初心者のための経営学の教科書「俯瞰経営学2」PART1

どうも、武信です。(No322)  

 

「フィクサーによる日本教育改革本」も教育の全体図・俯瞰図でしたが、経営学でも俯瞰図を作ろうという野心で作ったのが本書です。  

 

「フィクサーによる日本の教育改革本」も教育業界に影響を与えていると思われますが、この俯瞰経営学も多少は影響を与えているかもしれません。  

 

作り始めたのは3年くらい前ですし、まだ未完成ですが、出版社らにパクられまくり、新規性がなくなったので、無料で公開します。  

 

「俯瞰経営学2」のPART1です。

 

本編はここからです。  

 

前置き編が終わって、ようやく本編に入ります。  

 

ここからが僕の経営学の俯瞰全体地図です。  

 

 

0 本編の概要

 

では本題に入っていきます。  

 

経営学の構造は、まず経営戦略があり、次に人的資源管理、さらにマーケティング、最後にオペレーションがあります。  

 

ここに会計・ファイナンスも加わります。  

 

経営戦略とは外部環境の分析(どこの市場で戦うか?や、世の中の将来の予測シュミレーションなど)や、自社のケイパビリティや、社内資源の強みなどです。  

 

外部環境の分析には、PEST分析PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)や、SWOT分析や、ポーター教授のファイブフォースなどがあります。  

 

次に、人的資源管理は、「優秀な人材を採用することが自社を強化する」という意味から、人材採用の秘訣を考える分野です。  

 

そして、マーケティングです。  

 

マーケティングの基本は、「何を」「誰に」「どうやって売るか」です。  

 

最後に、従業員のオペレーションがあります。  

 

従業員がきちんと日々の業務をこなしてこそ企業は評価されます。

 

そこには従業員のモチベーションを上げる秘訣や、マネジメントなどが含まれます。  

 

捕捉として、会計があり、企業の金の動きなどが一目瞭然となります。

 

会計を理解しておくと、数字として企業の動きが分かります。  

 

「売上げのどの部分が弱いのか?どこにボトルネックがあるのか?」なども把握できるでしょう。

 

これらの分野を細かく見ていくことで、経営学を俯瞰して見ていこうと思います。  

 

経営学の全体像であり、俯瞰図です。  

 

目次。

1  経営戦略 (外部環境分析や将来予測シュミレーションなど)

2  人的資源管理(採用、育成など)

3  マーケティング(「何を」「誰に」「どうやって売るか」など)

4  オペレーション(マネジメント含む)

5  会計・ファイナンス

 

主に1と3をまとめると、構想になります。  

 

構想を実現するために、2と4が必要です。  

 

構想の補足手段として、5があります。  

 

では見ていきましょう。  

 

1  経営戦略(外部環境分析 総資本利益率、産業別の平均給与、時価総額)

 

外部環境の分析についてです。

 

「どこの産業で戦うか?」はかなり重要です。  

 

例えば、経済産業省の企業活動基本調査によると、総資本利益率は以下のようになっています。(平成25年度)

 

1位 インターネット付随サービス業 9.7%

2位 輸送用機機器製造業 6.3%

3位 家具・建具・じゅう器小売業 6.1%

4位 鉱業、採石業、砂利採取業 5.5%

5位 医薬品・化粧品小売業 5.2%

6位 業務用機械器具製造業 5.1%

7位 学術研究、専門・技術サービス業 4.8%

8位 ゴム製品製造業 4.6%

9位 化学工業  4.6%

10位 個人教授所 4.5%

以下略。  

 

インターネット付随サービス業の利益率が圧倒的ですね。  

 

次に、自動車メーカーなどの輸送用機械器具製造業が続きます。  

 

他に、家具の小売業、鉱業、医薬品・化粧品メーカー、業務用機械器具製造業など、平均的に高い利益率を誇る産業があります。  

 

このように、どの産業で戦うか?は重要です。  

 

かといって、「利益率が高いIT産業にどんどん移れ」といっても、上手くいく保証はありません。

 

IT産業はソーシャルゲームなどが主に、利益率の平均を上げているのであり、それを除いた会社は、それほど高くないかもしれないのです。  

 

ソーシャルゲームを利用するわけでもないのに、「ITがブームだから」という理由で参入したら、それほどの利益率を上げられない可能性もあるのです。  

 

また、「テクノロジーがすべてを塗り替える産業地図」からまとめます。  

 

まず、興味深いデータを紹介します。(2016年の国税庁の「民間給与実態統計調査)  

 

1年を通じて、勤務した給与所得者全体が4869万人いる中で、給与所得が1000万円を超える人の数は208万人と、全体のわずか4%です。  

 

さらに細かく見ると、1000万円超で1500万円以下が152万人、1500万円超2000万円以下が34万人、2000万円超2500万円以下が11万人、2500万円超が12万人となっています。P23。  

 

日本の給与所得者の平均給与は421.6万円(平均年齢46.0歳)であり、男女別で見ると、男性が521.1万円(同45.9歳)、女性が279.7万円(同46.1歳)となっています。  

 

さらに、平均給与のうち、正規雇用が486.9万円、非正規雇用が172.1万円です。  

 

2006年の平均給与は、434.9万円(平均年齢44.2歳)であり、2016年との比較だと、平均年齢が上昇しているにもかかわらず、平均給与は低下しています。  

 

また、非正規雇用は上昇していて、正規雇用の減少分を穴埋めしており、2002年と2016年で比較すると、正規雇用労働者数は122万人減少していますが、一方で非正規雇用者労働者数は570万人以上増えています。  

 

その非正規雇用労働者の増加数の中心が、年齢層別に言うと、55歳以上の世代なのです。  

 

2002年の非正規雇用労働者のうち、55歳以上の比率は、全体の23%だったのが、2016年には35%に達しており、実に12%増加しています。  

 

一方で、34歳以下の非正規雇用労働者数は、36%から26%へと10%ポイントの減少となっています。  

 

つまり、非正規雇用労働者数が大きく伸びているだけでなく、その伸びは55歳以上を中心に起こっており、年齢構成が若年層から、より高年齢層にシフトしつつあると言えるのです。  

 

「55歳以上64歳以下」の労働者数は2007年以降横ばいですが、非正規雇用比率は年々上昇しており、2014年の48%をピークにして、2016年は47%と半分近くの労働者が非正規雇用となっています。

 

65歳以上の非正規雇用労働者比率は75%です。  

 

女性に関しては、2002年では非正規雇用労働者比率は49%だったのが、2016年には56%に達しました。P94~98。  

ここまでの知識を頭に入れた上で、産業別の平均給与を見てみましょう。  

 

産業別の平均給与

 

1位 電気・ガス・熱供給・水道業。769.4万円

2位 金融業/保険業。625.9万円

3位 情報通信業。574.8万円。(通信会社まで含めれば3位までで「守られた」規制産業)

4位 学術研究/専門・技術サービス業/教育/学習支援業。502.7万円

5位 製造業。492.82万円

6位 建設業。473.2万円

7位 不動産業/物品賃貸業。441.4万円

8位 運輸業/郵便業。422.6万円

9位 複合サービス事業。421.8万円

10位。医療/福祉。388.5万円

11位 サービス業。341.1万円

12位 農林水産・鉱業。294.4万円

13位 宿泊業/飲食サービス業。234.3万円。  

 

公務員の年収は、東京都の職員の平均給与が730.6万円(平均年齢40.7歳)です。  

 

ともかく守られた産業というのは競争が緩いので、比較的、高給なのです。P29~31。  

 

ですが、守られた産業ではない??総合商社大手の三菱商事の平均給与は1386.3万円(平均年齢42.5歳)、三井物産は1214万円(平均年齢42.4歳)、伊藤忠商事は1384万円(同41.5歳)となっており、高給です。P23。  

 

キーエンスという企業は、上場企業で最も高い給与として有名であり、平均給与は1861万円です。(2017年3月20日時点)  

 

従業員数は2100人超であり、従業員の平均年齢は36.1歳と若いです。  

 

同社の株式時価総額は8兆円近くあり、同じ業種のソニーの時価総額が6.9兆円であることを考えると、評価の高さがわかるでしょう。P25、26。  

 

逆に、平均給与が低い産業は「宿泊/飲食サービス業」の234.3万円であり、その上が「農林水産/鉱業」の294.4万円、さらにその上が「サービス業」で341.1万円です。  

 

第1次産業と第3次産業の一部の平均給与が低いといえます。P31、32。  

 

「早稲田大学と慶應義塾大学の卒業生の就職先」の詳細はP34以降に書かれているので興味がある方はぜひ。

 

総資本利益率産業別の平均給与については見てきましたが、次に時価総額も見てみましょう。  

 

東証1部33業種の時価総額比率

 

1位 電気機器。

2位 輸送用機器(自動車・自動車部品など)

3位 情報・通信業。

4位 化学。

5位 銀行業。

6位 小売業。

7位 機械。

8位 サービス業。

9位 卸売業(商社など)

以下、24個続く。  

 

9位までで、時価総額全体の約60%を占めています。  

 

9業種の中には学生に人気があるメガバンク・商社・自動車メーカーが含まれています。P39、40。  

 

さらに、主要業種の代表的企業の単体従業員数(2016年度)を載せます。  

 

自動車。トヨタ自動車。7万3875人

電気機器。パナソニック。5万7484人

銀行。三菱UFJ銀行。3万4276人

機械。三菱重工業。1万6824人

情報通信。NTTドコモ。7609人

化学。住友化学。5867人

商社。三菱商事。5217人

小売業。ローソン。4217人

サービス業。オリエンタルランド。3146人。  

 

これらを見ると、誰もが知る大企業と一口にいっても、産業や会社によって従業員数が大きく違うことがわかります。P44、45。  

 

従業員数に関してはP45以降を参考にしてください。  

 

テクノロジーの世界で10年以上の先を読むことは難しいですが、「事業の好不調によって雇用できる従業員数が決まってくる」という事実はあります。P47。  

 

つまり、産業別で利益率は違いますし、守られた規制産業は平均給与が高いですし、従業員数という要素も参考になるという話でした。  

 

ではこの辺で。(4477文字)  

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

  あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。

 

参考・引用文献。

 

「統計学が最強の学問である ビジネス編」

 

「テクノロジーがすべてを塗り替える産業地図」

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