初心者のための経営学の教科書「俯瞰経営学3」PART4

どうも、武信です。(No333)  

 

「フィクサーによる日本教育改革本」も教育の全体図・俯瞰図でしたが、経営学でも俯瞰図を作ろうという野心で作ったのが本書です。  

 

「フィクサーによる日本の教育改革本」も教育業界に影響を与えていると思われますが、この俯瞰経営学も多少は影響を与えているかもしれません。  

 

作り始めたのは3年くらい前ですし、まだ未完成ですが、出版社らにパクられまくり、新規性がなくなったので、無料で公開します。  

 

「俯瞰経営学3」のPART4です。

 

本編はここからです。  

 

前置き編が終わって、ようやく本編に入ります。  

 

ここからが僕の経営学の俯瞰全体地図です。  

 

 

9 マーケティング(価値の話)

 

ここからは、「ビジネス・リノベ―ションの教科書」を参考にしてまとめました。  

 

本質的な価値の話になりますと、機能性価値感性価値(情緒価値)の2つがあります。  

 

機能性価値。 お金を払ってもらいやすいが、大きな利益は取れない。

暑い、寒いという服の特徴。  

 

感性価値。その価値を認める層は限られるが信者には多くの対価を払ってもらいやすい。

似合う、かわいい、流行っているなどの価値。  

 

「機能性価値×感性価値」になりますと、機能性価値で売っているモノは感性価値を加えると、その価値を大幅に向上させられますし、感性価値で売っているモノは機能性価値を加えると、その価値を大幅に向上させられます。

 

例。ユニクロのフリースは「インナーで温かいというモノ」がなかったところに、「軽くて暖かい」という、感性価値が主流だった市場に、機能性価値を加えたことで、大人気になりました。  

 

次に、「有形物×無形物」になりますと、実態・形があるものは形のないモノを加えることで、その価値を大幅に向上させられますし、実態・形がないモノは形のあるモノを加えることで、その価値を大幅に向上させられます。  

 

前者は実態・形があるモノ(モノ)と、形のないモノ(ストーリー)の例があります。  

 

開発秘話を公開すると、ファンが増えます。「モノからコトへ」ですね。  

 

後者は実態・形がないモノを象徴化する(形のあるモノを加える)ことで、表現したクレジットカードのランク別の色分け(シルバー、ゴールド、プラチナ、ブラックなど)や賞状がありますね。  

 

さらに、実態・形があるモノ(有形物)に、形のないモノ(無形物)を加えて、価値を大幅に向上させた上に、その大幅に向上させた価値を象徴化すること(形があるモノにすること)で、もっと価値を上げる手法があります。  

 

具体例はおまんじゅうです。  

 

おまんじゅうがおいしくて評判になると、そのおまんじゅうが贈り物として人気になり、こだわりのあるストーリーも加わり、お店がブランド化するという話です。  

 

まとめますと、モノを売っている人は、そこにストーリーやサービスを加えるなどすると良くて、サービスを売っている人は、そのサービスの良さを象徴するようなモノを用意すると良いということです。  

 

10 マーケティング(UI&ベネフィット&宗教消費)

 

顧客体験で重要なのが、スマート端末やWebなどでのUI(ユーザーインターフェイス)と言われています。  

 

ECサイトでは、顧客が途中で購買を諦める離脱率を下げることは重要です。  

 

そのためには、UIの使いやすさを追求する必要がありました。

 

iPhoneが従来の携帯と違っていたのは、デザインでしょう。  

 

さらにUIも追求し、わくわくする顧客体験を届けました。  

 

顧客が本質的に求めているのは、次の3つのベネフィットでも整理できます。  

 

「デジタルトランスフォーメーション」という本のP153、154から引用します。  

 

機能的ベネフィット。 製品やサービスの持つ機能からもたらされる利便性(多機能、軽い、早い、カラフル、美味しい、頑丈、儲かるなど)  

 

情緒的ベネフィット。 製品やサービスからもたらされる心地よさ、感情(信頼感、安心感、納得感、高級感、開放感、興奮、感動など)  

 

自己表現ベネフィット。 製品やサービスを通じて増幅できるアイデンティティ、社会的ステータス(著名人と同じものを持てる、流行の先端である、自慢できる、成長できる、理想に近づける、自分の価値が高まるなど)。以上、ここまで。  

 

前に挙げた、「欲求」「効用」(「物理的な効用」と「意味的な効用」)とベネフィットは似ている概念ですね。  

 

これらの概念の他に、最近提唱されているのが「宗教消費」というものです。  

 

大量生産・大量消費時代顕示消費時代(ブランド商品などステータスの違いが購買動機)→社会的消費時代(ロハス、スローフード、エコロジーなど、正しい消費が購買動機)を経て、宗教消費時代が到来したといいます。  

 

社会的消費が到来していた理由には、文化の成熟と経済の低成長や健康志向の高まりなどが挙げられます。  

 

その次の時代の概念、宗教消費とは「カリスマを消費すること」と言えます。  

 

有名サロンや有料メルマガ(ホリエモンや藤沢数希氏など多数)や、ある歌手などに貢ぐことなどが挙げられます。  

 

会社や人間関係での悩みなどを、誰かに救って欲しいという思いから、カリスマにすがる心理があります。  

 

11 マーケティング(ターゲット層&TPOに基づく市場のセグメンテーション&One-to-Oneマーケティング)

 

また同時に、欲求を満たす層や用事を解決してあげる層も、考える必要があります。  

 

全ての人を満足させる製品やサービスは作りづらいのです。  

 

誰をターゲットにするかはきちんと考えます。  

 

「何を」「誰に」の「開発段階」の、「誰に」を深堀りしますね。  

 

マーケティング用語で言うSTP(セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニング)です。  

 

「誰に」より「何を」を先に優先したのは、「誰に」が先の発想だと、製品やサービスの発想の自由度が下がるからです。  

 

まず、「何を」から考えることで自由に発想し、「誰に」届く製品やサービスなのか見極めます。  

 

そして、自社の資源で提供できる製品やサービスで、自社のブランドの想定に収まる層に届けるものなら、売ればいいと思うのです。  

 

「誰に」から発想したら、製品やサービスの発想の自由度が下がると思います。  

 

もちろん、狙ったターゲットを狭めて、集中したいならば、それもありでしょう。  

 

セグメンテーションの際、属性によって分類する手法はよく採られます。  

 

金融機関が年齢層別、所得階層別に、消費者の行動を分けて、ダイレクトメールの内容を変えるという例もあります。  

 

次に、ニーズによって顧客を分類する手法があります。  

 

例えば、アパレルメーカはコンサバからアバンギャルドまで、消費者のニーズをセグメント分けして、商品企画を考えます  

 

アバンギャルドの統計データを入手できないので、分析は主観的になりますが、属性による分類よりは差別化の切り口が多くなります。  

 

属性とニーズの手法はありがちになってきており、今、注目されているのがTPOに基づく市場のセグメンテーションです。  

 

コンビ二のシュークリーム(1個100円)のターゲット層は、学校帰りの中高生です。  

 

対して、横浜の超人気ケーキ屋さんのシュークリーム(1個600円)のターゲット層は、富裕層のギフト目的なのです。  

特定の場所、時間帯、目的によって、ターゲット層を定義するのがTPOによるセグメンテーションです。  

 

属性ニーズTPOの順に、分類分けがしにくくなっていきます。  

 

しかし、分類分けがしにくい層を狙うことができれば、売上を大きく伸ばせる可能性が高まります。  

 

さらに、最近では、属性・ニーズ・TPOを超えた「誰に」のセグメンテーション手法があります。  

 

ビッグデータ分析による、One-to-Oneマーケティングの手法のことです。  

 

書いていきますね。  

 

「誰に」の話で、「商品やサービスは最大公約数などの一般向けや汎用品か、個別にオーダーメイドされたり、カスタマイズされたものか」の違いがあると思います。  

 

特定の層にターゲットを絞って、商品やサービスを届ければ、それは宣伝費が少なくて済んだり(大衆向けのTVCMを打つ必要がなくなるので)、確実にその特定の層の欲求を満足させやすくなり、購買のリピート率や定着率が高くなる可能性はあります。  

 

対して、汎用品や一般向け商品ですと、誰をターゲットとしているのか不明瞭になり、ぼやけます。  

 

PCやスマートフォンはもはや汎用品に近く、デザインや機能でもなかなか差別化が難しいでしょう。  

 

もちろん、高齢者向けの「らくらくスマホ」など、特定の層を狙った製品もありますが。  

 

「誰に」という意味では、理想の製品やサービスとしては、その人個人を完璧にターゲットとすれば、製品は売れやすいのは間違いないでしょう。  

 

ここで、統計学の話をします。  

 

僕の自著「人生観を超速で広げ、有利に生きよう」からの抜粋です。  

 

ところで、最近の統計学は先を進んでいて、個別の顧客にオーダーメイドに提案することも可能です。  

 

Amazonやアフィリエイトの広告は、その人自身のデータを集めて、広告やお薦めをしてきます。  

 

レコメンデーションと呼ばれます。  

 

マーケティング用語では、One-to-Oneマーケティングと呼ばれます。  

 

顧客一人ひとりの趣味嗜好や属性といったパーソナリティを把握し、過去の購買・閲覧履歴なども参考にして、「その顧客専用のおすすめ」と思わせるアプローチで、パーソナライズされた情報提供を行います。

 

One-to-Oneマーケティングの手法のひとつに、「行動ターゲティング広告」があります。  

 

顧客の行動に関する情報を収集し、それをもとに顧客の趣味などを推測して、「パーソナライズされた情報」という形で広告を表示する手法です。  

 

元々、特殊解が理想です。  

 

平均や中央値や最頻値などは目安にはなっても、特殊解にはなっていません。  

 

そういう意味で、ビッグデータを扱った統計学というのはマーケティング的に、かなり良い線を行っていると思います。  

 

ただし、オーダーメイドの提案は顧客がプライバシーを侵害されている感覚を受けやすいです。  

 

自分のことが全て調べつくされていると感じるからでしょう。  

 

そういう点も考慮しておく必要があります。以上、ここまで。  

 

特殊解、つまり、個々の顧客それぞれの欲求を満たす製品やサービスを作れば、売れる確率は高まるでしょう

 

ですが、個々にカスタマイズした製品ということはかなり難しいです。

 

製造コストが跳ね上がるからです。  

 

よって、スマホでもPCでも、製品自体は汎用品にし、ソフト(アプリなど)だけカスタマイズできるようにしています。  

 

「誰に」という視点で言えば、個々それぞれの特殊解を適用した方が売れやすいのです。  

 

ではこの辺で。(5621文字)  

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。  

 

参考・引用文献。  

 

「ビジネス・リノベ―ションの教科書」

 

「デジタルトランスフォーメーション」  

 

参考引用文献がわからなくなったので、僕の「俯瞰経営学」で参考にした本は全冊載せておきます。  

 

参考・引用文献。

「27歳からのMBA グロービス流リーダー基礎力10」

「正解が見えない課題を圧倒的に解決する超仮説思考」

「超・検証力 その仮説は本当に成果を出せるのか?」

「世界市場で勝つルールメイキング戦略」

「ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか」

「ビジネスモデルナビゲーター」

「リクルートのすごい構創力」

「0to100会社を育てる戦略地図」

「世界最高峰の頭脳集団NASAに学ぶ決断技法」

「数学嫌いの人のためのすべてを可能にする数学脳のつくり方」

「文系が20年後も生き残るためにいますべきこと」

「マッキンゼーが予測する未来」

「RPA革命の衝撃」

「日本流イノベーション」

「統計学が最強の学問である ビジネス編」

「入社10年分の思考スキルが3時間で学べる」

「大前研一IoT革命」

「新富裕層の研究」

「ビジネスで使える経済予測入門」

「定量分析の教科書」

「稼ぐ人財のつくり方」

「社員20人なのに新卒採用に1万人が殺到。日本一学生が集まる中小企業の秘密」

「リーダーの基準」

「INNOVATION PATH イノベーションパス」

「イノベーションの壁」

「確率思考の戦略論」

「未来を味方にする技術」

「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」

「あなたの会社が最速で変わる7つの戦略」

「ビジネスモデル思考 既存ビジネスから「イノベーション」を生む7つの視点」

「賢い企業は拡大主義より永続主義」

「なぜデータ主義は失敗するのか?」

「戦略にこそ「戦略」が必要だ」

「手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略」

「カスタマーセントリック思考」

「日本企業で本当に役立つマーケティング7つの原則」

「機会発見」

「パラノイアだけが生き残る」

「超一流のアイデア力」

「経営とデザインの幸せな関係」

「降りてくる思考法」

「マーケティング零」

「ダークサイドスキル」

「なぜ良い戦略が利益に結びつかないのか」

「図解&事例で学ぶWebマーケティングの教科書」

「なぜか売れるの公式」

「物語戦略」

「デジタル・トランスフォーメーション」

「ビジネス・リノベーションの教科書」

「シリコンバレー発アルゴリズム革命の衝撃」

「役員になれる人の「数字力」使い方の流儀」

「「経営の定石」の失敗学」

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