どうも、武信です。(No475)
前回の記事が以下です。
日本の現状分析をします。
「フィクサーによる日本の教育改革本」の補足編とも言えそうです。
現状分析は刻一刻と変わってきますからね。更新版が必要です。
そして、解決策もそれに応じて変わってきます。
約7000文字以上の力作記事です。
興味がある方は、続きをお読みください。
5 インターネットが変革した5つの分野&科学技術に関わる研究開発費
また、インターネットが変革した5つの分野を挙げます。
1 テクノロジーとして。
IoT、ビッグデータ、AIは、インターネット・テクノロジーとして新たな進化を続けています。
2 メディアとして。
メディアは情報伝達手段として、活版印刷に始まり、紙メディア、蓄積メディア、放送メディア、通信メディアなどの発明とともに発展してきましたが、今、全てはインターネットへと収束しつつあります。
3 民主主義のツールとして。
近代民主主義においては「国民主権」「基本的人権」「法の支配」「権力の分立」などが重要視され、インターネット登場後は、政治形態だけでなく、広く一般に、人間の「自由」と「平等」を尊重する立場になっています。
4 外交として。
元々、外交とは、国家間の国際関係における交渉のことで、一般に、外交官や首相などの国家の代表同士が国際社会における問題に対応していましたが、インターネットの登場後は、「インターネット・ガバナンス」がグローバル空間での外交の基本となりつつあります。
インターネット・ガバナンスとは「インターネットを健全に運営するうえで必要なルールづくりや仕組み、それらを検討して実施する体制などを表す言葉」で、インターネットがグローバル空間であること、単一の管理機構をもたないこと、関係するさまざまな人びとが直接ルールづくりに参加できる文化をもつことなど、従来の仕組みとは、大きく異なります。
5 産業イノベーターとして。
政府統計によると、近年「製造業」はその割合が低下し、就業構造のサービス化が進んでいます。
農業などの第1次産業へ就業する人は約4%であり、製造業などの第2次産業が約25%、サービス業などの第3次産業が70%前後と大幅に増えています。
GDPで見ても、第一次産業約1%、第2次産業約25%、第3次産業約74%となっています。(2014年調査)。
こうした産業構造の変化は、なにも日本に限ったことではなく、多くの先進国で見られる傾向といえるでしょう。P39~42。
また、「日本がどれだけ科学技術の開発に費用を投じているか?」です。
主要国の科学技術に関わる研究開発費(指標)の推移を見ると、2000年の金額を100として、その後の10年間における研究開発費の増加率は、主要国のなかで日本は最も小さかったのです。
日本の指数が2011年に107だったのに対し、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリスは150付近となっており、この10年の間に研究開発費が約1.5倍増えています。
さらに、大学部門の研究開発費(指標)の推移を見ると、2000年を100としていますが、日本はわずかな増加である110であるのに対し、アメリカは206と2倍以上です。
また、イギリスは193、ドイツは165、フランスは164です。
こうした科学技術の研究開発に関する金額が、日本だけほぼ一定で、増えていないのは、GDPの停滞と大きな相関があるとみて間違いないでしょう。P44~46。
6 今後10年間で日本が勝つにはどうすればいいか?
ここからは「日本がどうやったら、今後10年で勝てるのか?」を書きたいと思います。
GAFAがあそこまで巨大企業になったのは、彼らのインターネットサービスが人間を相手にしたサービスであり、英語という言語でサービスを行えたことが大きいと藤原洋氏は言います。
英語圏は人口が多く、かつ、最も先進的なユーザーが多いからこそ、それぞれのサービスを先行して行うことができ、先行者利益をがっちりと得て、それぞれの市場のリーダーとなっていきました。(英語圏はアメリカだけでなく、イギリスやオーストラリアもあり、何億もの人がいます)
中国のアリババやセンテントも世界有数の企業となりましたが、中国語圏の人口が多いからでしょう。(13億人の人口がいます)
日本語でサービスを行う日本企業は、どうしても日本の人口約1億2000万を超えて、サービスを拡大していくことが難しかったのです。
しかし、これからのビジネスではこうした言語の障壁がなくなる可能性があるのです。
なぜなら、IoTではモノがインターネットにつながるので、「言語」ではなく「数値」をやりとりすることになるからです。
AIを活用してビッグデータを解析するにしても、言語データももちろんありますが、圧倒的に多いのは、センサーなどで計測された数値データでしょう。
つまり、IoTやAIのビジネスでは言語の障壁がなくなるため、もともと、ものづくりの強さに定評がある日本企業にとっては、絶好のチャンスとなりえるのです。P49~51。
2020年から5G「第5世代移動通信システム」が始まります。
現在、使われている4Gの約100倍の通信速度になります。
5GはIoT向けのインフラとなり、センサーや制御装置などあらゆる産業用機器が、その接続の対象になることを想定しています。
ところで、電波は公共の資産であるため、国(総務省)が使用を許可して利用料を受け取っており、電波利用料の約8割を携帯電話会社が負担、テレビの放送局の支払いは1割未満です。
電波(周波数)の割り当てとしては、約半分強が携帯電話会社で、約半分弱がテレビ放送局なので、同じように電波を使用しているのに、なぜこれほど違うかといえば、放送局は電波を発信しているのはスカイツリーだけなのに対して、携帯電話会社は1台1台の携帯電話が電波を発信しているので、物理学的に電波を大量に使用しているのは通信会社だからです。
もう一つは、放送局は公共のために電波を使用することになっているため、公序良俗に反したコンテンツを放送することはできず、放映する番組は番組審議会のチェックが入る仕組みになっています。
他方、携帯電話の通信には通信の秘匿義務があり、個人が何を話しているか、何を送信しているかなど、干渉してはならないという法律があります。
したがって、ポルノ放送は禁止されていても、ポルノ通信はできるのです。
コンテンツの自由度が高く、自由に稼ぐことができるのだから、携帯電話会社の負担のほうが大きいのは当然だという声もあります。
携帯電話会社は、こうした利用料の決め方に不満を持っています。P75、76。
さて、経団連に加盟する企業の約半数は製造業です。
日本のGDPの2割弱を占めるに過ぎない製造業が、いまだに半数もあるのですから、経団連が製造業のサービス化を主導すれば、日本の製造業のデジタルトランスフォーメーションが進むのではないでしょうか?P90。
と書いていたら、以下の記事も出ています。
「IT、ベンチャー企業どうぞ 経団連が入会資格緩和 資産10億円から1億円に」
https://www.sankei.com/economy/news/181105/ecn1811050015-n1.html
シリコンバレーと深せんには、それぞれスタンフォード大学と香港科技大学というテクノロジーの研究開発拠点があり、ナスダックと香港証券取引所という資金調達のための証券取引所があります。
お金の出所が、個人や企業などの民間であるシリコンバレーに対して、深せんは中国政府である点が大きく違いますが、エコシステムとしてはよく似ているといえるのではないでしょうか。
それはやはり、中国政府がシリコンバレーをよく研究し、キャッチアップする形で、深せんという経済特区をつくり出しているからではないかというのが、私の見立てです。P218、219。以上、ここまで。
とりあえず、今回はこの辺にしておきます。
ではこの辺で。(3653文字)
このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。
あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。
参考・引用文献。
「「欲しい」の本質 人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方」
「全産業「デジタル化」時代の日本創生戦略」
「業界メガ再編で変わる10年後の日本」
「ダイレクト・リクルーティング 新しい採用の常識」