2020年教育改革への僕の本「英語の民間試験採用の延期について」PART3

どうも、武信です。(No116) 

 

PART2からの続きです。

 

前回の記事が以下です。

2020年教育改革への僕の本「英語の民間試験採用の延期について」PART2

 

 

英語の民間試験採用が、延期すると発表されました。  

 

以下の記事を貼ります。

 

https://dot.asahi.com/aera/2019110100080.html

「英語民間試験の問題は「公平性」だけではない 「中止を」約7割が支持〈AERA〉」というタイトルです。

 

簡単に、引用・まとめをします。  

 

「ぼくたちに入試を受けさせてください」と訴えたのが、筑波大学附属駒場高校(筑駒(2年生の男子生徒(17)です。

 

共に、文部科学省前のデモや国会でのヒアリングなどで、当事者となる高校生の声を届けてきた私立高校2年生の健さん(17)は教員志望の人です。  

 

公平性を重要視していない、萩生田大臣の発言「自分の身の丈に合わせて(試験)を選んで勝負して頑張ってもらえれば」に非難が集中し、「教育基本法」に抵触するとの声も上がっていたそうです。  

 

異なる試験の成績を対応させるため、導入された共通指標『CEFR(セファール)』の活用自体にも問題があり、公正ではないといいます。  

 

英語民間試験の実施について延期を求める声が約2割、中止を求める声が約7割で、「どうしても4技能の試験をしたいなら入試センターが統一テストを作るべきだ」という45歳の女性の保護者の意見もありました。  

 

「大学入試センターが主導して、民間と専門の研究者の知恵と技術を合わせながらスピーキングの統一テストを開発すべき。

 

本気で取り組めば2024年度実施も不可能ではありません」ともあります。以上、ここまで。  

 

これらの意見に対し、僕が思っていることを述べていきます。  

 

 

1 そもそもの英語力とは?

 

で、今回の延期に便乗し、「そもそも大学入試で問う英語力とは何がいいのか?」について根本から考えてみましょう。  

 

大学に入ってからは英語の論文を読むのですよね?  

 

で、大学では英語の論文を読むアカデミックな英語が求められるのが、まず前提としてあります。  

 

そして、日本の大学では英語の論文を読むまではできる学生が多いのでしょうが、「話す・書く」となると、とたんにできない学生が多いと予測します。  

 

しかし、「話す・書く」は英語に限ったことじゃなく、日本語の論文でも中級者以上の人はあまり見かけないと思われます。  

 

それはさておき、英語の専門的な論文を読めるようになることが、大学に入ってからの英語の活用の真の目的だとしたら、従来の大学入試でそこそこ通用したわけです。  

 

そして、TOEFLはアメリカの大学に留学して、ついていける英語力を測るために実施されており、英語の論文を読み書きできる基礎力を測るのはもちろん、アメリカの大学での授業についていける「聞く・話す」力も問うています。

 

そもそも論として、アメリカの大学に留学するなら、TOEFLが必須です。  

 

しかし、留学しないのなら、英語の論文を「読める」は最低条件として、「書く」ができれば何とか論文を提出できそうです。  

 

ここで問題なのが、「英語の論文の読み・書き」は、「大学教授などになる、または学問に関わる人のためのもの」なのです。  

 

そして、多くの学生は学問にはそこまで関わらなくて、実践的な英語力を必要としており、アカデミックではなくビジネス寄りのTOEICを受けるわけです。  

 

こういう、そもそも大学での英語の真の活用目的を明確にしてから、「英語力の試験をどうするべきか?」考えるべきでしょう。  

 

つまり、一部の学問をやりたい人のために、従来の大学入試があり、さらにTOEFLは存在します。  

 

多くの学生にはTOEICなどの方がいいのです。  

 

しかし、大学という看板があるので、まずは学問としての「読み・書き」に通じる英語力を問う試験で選抜して、大学に入れるか決めます。  

 

多くの学生には関係ない英語をやらされるのですが、まぁ仕方ないでしょう。  

 

だからこそ、超高学歴(東大・京大や早慶など)を出し抜いて、就活で大企業に入社できる学生がいるのです。  

 

それは学問系の英語力ではなく、「ビジネス実用系のTOEIC」などで代替したり、そもそも「学問の能力とは関係ないビジネス力の潜在性がある学生」がいたからです。  

 

つまり、「大学としての教育目的」と、「民間の産業界が求める教育」は異なります。  

 

今回、産業界からの要請により、大学入試改革もある程度、進んだと思いますが、そもそも大学には「産業界が求めるビジネス人材を育てる能力が乏しい」のです。(そりゃ、そうです。民間の第一線で活躍できるなら、大学教授にならない道もあったかもしれません)  

 

こういう背景があるので、民間企業は高学歴の人材は潜在力があるとみなして、「自社で育てる」という方針だったのです。  

 

つまり、大学と産業界には断絶があったのです。  

 

これを大学と産業界を結びつけようとしたのが今回の教育改革の目的でもあります。

 

自社で育てるのはコストがかかりすぎるので、大学でもある程度、教育してくれというわけです。  

 

英語の民間試験採用は、就活では民間試験が活用されるので、実用的な英語力を大学入試時点で身につけてもらい、就活までつなげようという狙いもあるでしょう。  

 

ということは、学問系の人材(ノーベル賞含む。研究系)と、ビジネス系の人材(民間企業で働く人)は、教育目的が異なるわけで、産業界からしたら、大学のワンクッションはそもそも要らなく、正直に言うなら、企業が「直接、役立つ人材を作るための大学」を作った方が早いという話になります。  

 

日本電産の永守重信氏が理事長に就任した京都学園大は典型的な、民間企業の直接介入でしょう。

 

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO31772700U8A610C1000000/?

「大学改革も永守流 「京都学園大は10年で私学トップ」」というタイトルです。  

 

「いったい、大学の存在価値とは何なのか?そして大学にできることは何なのか?」から考え直すべきかもしれません。

 

で、ホリエモンは以下の記事で、「従来のセンター試験は良いよ」と言っています。

 

https://news.livedoor.com/article/detail/17327223/

「ホリエモン、英語民間試験延期に「センター試験で何が悪いんですかね。良く出来てますよ」」というタイトルです。

 

これに英語民間試験採用反対派が安易に、「そうだ、そうだ!」と飛びついたのだとしたたら、その人は安易に「自分が納得できる証言をしてくれた人」に乗っかった人です。  

 

考えてみれば、ホリエモンは学者でもないですし、論文を普段から読んでいるわけでもなく、本物の英語力もどこまで知っているのか分からない中で、ホリエモンがセンター試験で高得点が取れるから、「良い試験だよ」と言っている可能性がかなりあります。  

 

ホリエモンが英検準1級や、別の世界(英語の論文やTOEFLや実用英語の世界)を見て、比べたあとで、「センター試験が良いよ」と言っているのなら、まだ分かりますが、そうじゃありません。  

 

このホリエモンの意見に安易に便乗した人は単に、最初から英語の民間試験採用に反対だった人です。  

 

こういう背景も何も想像しなかったからです。  

 

で、以下の記事でデーブさんが「英検1級はいいよ」と言っています。

 

https://www.daily.co.jp/gossip/2019/11/03/0012844958.shtml

 

「デーブ、英検1級合格していた「いい試験、難しい」堂々合格証披露」というタイトルです。  

 

簡単に要約すると、デーブさんは1998年に英検1級に合格しており、「いい試験だった」と言っており、「もっと良い改善もできそうだ」と述べているということです。  

 

1998年時点で、ネイティブのデーブさんに実用英語としては価値が認められており、今は2019年ですから、21年経っており、もっと英検は進化していると予測します。  

 

もちろん、英語の論文やTOEFL系とは違うので、デーブさんの意見を完全に真に受けるわけではありません。  

 

この際、英検準1級やその他の民間試験と、従来のセンター試験の比較をちゃんとした人(英語の論文を普段から読んでいて熟達している人など)に検証してもらうのがいいと感じます。  

 

少なくとも、ホリエモンの言葉を真に受けた人は、背景も理解しないで賛成しているので、疑わしいです。  

 

ではこの辺で。(3794文字)  

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。

 

PART4に続きます。

2020年教育改革への僕の本「英語の民間試験採用の延期について」PART4

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