初心者のための経営学の教科書「俯瞰経営学1」前置き編 PART3

どうも、武信です。(No318)

 

「フィクサーによる日本教育改革本」も教育の全体図・俯瞰図でしたが、経営学でも俯瞰図を作ろうという野心で作ったのが本書です。  

 

「フィクサーによる日本の教育改革本」も教育業界に影響を与えていると思われますが、この俯瞰経営学も多少は影響を与えているかもしれません。  

 

作り始めたのは3年くらい前ですし、まだ未完成ですが、出版社らにパクられまくり、新規性がなくなったので、無料で公開します。

 

前置き編です。P

 

PART3です。  

 

前置きだけでこんなに長いのか?」と思われる方もいるでしょうが、本編を読む上でも、また経営学を理解する上でも重要な知識なので、前置きと思わず、じっくりと読んで習得してください。

 

 

4 「最強の経営学」の理論の前置き(ベイズ統計学の話)

 

さて、ここで実行段階の話と絡める形で、ベイズ統計学の話を書きます。

 

ベイズ統計学とは、最初に適当な(主観的な)推定値を決めておき、その前提のもとに、実際の出来事を観察して、最初の推定値を随時、アップデートしていくことを指します。

 

例えば、あるビジネスパートナーとの取引の場面で、最初は「信用できる」「信用できない」の判断はまったく分からないから、五分五分と言えるでしょう。(もちろん、初対面で目つきが悪そうという解釈などで、信用できないが70%からスタートするのもありです)

 

そして、その人の発言や行動を観察していくうちに、「信用できる」「信用できない」の主観的確率を修正していくのです。

 

言った発言を守らなかったり、致命的な嘘をつかれていたとしたら、「信用できない」の主観的確率は上がっていくでしょう。

 

その「信用できない」の主観的確率は、例えば嘘をつかれた場合、その後の彼の発言は「信用できる」なら0.8%の確率で「真実を語る」、0.2%の確率で「嘘をつく」となります。

 

彼が「信用できない」のであれば、0.1%の確率で「真実を語る」、0.9%の確率で「嘘をつく」などと設定するのです。

 

観察し、追加情報で修正し、発言や行動の確度を推定するのは、かなり威力があり、当たりやすいと言えます。

 

ビジネスの世界は不確実ですので、実行するときはベイズ統計学の主観的確率を修正していくやり方が合っています。(ビジネスの世界だけじゃないですけどね)

 

ちなみに、インターネットのスパム(迷惑)メールの検出・除去などでは既に使われています。

 

また、ベイズ統計学はコインフリップ(コインを投げる行為)で表が出る確率は常に2分の1となります。

 

100万回振っても、次の1回は2分の1なのです。

 

しかし、現実の世界1000万回も続ければ、どちらか一方に収束します。

 

理由は1つ前の事象が次に影響を与えるからです。

 

これを「デンプスター・シェーファー理論」といいます。

 

コインフリップとは違い、現実の世界は全ての事象がつながっており、ベイズ統計学のようにはならないのです。

 

ベイズ統計学よりも、「デンプスタ-・シェーファー理論」の方が現実世界では正しいですが、確率論の教育の場ではベイズ統計学から教えられます。

 

これは単に学ぶためのルールだからです。

 

以上は豆知識です。

 

ベイズ統計学も充分使えると思うので、活かしたいですね。

 

 

5 「最強の経営学」の理論の前置き(理論と実践の違い)

 

ビジネスの世界では、理論ありきばかりではなく、実践がかなり大事ということです。

 

要は「見たり、観察したり、考える」のと、「実際にやる」という段階では全く異なるということです。

 

僕は将棋でもテニスでも、上手いプレーヤーの動画を見ると、できる感覚に陥るのですが、実際にやってみると上手くいきません。

 

見るのとやるのとでは、大違いということです。

 

MBA的な頭のいい人というのは、分析などで理論を作るのは上手いのですが、実際の泥臭い行動、実行段階になると弱いという印象があります。

 

しかし、その泥臭い実行段階をきちんとやりきるかで成果は変わります。

 

「言うのは簡単ですがやるのは大変」ということです。よく、橋下元市長が言うセリフです。(元政治家の言葉ですが)

 

「なぜ実際の行動が大変か?」というと、頭で思い浮かべたことと、実際に行動することでは差があるからです。

 

頭の中では自由自在に動かせますが、行動では、頭も身体も空想や理論ほどは上手く動いてくれません。

 

また自分1人だけでも、「理論と実践」は別物であるのに、多くの人を巻き込むとなったら、なおさら何十倍も大変です。

 

しかも、多くの巻き込むべき人たちは「基本的に変わりたくない人たち」です。

 

「変りたくない、現状維持を優先する人たち」を変えるのは大変です。

 

変わりたいという少数の人たちを、実際の行動面まで向上させやりきらせるだけでも大変なのに、変わりたくない大多数を変えるのですから、並大抵ではありません。

 

だから改革はたいてい失敗します。

 

 

6 「最強の経営学」の理論の前置き(下剋上の話)

 

ここで、話のテーマをずらしますが、ついてきてください。

 

ビジネスの世界は、下克上がよく起きます。

 

理由は環境が激変するからです。

 

ビジネスの前提条件が変わることが、頻繁に起こります。

 

それは技術革新によるものや、規制緩和などがきっかけになります。

 

ネット証券の台頭は、「インターネットの技術」と「1999年の手数料の自由化」などにより起こりました。

 

ビジネスルールが変わることや、ビジネスモデルを作り変えることが可能な世界が、ビジネスの世界なので、下克上が頻繁に起こります。

 

環境の激変によほど注意を払わないと、足下をすくわれます。ビジネスの世界では、「現状維持は退化とイコール」です。

 

環境変化に合わせて、変わっていかなくてはなりません。

 

しかし、環境が変わると分かっていても、変えることが難しい理由があります。

 

従来の証券会社の場合、リアル店舗とリアル人材がネックでした。リアル店舗とリアル人材を破棄するのは至難の業です。

 

また、日本はハードの製造業重視路線でした。それは「工場やハードに適した人材がたくさんいる」ということを意味します。

 

ソフトウェアやソリューションビジネスに移行するということは、工場を統廃合したり、人材を入れ替えなくてはいけません。

 

一朝一夕にできることでありません。環境の変化に合わせて動くということ、は困難を極めるのです。

 

典型的なビジネスモデルの激変は、「スマートフォンの登場」でしょう。

 

スマートフォンにより従来の携帯、デジタルカメラ、デジタルオーディオプレーヤー、家庭用ゲーム機やゲームソフト、個人向けパソコンなどの売上が激減しました。

 

これらの駆逐された業界や会社はスマートフォンの下克上で、自社のビジネスモデルを再考しなければならなくなりました。

 

最近では、ウーバーという配車会社が下剋上に絡むかもしれません。

 

現在、日本には7700万台の車(四輪車)が登録されています。

 

このうち、道路を走っている車は少ないのです。ほとんどの車は車庫や駐車場に眠っています。

 

自動運転車も開発中のようですが、これの未来はさておき、ウーバーの登場で、これらの眠っている車が有効活用される未来が見えてきます。

 

必要なときにある時間帯だけ利用するようになるのです。

 

シェアリングエコノミーの未来の行きつく先は、車の台数の大幅な減少です。

 

特に、成熟したマーケットである米国や日本や欧州などでは、自動車の大幅な台数減が実現するでしょう。

 

日本の自動車業界にとっては、暗い未来です。

 

日本自動車工業会によると、日本の自動車関連産業は部品メーカー、ガソリンスタンドなどを含め、総従業員数530万人で、日本の全就業人口の8%です。

 

さらに、日本の全製造業による出荷総額の18%、日本の輸出総額の21%を自動車関連産業が占めているので、シェアリングエコノミーはかなりの脅威です。

 

この未来図に電気自動車が参入してくるのだから、自動車産業の未来が心配になります。

 

また、ロンドンではタクシー運転手は、高い技能の証明としての職業です。

 

理由は、ロンドン市内の6万もの通りの名前を記憶したり、目的地への最短ルートを答える試験に合格するのに平均して、12回の試験があり、取得するのに何年もかかるからです。

 

そこに、ウーバーが参入してきて、ロンドンのタクシー運転手は怒り、2014年6月11日に抗議活動がありました。

 

ウーバーは脅威なのです。

 

さらに、自動運転車がもし仮に実現したら、人工心臓に対する需要が急激に増加するという、因果関係が出現する可能性があります。

 

理由は、現在の自動車の死亡事故の被害者が臓器移植の主要なドナー源となっており、もし、自動運転社会が実現したら、死亡事故が激減して、「ドナー提供者が限りなく少なくなる可能性があるから」です。

 

そうなると、人工心臓の需要が増加しますよね。

 

このような影響まで考慮に入れるのは難しいです。

 

最近では、「RPA革命の衝撃」という本が出版され、RPAとは概念であり、言わば「ロボット機能を持ったソフトウェア」という意味です。

 

今まで時間がかかっていたルーティンワークをロボットに任せることで、本来の業務や研究開発に余分に時間をかけられるという狙いもあるようです。

 

本によると、2025年までに、全世界で1億人以上の知的労働者、もしくは、3分の1の仕事がRPAに置き換わると予測されている、と書かれています。

 

詳しくは本を読んでください。

 

ではこの辺で。(5134文字)

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。  

 

参考・引用文献。  

 

「RPA革命の衝撃」  

 

参考引用文献がわからなくなったので、僕の「俯瞰経営学」で参考にした本は全冊載せておきます。  

 

参考・引用文献。

「27歳からのMBA グロービス流リーダー基礎力10」

「正解が見えない課題を圧倒的に解決する超仮説思考」

「超・検証力 その仮説は本当に成果を出せるのか?」

「世界市場で勝つルールメイキング戦略」

「ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか」

「ビジネスモデルナビゲーター」

「リクルートのすごい構創力」

「0to100会社を育てる戦略地図」

「世界最高峰の頭脳集団NASAに学ぶ決断技法」

「数学嫌いの人のためのすべてを可能にする数学脳のつくり方」

「文系が20年後も生き残るためにいますべきこと」

「マッキンゼーが予測する未来」

「RPA革命の衝撃」

「日本流イノベーション」

「統計学が最強の学問である ビジネス編」

「入社10年分の思考スキルが3時間で学べる」

「大前研一IoT革命」

「新富裕層の研究」

「ビジネスで使える経済予測入門」

「定量分析の教科書」

「稼ぐ人財のつくり方」

「社員20人なのに新卒採用に1万人が殺到。日本一学生が集まる中小企業の秘密」

「リーダーの基準」

「INNOVATION PATH イノベーションパス」

「イノベーションの壁」

「確率思考の戦略論」

「未来を味方にする技術」

「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」

「あなたの会社が最速で変わる7つの戦略」

「ビジネスモデル思考 既存ビジネスから「イノベーション」を生む7つの視点」

「賢い企業は拡大主義より永続主義」

「なぜデータ主義は失敗するのか?」

「戦略にこそ「戦略」が必要だ」

「手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略」

「カスタマーセントリック思考」

「日本企業で本当に役立つマーケティング7つの原則」

「機会発見」

「パラノイアだけが生き残る」

「超一流のアイデア力」

「経営とデザインの幸せな関係」

「降りてくる思考法」

「マーケティング零」

「ダークサイドスキル」

「なぜ良い戦略が利益に結びつかないのか」

「図解&事例で学ぶWebマーケティングの教科書」

「なぜか売れるの公式」

「物語戦略」

「デジタル・トランスフォーメーション」

「ビジネス・リノベーションの教科書」

「シリコンバレー発アルゴリズム革命の衝撃」

「役員になれる人の「数字力」使い方の流儀」

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