初心者のための経営学の教科書「俯瞰経営学2」PART2

どうも、武信です。(No323)  

 

「フィクサーによる日本教育改革本」も教育の全体図・俯瞰図でしたが、経営学でも俯瞰図を作ろうという野心で作ったのが本書です。  

 

「フィクサーによる日本の教育改革本」も教育業界に影響を与えていると思われますが、この俯瞰経営学も多少は影響を与えているかもしれません。  

 

作り始めたのは3年くらい前ですし、まだ未完成ですが、出版社らにパクられまくり、新規性がなくなったので、無料で公開します。  

 

「俯瞰経営学2」のPART2です。

 

本編はここからです。

 

前置き編が終わって、ようやく本編に入ります。

 

ここからが僕の経営学の俯瞰全体地図です。  

 

 

3 経営戦略(外部環境分析 SWOT分析&「戦略にこそ「戦略」が必要だ」の紹介&両利きの経営の紹介)

 

次に、SWOT(スウォット)分析について書きます。  

 

SWOT(スウォット)分析は、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの頭文字を取ったものです。  

 

自社の内部(強みと弱み)と、自社の外部(顧客分析や競合分析や機会や脅威)を、きちんと理解しようということです。  

 

外部環境は、

1  ビジネス環境が比較的予想可能で、将来が十分に明確である

2  いくつかの選択肢が存在し、複数の将来が可能性として考えられる

3  不確実性が高く、問題が把握できていない。

の3つに大きく分けられます。  

 

「なぜデータ主義は失敗するのか?」のP46から。  

 

過去の事例(成功例や失敗例や過去の顧客データなど)から学んで、数字で検証できる仮説を生み出す帰納法的推論を土台とした分析は、確実性や将来がある程度見通せる世界では、そこそこ役立ちます。  

 

売れるモノが把握しやすく、成長分野であり、出せばそこそこ売れ、ライバルも少数という市場です。  

 

対して、売れるモノが不透明か顧客のニーズが多様化・細分化しており、成長か衰退か不透明な分野であり、出しても売れるかは不明であり、ライバルも多数という激戦区だと、過去の事例だけの分析では行き詰まるでしょう。  

 

例えば、馬車の時代に過去の顧客に聞けば、「もっと速い馬車を」という声が届きます。そこにはという概念が存在しないからです。  

 

車や未来的・SF的な製品を生み出すには、過去ではなく、未来の顧客を想像する思考が必要です。  

 

企業は提供する財が市場において、顧客に支持され、消費する価値があると顧客に評価される場合、存続が許されます。  

 

しかも、その提供する財が、他の企業より優れていることが前提です。  

 

そして、その評価を得るためには、社長から社員まで全員がマーケティング志向を理解し、日々の仕事が回されないといけません。  

 

しかし、企業組織で、全員がそれを実行するのは、社員数が何万人もいる場合、かなり難しいといえます。  

 

例えば、通常の企業であれば、「営業・販売、経営企画、総務、人事、経理、広報・宣伝、設計・製造、調達、物流等々」、多数の専門から構成されています。  

 

これらの各部門が顧客志向を理解し、連携しなければ、市場の評価を得ることができません。  

 

しかし、何千人、何万人という従業員の意思疎通には、かなりの困難が待ち受けます。  

 

人件費をコストと考えれば、そういう人材が育ちにくくなるでしょう。

 

100年を超える永続企業は、従業員をコストと考えないようです。  

 

外部環境分析とずれましたが、100年を超える永続企業の視点でした。  

 

外部環境の分析では、もっと詳しく説明している本もあります。  

 

「戦略にこそ「戦略」が必要だ」という本です。  

 

ここはざっと読みでかまいません。(詳しい内容は本でお願いします)  

 

事業環境をまずは、3つの特質によってタイプ分けします。

 

「予測可能性」(将来の変化を予測できるか?)

「改変可能性」(自社単独であるいは他社と協業して、つくり変えることができうるか?)

「過酷さ」(生き残れるか?)

の3つです。  

 

この3つを軸としてマトリクスを作成し、環境を5つの型に分類します。  

 

クラシカル(伝統)型。 予測できるが、つくり変えることができない。

アダプティブ(適応)型。予測できず、つくり変えることもできない。

ビジョナリー(ビジョン牽引)型。予測でき、つくり変えることができる。

シェーピング(協創)型。予測できないが、つくり変えることができる。

リニューアル(再生)型。リソースの制約が難しい。  

 

それぞれの環境では、それに対応する特有の戦略アプローチの型があります。  

 

予測可能なクラシカル型の環境では規模や差別化、組織能力による優位性に基づくポジショニングの戦略が役に立ちます。  

 

これは徹底的な分析や計画立案により、構築できます。  

 

アダプティブ型の環境においては急速に変化し、予測し難い状況では計画が機能しないため、継続的な実験が求められます。  

 

ビジョナリー型の環境では、新市場を創り出すか、既存市場を破壊する最初の企業になることにより、勝利がもたらされます。  

 

シェーピング型の環境では、さまざまなステークホルダーの活動をオーケストラのようにうまく編成して、彼らと協業することで、自社に有利な方向に業界を形成できます。  

 

最後に、リニューアル型の環境における厳しい状況では、企業はまず、経営資源を確保して、存続可能性を高める必要があります。  

 

そのうえで、成長軌道に戻して、長期的に成功を持続するため、他の4つのアプローチのいずれかを選びます。  

 

もっとも重要な要件は、アプローチによって、まったく異なります。  

 

クラシカル。規模を拡大する。

アダプティブ。素早く動く。

ビジョナリー。創造(破壊)する最初の企業になる。

シェーピング。オーケストレーター(編成者)になる。

リニューアル。存続可能性を高める。 P24~26。  

 

ただし、

「将来予測が容易か困難か」、

「改変が容易か困難か」、

「環境が魅力的であるか過酷であるか」

は、現実には両端の間のどこかに存在し、変動します。  

 

いずれのアプローチにも、調整が必要です。  

 

たとえば、アダプティブ型の企業とクラシカル型の企業は、戦略のクロックスピードの観点からは、スペクトルの両極端に位置しています。  

 

ですが、実際にはアダプティブな特徴がもっとも色濃い企業であっても、理論的に可能なかぎり多くの実験を、可能なかぎり速いスピードで、実施しているわけではないのです。  

 

また、クラシカル型の企業にも、ある程度の実験的な要素があります。

 

現実には、実験の頻度と程度は、環境変化のサイクルや競合企業の適応力、実験のコストによって決まります。  

 

シェーピング型アプローチについても、同じことが当てはまります。  

 

クラシカル型企業がまったく新しい市場を創出することは稀ですが、ブランディングや新しい商品カテゴリーの構築、商品の新しい利用法の提案といった戦術によって、新たな需要の創造を試みることがあるでしょう。  

 

このように幅広いスペクトルのなかで考えると、各戦略アプローチの背後にある考え方は極端なものではなく、絶対的でもないことがわかります。

 

そうではなく、各戦略アプローチの考え方は、特定の経営課題のコンテクストにおいて、適切な戦略を選択するための言語と論理を提供してくれます。  

 

そして、リーダーに事業環境と自社がスペクトルのどこに位置しているかという視点で、適切な問いかけをし、最適な組織能力の組み合わせを育んでいくための力を与えてくれます。  

 

こうした考え方に習熟すれば、環境の変化に応じて、思考法を変えなければならないと強く認識し、戦略アプローチを調整すべき時期を知らせるサインを見逃すことなく、行動できるようになります。P336~338。  

 

詳しくは本を読んでください。  

 

1冊の本になるほどの分量であり、理論ですから、ここで全部を詳細に紹介するのは無理です。  

 

そして、名著と噂高い「両利きの経営」という本の紹介です。  

 

両利きの経営とは、「知の探索」と「地の深化」の両方を追求している企業ほど、イノベーションが起き、パフォーマンスが高い企業だと、経営学で実証されている経営概念です。  

 

「知の探索」とは「なるべく自身・自社の既存の認知を超えて、遠くに認知を広げていこうという行為」であり、「探索」ということです。  

 

探索することで、認知の範囲が広がり、新しいアイデアが生まれやすくなりますが、一方で、探索は不確実性が高く、コストもかかるという欠点もあります。  

 

そして、探索を通じて試したことの中から、成功しそうなものを見極めて、それを深堀りし、磨き込んでいく活動が「深化」です。  

 

深化活動があるからこそ、企業は安定して質の高い製品・サービスを提供でき、社会的な信用を得て収益化できます。  

 

このように、不確実性の高い探索を行いながら、深化によって安定した収益を確保しつつ、そのバランスを取って二兎を追いながら両者を高いレベルでバランスよく行うことが「両利きの経営」です。P6、7から。

 

詳しくは「両利きの経営」という本に書かれています。  

 

簡単に言い換えてみます。

 

「広く深くやる」のが最強の企業ですが、そんなことは人間や会社の資源上、不可能なので、「狭く深くやる」(専門特化。スペシャリリスト)か、「狭く浅くやる」(素人で弱い企業)か、「広く浅くやる」(どれも中途半端なゼネラリストで弱い企業)か、になります。  

 

このうち、「狭く深くやる」企業が強みを発揮し、生き延びる確率が高いですが、それだけだと環境激変やルール変更やライバル企業の追随に対応できないので、新規事業などで専門範囲を広げるということです。  

 

当然、新しい新規事業をやるとしたら、不確実ですし、コストもかかりますよね?  

 

でも、それをしないと、ライバル企業などに追随されたりして、負けてしまうかもしれません。  

 

だからこそ、探索して、新規事業の種をまき、それを深化させ、きちんと収益化まで持っていくという「広く深く」の絶妙のバランスが必要になるということです。  

 

ではこの辺で。(4361文字)  

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。  

 

参考・引用文献。  

 

「なぜデータ主義は失敗するのか?」

 

「戦略にこそ「戦略」が必要だ」

 

「両利きの経営」

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