初心者のための経営学の教科書「俯瞰経営学3」PART2

どうも、武信です。(No331)  

 

「フィクサーによる日本教育改革本」も教育の全体図・俯瞰図でしたが、経営学でも俯瞰図を作ろうという野心で作ったのが本書です。  

 

「フィクサーによる日本の教育改革本」も教育業界に影響を与えていると思われますが、この俯瞰経営学も多少は影響を与えているかもしれません。  

 

作り始めたのは3年くらい前ですし、まだ未完成ですが、出版社らにパクられまくり、新規性がなくなったので、無料で公開します。  

 

「俯瞰経営学3」のPART2です。

 

本編はここからです。  

 

前置き編が終わって、ようやく本編に入ります。

 

ここからが僕の経営学の俯瞰全体地図です。  

 

 

3 イノベーションの評価指標など。

 

「イノベーションの壁」から、引用・まとめします。  

 

イノベーションの評価指標「K-Table」についてまとめます。P88。  

 

指標  指標詳細。      評価方法。

魅力度。面白いか、使いたいか。ターゲットになりうる人へのアンケート。

新奇性。世の中に代替するものがないか。市場調査、またはアンケート。

適社性。自社にとってやるべきか。ビジョンとの整合性で評価。

実現性。実現にどの程度かかりそうか。実現難易度を主に開発期間で評価。

事業性。収益性はあるか。 ビジネスプランを作成し、収益性を確認。  

 

まずは、顧客が「お金を払ってもいい」と考えてくれるかという購買意向「面白そうか」という魅力度ですね。  

 

この「面白そうか」の定義は、5段階になります。

 

1 全く使ってみたいと思わない。~ 3 どちらとも言えない。~ 5 ぜひ使ってみたい。(5が最高評価です)  

 

誰が評価するか?で点数が変わりますが、その改善方法は本書で。  

 

次に、面白そうかという魅力度だけだと、誰もが良いと思うアイデア、誰でも思いつきやすいアイデアが、上位に来やすくなります。  

 

誰もが思いつくアイデアが悪いわけではありませんが、ビジネスで成功したいなら、まだ誰も思いついていないアイデア、すなわち、「新奇なもの」を探すといいでしょう。  

 

世界に先駆けて、取り組むという意味合いが、「新奇」には込められています。(社内で初めて行うレベルが「新規」です)  

 

新奇性は、通常3段階で評価します。

 

3 全く新しい価値である。2 代替品があるが、まだ未充足な部分がある。1 すでに代替品で充足されている。(3が最高得点です)  

 

価値ポジショニングマップでは、「魅力度」と「新奇性」で4象限を作っています。P93。  

 

1 魅力度・新奇性ともに高い。すぐに取り組むべきアイデアです。

2 魅力度は高く、新奇性は低い。優先順位3位です。

3 魅力度は低く、新奇性は高い。優先順位2位です。

4 魅力度・新奇性ともに低い。取り組むべきではありません。  

 

3 魅力度は低く、新奇性は高いを魅力度が低いのに、なぜ優先順位2番めにしたのかというと、新奇性が高いものの評価は難しいからです。

 

新奇性が高いものは、評価が難しいので、ブレイクする可能性がけっこうあるのです。

例 電話機の事例、iPhoneの事例。  

 

価値を判断する目利きの存在が、かなり重要ということです。

 

アイデアが潰れてしまう具体的なパターンは本書を。  

 

パターン1 頭ごなしに否定してしまう

パターン2 「そんなのうちがやるの?」

パターン3 「面白いが、こういう部分が問題だ」

パターン4 「あれも、これも全部頑張れ」

パターン5 合議制で決めている

パターン6 新しい時代へ対応できない。P100以降。  

 

「適社性」とは、自社のビジョンに合っている魅力度と新奇性の組み合わせで上位にあるアイデアなら、「自社がやるべきこと」という意味です。  

 

やりやすいものではなく、やるべきことを選ぶべきだと述べてきましたが、「できるかどうか」という実現性も重要になってきます。  

 

実現不可能なものは最初に落としますが、いつかはできるかもしれないアイデアも落としてしまいがちです。  

 

ですが、「いつかはできるかもしれないアイデア」は達成時期、開発期間で評価するといいです。  

 

最後の「事業性」ですが、市場規模ではなく「収益性」で判断するべきです。  

 

P146~147から引用します。  

 

ここまでアイデアを具体化し、ブラッシュアップする手法について見てきましたが、優位性マップで価値を差別化し、ペルソナ利用シーンの具体化で、提供価値を明確にし、価値手段ツリーを用いて最適な手段を検討してきました。  

 

また、CVCAを用いて、マネタイズチャネルについても検討を行いました。  

 

しかし、いくら手段や提供方法が具体化されても、売り上げの目処が立たなければ事業化できません。  

 

どのようにして、売り上げを予測していくのがいいのでしょうか。

 

実はこれまで検討してきたこれらのことが、全て売上予測につながっています。  

 

どのように紐づいているのか、順に説明していきます。  

 

(年間の)売上高が何で決まるか、非常にシンプルにした形では、以下のように表されます。  

 

売上高=価格☓売上個数(頻度)。  

 

サービスの場合は、個数という表現は適切ではないのですが、頻度や期間などを含めて、ここでは個数と表現します。  

 

このままでは、まだ予測するのに粗すぎます。  

 

売上個数について、もう少し分解してみましょう。  

 

売上個数=ユーザー数☓購入頻度。

売上個数=ターゲットユーザー数☓シェア☓購入頻度。  

 

元に戻すと、

売上高=価格☓シェア☓ターゲットユーザー数☓購入頻度

と、4つの要素に分解されます。  

 

ここから詳しくは本書をお読みください。P147以降です。  

 

4 マーケティング(Preference&プロダクト・アウトとマーケット・イン)

 

また、開発段階Preference(ブランドエクイティ、価格、製品パフォーマンスの3つによって決定されます)や、ニーズの把握などあります。  

 

そして、「どうやって売るか」Awareness(認知)、Distribution(配荷)です。  

 

では、順番に説明していきますね。  

 

まず、Preferenceとは、消費者のブランドに対する相対的な好意度(簡単に言えば「好み」)のことです。

 

ニーズとも言えるかもしれません。  

 

ニーズには、顕在的なニーズ潜在的なもの(ウォンツ(Wants)に分かれます。  

 

ここで、2つの概念を紹介します。(経営戦略の話も書きます)  

 

「プロダクト・アウト」(作ったものを売る)や「マーケット・イン」(売れるものを作る)というものです。  

 

プロダクト・アウトは自社の資源目線であり、作れるモノから発想します。  

 

マーケット・インは顧客目線(ニーズ)であり、自社で足りない資源は他社と協働や提携や外注、さらには、M&Aしたりして、売れるモノを作ります。  

 

マーケット・インがニーズ重視であり、売れるモノ造りのためには他社との協力も欠かさないことから、一見、優れているように思いますが、そもそも売れるモノを探るのが大変です。  

 

しかし、マーケット・インを重視しないといけないと思います。

 

顧客は企業の都合なんて、どうでもいいのです。  

 

欲しいものを供給してくれればいいのですから。  

 

欲しいものということは相手目線であり、自分の強みとか働きがいなんて、顧客にとってはどうでもいいわけです。  

もちろん、強みは競争に打ち勝つ上で大事ですし、従業員の働きがいが会社の強みとなるケースもあります。  

 

しかし、一番、優先させるのは顧客のニーズです。  

 

それが実現されるために、競争上優位に立つための強みや従業員の働きがいなどがあるわけです。

 

これらは二番目です。  

 

ニーズを満たす、実現させるためには、技術や資源(リソース)が必要です。  

 

ニーズから発想して、自社の技術や資源で勝負するか、または、外部から調達したり、他社と提携するか、それとも技術や資源から発想し、ニーズを実現させるかの視点の違いがあります。  

 

ちなみに、技術から発想するのは技術起点アプローチです。  

 

とはいえ、資源(リソース)ありきの経営も分かるのです。  

 

ニーズが判明したり、企画や戦略が思いついても、資源がないケースが多いと思うからです。  

 

僕も泣く泣く企画案「職業SNS」を諦めることになりました。(職業SNSの企画案は僕の記事「キュレーターのビジネス企画発想とはこのようなものだ!」に書かれています)  

 

人が集まらなかったし、人を雇う資金もないし、自身にサイト構築能力もありませんでした。  

 

となると、資源ケイパビリティありきの経営や戦略にならざるを得ません。

 

資源制約下での戦いになるのです。  

 

外部の評論家はこの視点が分かっていません。

 

資源制約下での戦いを、理解してないのです。  

 

資源が縦横無尽にあり、何でもできて、打ち手が出せると考えています。

 

ニーズは分かっていて、企画や戦略も分かっていても、手を出せないこともあるのです。  

 

5 マーケティング(制約条件&全体最適と部分最適の違い)

 

資源制約下とは、制約に縛られるという意味から、制約条件(ボトルネック)の話にもつながります。  

 

システム、会社などのパフォーマンス(生産性)は、ボトルネックに依存しています。  

 

よく、「強みにフォーカスしろ」と言われますが、弱点が残ると、それによって、全体の生産性が下がるのです。  

 

強みばかり強化した場合、「部分最適化」と言い、弱み(ボトルネック)を強化し、全体の生産性を上げた場合、「全体最適化」と言います。  

 

そして、装置や設備、人的リソースの不足、市場の需要より、生産能力が大きいという市場の制約条件、会社の方針や慣習などの方針の制約条件があります。  

 

制約条件を解消しないといけません。  

 

新たな人材や資材の導入、間違った手順や方針の改めなど、制約条件を解消することで、資源制約下の戦いを少しでも改善するのです。  

 

その際に、制約条件(ボトルネック)という視点を取り入れ、「部分最適化」ではなく、「全体最適化」の視点も意識すると、さらに良いということです。  

 

経営用語の4P(製品、価格、販売促進、立地)も論理的に整合性を持たせる、つまり、「全体最適化」が重要です。  

 

「全体最適化」の他の話では例えば、長期的にコスト全体を賄えなければ、事業が継続できないのに固定費の一部を賄いたいと言い、目先の契約獲得に走る話があります。  

 

長期を見据えた変革は難しいのです。  

 

目先のビジネス獲得と、将来への備えを両立させることが必要です。  

 

また、「全体最適」と「部分最適」は違います。

 

「全体最適」は社長がすべてを知って意思決定すると考えられがちですが、そんなことはありません。  

 

社長はすべての事業部門、部署、現場を知るのは無理です。  

 

なので、現場と橋渡しをするミドル層(中間管理職含む)と連絡を密にします。  

 

このあたりの事情が、「ダークサイドスキル」という本に書かれています。  

 

ミドルが「部分最適」、つまり、自分の部門だけの利益を考えて、トップに伝えたら、トップの判断に狂いが生じ、「全体最適」になりません。  

 

いわば、ミドルの動向がカギを握っているのです。  

 

しかし、ミドルも時間軸を考えたら、トップは10年ぐらいでいなくなるかもしれませんが、自分たちは20年以上いる可能性があるので会社が傾いたら、自分たちも損害を被ります。  

 

なので、ミドルもある程度、きちんと報告をしないといけない誘因があります。  

 

いくらミドル層が短期的に業績が悪いことを隠して、トップに責められることを防いでも、業績悪化が長年続けば、自分たちが長年いる会社が傾いてしまい、路頭に迷う可能性があります。  

 

ミドル層の人でも業績が悪いときにうまく根回しをして、自分が大立ち回りを演じて、のちに出世し、役員になった人もいます。  

 

その業績の悪い間、ほとんどの人が自部門の「部分最適」しか考えていなかった、つまり、保身に回っていたときにその人は人と違うことをしていたから出世をしたのです。  

 

大企業では「ミドル層がカギを握る」という話でした。  

 

ではこの辺で。(6155文字)  

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。  

 

参考・引用文献。  

 

「イノベーションの壁」

 

「確率思考の戦略論」

 

「ダークサイドスキル」

 

参考引用文献がわからなくなったので、僕の「俯瞰経営学」で参考にした本は全冊載せておきます。

 

参考・引用文献。

「27歳からのMBA グロービス流リーダー基礎力10」

「正解が見えない課題を圧倒的に解決する超仮説思考」

「超・検証力 その仮説は本当に成果を出せるのか?」

「世界市場で勝つルールメイキング戦略」

「ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか」

「ビジネスモデルナビゲーター」

「リクルートのすごい構創力」

「0to100会社を育てる戦略地図」

「世界最高峰の頭脳集団NASAに学ぶ決断技法」

「数学嫌いの人のためのすべてを可能にする数学脳のつくり方」

「文系が20年後も生き残るためにいますべきこと」

「マッキンゼーが予測する未来」

「RPA革命の衝撃」

「日本流イノベーション」

「統計学が最強の学問である ビジネス編」

「入社10年分の思考スキルが3時間で学べる」

「大前研一IoT革命」

「新富裕層の研究」

「ビジネスで使える経済予測入門」

「定量分析の教科書」

「稼ぐ人財のつくり方」

「社員20人なのに新卒採用に1万人が殺到。日本一学生が集まる中小企業の秘密」

「リーダーの基準」

「INNOVATION PATH イノベーションパス」

「イノベーションの壁」

「確率思考の戦略論」

「未来を味方にする技術」

「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」

「あなたの会社が最速で変わる7つの戦略」

「ビジネスモデル思考 既存ビジネスから「イノベーション」を生む7つの視点」

「賢い企業は拡大主義より永続主義」

「なぜデータ主義は失敗するのか?」

「戦略にこそ「戦略」が必要だ」

「手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略」

「カスタマーセントリック思考」

「日本企業で本当に役立つマーケティング7つの原則」

「機会発見」

「パラノイアだけが生き残る」

「超一流のアイデア力」

「経営とデザインの幸せな関係」

「降りてくる思考法」

「マーケティング零」

「ダークサイドスキル」

「なぜ良い戦略が利益に結びつかないのか」

「図解&事例で学ぶWebマーケティングの教科書」

「なぜか売れるの公式」

「物語戦略」

「デジタル・トランスフォーメーション」

「ビジネス・リノベーションの教科書」

「シリコンバレー発アルゴリズム革命の衝撃」

「役員になれる人の「数字力」使い方の流儀」

「「経営の定石」の失敗学」

最新情報をチェックしよう!