No126)
2020年教育改革への僕の本「フィクサーによる日本の教育改革本2 序章」PART1です。
構想約5年以上!総文字数約31万2000文字以上の執筆物です。
フィクサーだと僕が思う理由は、2014年頃(正確には2013年頃から着手)から、この本を書き始めており、それと連動して日本の教育改革も進んだことが、まず挙げられます。
また、それ以上の確固たる証拠もありますが、それは伏せることにします。(本が1冊書けるほどの情報量になります)
序章「今の日本の世の中の構造を把握する」
1 前置き。
まずは、今の日本の世の中の構造を把握しましょう。
世の中は、マクロ(全体)とミクロ(個々)に分けて、考えることができます。
マクロ経済とミクロ経済という言葉もあります。
ミクロ(個々)が積み上げてきた行動が、マクロに影響はしますが、マクロの動向もミクロに影響します。
例えば、ほとんどの株価は個別の株価でも、マクロ経済全体の動きの影響を受けて動く部分が、7~8割あると言われています。
好景気なら、個々の企業の業績(株価含む)が、比較的良いのです。
逆に、不景気なら、個々の企業の業績は総じて悪くなります。
マクロ経済を良くすることは、日本の国力を上げるために必要です。
次に、冨山氏の提言で有名ですが、日本の経済はG(グローバル)型とL(ローカル)型に分かれています。
冨山氏の内容を拝借していきます。
ここからは「選択と捨象」という本の内容をまとめたものです。
G型は、製造業やIT企業を中心とした大企業です。
競争相手は世界であり、スポーツに例えれば、オリンピックです。
日本国内に拠点を置くことに比較優位がないと、海外に打って出る企業が多くなります。
L型は、小売りや卸売り、交通、物流、福祉、保育、介護、医療といった、地域密着型の労働集約的なサービス業です。
スポーツに例えるなら、地方大会です。
生身の顧客に対面してサービスするので、海外に脱出する企業はないでしょう。
G型とL型では、求められるスキルもタフさも違います。
オリンピックと地方大会で、提供すべき教育が異なるのは想像できますよね。
そして、日本経済の将来はGの世界ではなくて、Lの世界に左右されるといいます。
世界の先進国共通の傾向で、ドイツと日本はほぼ同じで、アメリカはLの世界の経済への依存率が高いそうです。
現在、アベノミクスの金融緩和と財政出動と企業統治改革により、G型の企業は比較的、好調です。
株価も大幅に上がりました。
しかし、アベノミクスの恩恵はGの世界の住民、つまり、GDP比で3割、就労者数比で2割に限られます。
上場企業と非上場企業の国内総生産(GDP) に占める割合も3対7、製造業と非製造業(≒サービス業)のGDPと雇用に対する割合も、3対7なのです。
おまけに、Gの世界とLの世界で働く労働者では、賃金の差が2倍近くあるといいます。
かつては、L型の中小企業はG型の大企業の下請け、孫請けでしたが、今はL型の中小企業の9割はサービス業です。
産業関連性がないため、大企業が儲かれば中小企業が儲かるという、トリクルダウン(富のこぼれ落ち)が起きないのです。
バブル崩壊後、四半世紀にわたって過剰供給生産、デフレ不況、需要不足に悩まされてきた日本企業は、いよいよ供給制約(人手不足)の時代に入りつつあります。
となれば、Lの世界の供給制約の解消、すなわち、労働生産性と労働参加率を上げること、とりわけ賃金上昇への好循環を促すには、持続的な生産性向上を促す経済政策が重要になってきます。
日本のLの世界は今、人手不足であり、また労働生産性(生産付加価値÷投入労働時間)が低いです。
これを改善するには、規模より密度だといいます。
例えば、コンビニエンスストアのセブン-イレブン・ジャパンは店舗を集中出店して、立地の密度を高める戦略をとっています。
物流の効率を高めれば店舗の売り上げが多少落ちても物流のコストを下げて、十分にカバーすることができるからです。
しかし、ドミナント戦略に近いビジネスモデルを採った多くの企業が失敗している事実もあるので、ドミナント戦略だけがセブン-イレブン・ジャパンの成功を表しているわけではないです。
また、最初からドミナント戦略を考え、実行していたのではないようです。
偶然の要素もあったと思われます。
計画通りにビジネスが上手くいくことはほぼなく、試行錯誤の連続と偶然により、成功するのがビジネスなのでしょう。
ドミナント戦略については「ビジネスモデル思考 既存ビジネスから「イノベーション」を生む7つの視点」を参考にしています。
さて、労働集約型産業では、ブラック企業が問題になっています。
人件費率が高いので、低賃金で長時間労働をさせると、短期的には経営者の利益になるからです。
そういうゾンビ企業でも税金を使って、信用保証協会融資や雇用調整助成金、あるいは中小企業金融円滑化法、お目こぼしの労働基準監督行政など、ありとあらゆる方法を駆使し、会社を延命させて、失業率を小さくみせてきました。
これからは、生産年齢人口の減少により、人手不足が深刻化します。
Lの経済圏の持続・発展のためには居住の集約化が大事だといいます。
コンパクトシティ化は供給側、需要側双方にメリットをもたらします。
地方の中核都市に人を集めるべきでしょう。
農業は全人口に占める割合の約2%であり、東京、名古屋、大阪以外の地域でも4~5%の県が大半です。
地方の大半において、農業よりも医療や介護、保育といった、社会福祉サービス業の就業者のほうが多いのです。
加えて、農業の労働生産性はサービス産業よりもさらに低く、賃金も低いです。 以上、ここまで。
L型の改善案については冨山氏の著書「選択と捨象」を読んでください。
または、冨山氏の「IGPI流ローカル企業復活のリアル・ノウハウ」もいいかもしれません。
僕の本では、G型の改善案を中心に述べていきます。(GDP比ではL型の方が規模が大きいのですが、その改善策は上記の2冊や冨山氏など、他の方に任せます)
G型は、製造業やITを中心とした大企業だと述べました。
これらの企業で活躍する人材を、現在の高学歴が果たして輩出しているかどうかが問題です。
または、G型に将来なりそうなベンチャー企業についても考察します。
2 日本の現状分析
G型で、高学歴が活躍しているか?という論点は後で述べることにして、まずは日本の現状分析をすることにします。
1995年時点で、日本のGDPはアメリカの約7割、ヨーロッパの約半分の水準でした。
世界中のGDPに占める割合でも、日本は17.3%、つまり人口1億ちょっとで、世界中の人口約57億人の所得の2割弱を得ていました。
しかし、今やアメリカは日本の3.7倍、ヨーロッパは4.7倍の水準に至りました。
中国にさえ、2倍を軽く超えられています。
逆に言うと、日本のGDPは中国の半分、アメリカの4分の1、ヨーロッパの5分の1程度しかない国になったということです。
GDPで言うと、アメリカは約2000兆円、中国は約1200兆円、日本は約500兆円というわけです。(番外編としてロシアは約220兆円です)
かつての2割程度(17.3%)の世界のGDPに占める日本のシェアは、おおよそ20年で、たった3分の1の5.9%にまで凋落しました。
「日本はなぜ負けるのか インターネットが創り出す21世紀の経済力学」という本によれば、GDPが上がっていないのは日本だけであり、その要因として、ネットの活用(回線の整備でではなく)が進んでいないからだと述べています。
そして、アメリカではネットの活用が特に進んでおり、参考にしたいところです。
3 国の借金について
高橋洋一氏の「これが世界と日本の真実だ」という本によれば、借金1000兆円といいますが、資産は0兆円(タイプミス。調査中)あり、政府の関係会社も考慮して連結してみると、借金は200兆円になると言っています。
その資産の多くは、金融資産なので換金可能だとのことです。
日本では毎年30兆円以上の税金徴収は最低でもできるのですから、その資産価値は数百兆円以上になります。
たとえば、毎年30兆円、将来割引率4%としてもその現在価値は750兆円もあります。
政府バランスシートで見ても統合政府バランスシートで見ても、債務超過ではないということになります。
徴税権抜きの連結バランスシートで150兆円の債務超過なので、徴税権750兆円を資産に換えると、600兆円の資産超過です。
これはあと600兆円の国債を発行しても、政府の財務は問題ないということになります。P108~114。
この意見に反対しているのが「ポスト・アベノミクス時代の新しいお金の増やし方」の著者である加谷珪一氏です。
以下、引用です。
国内では、日本政府は資産をたくさん持っているので大丈夫という議論がありますが、資産との相殺を行ったネットの数値においても、日本の政府債務比率は突出しています。
さらに言えば、政府が保有しているという資産の中身も重要です。
確かに、日本政府は930兆円の資産を保有していますが、この中で換金性の高い資産はあまり多くありません。
地方自治体や独立行政法人に対する貸付け、固定資産などの多くは実質的に価値がないと思ってよいでしょう。
単純に資産を持っているから大丈夫という議論には少々無理があるのです。P67、68。
資産の換金性について僕は調査できないのですが真っ二つに意見が割れています。
ちなみに「財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済」の著者の上念司氏も高橋洋一氏支持者でしょう。
ではこの辺で。(4483文字)
このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。
あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。
参考・引用文献
「ビジネスモデル思考 既存ビジネスから「イノベーション」を生む7つの視点」
「日本はなぜ負けるのか インターネットが創り出す21世紀の経済力学」
PART2に続きます。