初心者のための経営学の教科書「俯瞰経営学2」PART7

どうも、武信です。(No328)  

 

「フィクサーによる日本教育改革本」も教育の全体図・俯瞰図でしたが、経営学でも俯瞰図を作ろうという野心で作ったのが本書です。  

 

「フィクサーによる日本の教育改革本」も教育業界に影響を与えていると思われますが、この俯瞰経営学も多少は影響を与えているかもしれません。  

 

作り始めたのは3年くらい前ですし、まだ未完成ですが、出版社らにパクられまくり、新規性がなくなったので、無料で公開します。  

 

「俯瞰経営学2」のPART7です。

 

本編はここからです。  

 

前置き編が終わって、ようやく本編に入ります。  

 

ここからが僕の経営学の俯瞰全体地図です。  

 

 

9 人的資源管理(「0to100会社を育てる戦略地図」からの引用・まとめ)

 

人的資源管理の続きです。  

 

「0to100会社を育てる戦略地図」からの引用・まとめです。  

 

主に、(10→30)(ジュウサンジュウ)の段階の採用についてです。  

 

採用をする理由は、そもそも会社の足りない部分を補うためです。

 

しかし、「何が足りないのか」が明確に分かっていない会社もあるようです。  

 

言わば「ほしい人材像」が明確になっていないのです。  

 

ウェブデザイナーを採用するときは、「ここのデザインがイマイチ納得できないのですが、あなただったらどのようにデザインしますか?」という質問をするべきです。  

 

営業担当者を採用するときは、「この商品の売り上げを来期までに今の2倍にしたいのですが、どうしたらいいと思いますか?」という質問です。  

 

具体的な問いに対して、具体的な提案ができる人こそ、まさに「良い人材」と言えるのです。  

 

こちらが何を求めているかという「具体的な要件」を明確にしないと、採用の精度は上がりません。  

 

「今の業務のどこに問題があるのか」「どこを改善したいのか」といったことを整理し、会社全体を俯瞰しながら、「どの部分を補強しなければいけないのか」「理想のチームをつくるためには、どういう人に仲間になってもらえばいいのか」といったことを考え、それが相手に対する具体的な質問になるまで、掘り下げていきましょう。

 

ちなみに、著者は客観的に自社の状況を捉えるチカラを、「自己認識力」と呼んでいるそうです。  

 

採用の失敗について著者は「中途採用したメンバーが3ヶ月未満という短期間で離職してしまっていないかどうか?」が一つの目安になるといいます。  

 

採用時の面談のコツは以下です。  

 

こちらが依頼したい業務、求めているスキル、本人のこれまでの経験、得意分野などを、面談を通して、丁寧に確認していくことです。  

 

ただ、業務やスキルに関する質問以上に大切なのは、その人の「パーソナリティ(人柄)」を把握できるような質問を投げかけることです。  

 

「あなたは目新しさや斬新さを好みますか?それとも伝統や堅実さを好みますか?」  

 

「「あなたは行動してから考えるタイプですか?行動する前に熟考するタイプですか?そのどちらでもないですか?」  

 

「あなたは自分から積極的に行動するほうですか?全体の動きに追随するほうですか?そのどちらでもないですか?」  

 

これは一例ですが、このような質問は人柄を捉える意味で、効果的です。  

 

パーソナリティをはかる質問をする理由は、既存の社員のカラー(人柄や性質)に、できるだけ近いタイプの人材を採用するためです。  

 

この段階で重宝する人材は、こちらが求める専門スキルを持っていて、かつ今の会社のカラーに近い人物なのです。  

「多様性」はこの段階では考える必要はありません。  

 

制度設計をより詳しく学びたい実務担当の方は「労働法実務相談シリーズ」(労務行政)という書籍が良いそうです。

 

労使協定や就業規則、解雇など、労働法にまつわる事細かな内容がわかりやすくまとまっているといいます。以上、ここまで。  

 

 

10 「社員20人なのに新卒採用に1万人が殺到。日本一学生が集まる中小企業の秘密」からの引用・まとめ。

 

人的資源管理のさらに続きです。  

 

「社員20人なのに新卒採用に1万人が殺到。日本一学生が集まる中小企業の秘密」という本からの引用・まとめをします。  

 

2019年3月卒業予定の大学生に対する求人倍率は、1.88倍です。(2012年の1.23倍と比較して0.65ポイント高まっています)  

 

つまり、空前の売り手市場です。  

 

その中でも、従業員が300人未満の中小企業に限ると、2019年3月卒の求人倍率は9.91倍です。  

 

これは学生が従業員300人未満の中小企業に就職しようとすれば、一人の学生に対して10社が内定を出すという、モテぶりを表しています。  

 

一方、従業員が1000人以上の大企業の有効求人倍率は0.37~0.7倍であり、大企業に就職を希望する学生の場合は、3人に1人しか内定が出ないという牛小企業とは逆転した状況になっています。  

 

しかし、著者が経営するLegaseed(レガシード)は、創業5年目で、社員が20人という規模の企業ですが、2018年卒の新卒採用活動では年間で1万2000人の学生から応募をもらい、その中から選りすぐった5名を採用したそうです。  

 

また、楽天が運営する口コミ就職情報サイト「Rakutenみん就」では、2019年の「インターン人気企業ランキング」で32位であり、これは大企業も含めた全体の順位で、中小企業では第1位、人材業界部門でも1位となっているそうです。P2。

 

この本では、中小企業の優秀な人材を採用する秘訣を書いています。(大企業の方も参考になるでしょう)  

 

さて、日本には約400万社の会社がありますが、社員を採用している会社はそのうち約250万社です。

 

残りの約150万社は個人事業主か、家族で経営しているお店です。  

 

そして、社員を採用している約250万社のうち、新卒採用を行っているのはわずか10万社0.04%しかないのです。  

つまり、99.96%のほとんどの会社が新卒採用をしていないのです。  

 

この理由は経営者が以下のデメリットを感じているからです。

 

省略。P93以降を読んでください。  

 

新卒採用のメリットも、P95以降に書かれているので本をぜひ読んでください。  

 

それでは「どうすればいい人材を採用できるのか」と言えば、採用力を鍛えることです。  

 

採用力とは、以下の掛け算で表せます。  

 

採用力企業ブランド人財戦略(人事制度)☓採用活動。  

 

人材採用における商品が企業ブランドと人財戦略(人事制度)です。  

 

営業戦略・営業力が採用活動になります。  

 

企業ブランドは企業規模商品サービス認知度イメージで構成され、「すぐには変えられない・長期的に変革していく」ものです。  

 

人財戦略(人事制度)は欲求充足度機会の担保将来性の担保で構成され、「小さな組織規模は変えやすい・中長期的に高められる」ものです。  

 

採用活動は求人プロモーション採用プロセス設計採用チームで構成され、「すぐ変えられる・今すぐ変革していく」ものです。  

 

詳しくは、P108以降をお読みください。  

 

ところで、採用活動は一人ではできません。  

 

それは5つの役割があるからです。  

 

その役割とは、「採用担当者」「リクルーター」「オペレーター」「アセッサー」「クローザー」です。  

 

詳しくはP115以降を。  

 

リファラルとは、日本語で「紹介・推薦」という意味で、リファラル採用とは「一般的に、社員に知人や友人を紹介・推薦してもらう採用手法」のことです。  

 

アメリカでは、グーグルやフェイスブックなどのIT企業をはじめ、約85%の企業で導入されており、日本でも既に浸透し始めています。  

 

このリファラル採用は、日本での「コネ採用」「縁故採用」とは違い、紹介された人でも通常の選考プロセスを受けてもらいます。  

 

リファラル採用は、社内環境をよく知る社員がその環境に合いそうな人材を紹介するため、通常の採用に比べ会社とのマッチングの精度が高くなります。  

 

また、入社後も紹介者に相談することができるので、定着率も高いことが特徴です。P140、141。  

 

詳しくはP141以降を確認してください。  

 

この本は採用担当者なら買いだと思います。  

 

また、人間の欲求の強さの違いにより、自社の強みの何を伝えるのかを変えて、その人材との関わり方を変えます。P177、178。  

 

5つの基本的欲求。  

 

生存。健康で長生きしたい。ゆっくり寝たい。安定した収入を得たい。保障を得たい。

 

愛・所属。愛し愛されたい。大切に扱われたい。人と一緒にいたい。仲間の一員でありたい。

 

。認められたい。昇進・昇格したい。自分の価値を証明したい。達成したい・勝ちたい。

 

自由。権限が欲しい。仕事を任せてもらいたい。ノルマから開放されたい。拘束されたくない。

 

楽しみ。楽しませるのが好き。好奇心があり興味が広い。学んで成長したい。好きな仕事をしたい。  

 

欲求充足ができる時間は優先順位があがる。  

 

1 ひとりひとりの欲求の強さに違いがある

2 欲求が満たされる環境や人間関係を願望に入れる

3 願望に入っているものは行動の優先順位が高くなる

4 優先順位が高くなる=時間を多く使うことになる

5 好きな状態を繰り返すと、さらに好きになっていく。  

 

詳しくは本書で。  

 

著者が経営するLegaseed(レガシード)では、以下のことをやっています。  

 

言葉の定義をすり合わせる「早期勉強会」。  

 

早朝に勉強会を開いており、その中身が言葉の定義をすり合わせることなのです。

 

例えば、「今日中」とは23時59分ではなく、レガシード用語では16時まで。  

 

「行動」とは、すぐやる、ちゃんとやる、できるまでやること、などです。  

 

ほかにも至急と大至急の違いや、成長と膨張の違い、求める人材要件、クレームなど、社内で使われている言葉の一つひとつの意味合いを確認し合っているそうです。  

 

一つの単語でも意味の取り方が人によって違うと、会話が成り立たないですし、言葉が揃うと安心して任せることができるので言葉の定義を共有しているのです。P234、235。以上、ここまで。  

 

加えて、「人事と採用のセオリー」の本はオススメです。  

 

 

11 「プロの人事力」からの引用・まとめ。

 

さらに、人事の全体図・俯瞰図系の本を探している人には、「プロの人事力」という本がオススメです。(約3000円以上する高い本です)  

 

人事担当者の成長という視点からアプローチしており、人事担当者になったら、まず知っておきたいことが網羅されています。  

 

僕は読んでみて、「人事担当者って思ったよりも幅広い知識が必要なんだなぁ」と実感しました。  

 

人事といえば、「採用や面接」というイメージがある人は読んだ方がいいかもです。  

 

本書に書いてある「人事担当者に求められる能力」の図を載せておきます。  

 

詳しくは本書をお読みください。  

 

理念・社内理解。  

経営理念を自らの言葉で熱く語れる。

自社の人事ポリシーを網羅的に構築・理解し、各施策が人事ポリシーに則っているかを検証できる。

過去から現在までの社内のことをよく理解している。

経営陣・経営幹部層との信頼ある人的ネットワークを持っている。

組織構成と職務分掌を理解している。

社員個々人のことを知っている。

自身のキャリアビジョン・キャリアプランを持ち、熱く語れる。    

 

人事制度構築(等級・評価・給与)

人事制度の構成要素を理解し、相互を関連付けながら設計できる。

人事制度構築に当たって、労働法規等に準拠して制度に反映できる。

人事制度を周知できる。    

 

人事制度運用。

 

等級制度・評価制度・給与制度を運用できる。

評価制度を運用し、公正な評価調整を主導できる。

評価者への教育ができる。

昇格・降格の調整と運用ができる。

給与改定・賞与決定を主導できる。

必要であれば人事制度を適宜改定し、導入・運用ができる。    

 

採用。

採用市場の動向を理解している。

適切な採用手法(媒体・エージェント等)を選択・決定できる。

応募者を適切に選考できる。

選考に当たって、自社に有用な人材を見極められる。

応募者を意識づけできる。

人材を見極める要素を理解している。    

 

人材配置。

業績向上と人材育成を考慮した人材配置(人事異動)戦略を策定できる。

組織構成に基づき、適切な人事異動・配置案を策定できる。

配置に当たって各種施策(自己申告制度)を展開できる。

人事異動調整を経営・各部門と行い、人事異動を完了できる。    

 

勤労・労務。

社員の個別労務案件への対応ができる。

うつ・セクハラなどさまざまな問題のリスクを理解し、適切な対応ができる。

労働基準監督署・公共職業安定所など公的機関への対応ができる。

賞罰を適切に運用できる。

必要な人事面談をトラブル収束のために適切に実施できる。    

 

人事管理・規程。

労働法規の基本を理解している。

自社の就業規則等の規程を理解し、リスクを回避するために適宜改定できる。

労働時間管理・安全衛生管理を適切に実施できる。

リスクを予見した際に、経営・各管理職等と連絡を取り、適切に対処できる。    

 

教育。

一過性にならない網羅的な教育体系を構築できる。

人事制度と関連した汎用的教育を実施できる。

入社時教育をはじめとする階層別教育を企画・実施できる。

自身が講師として研修を実施できる。    

 

給与・厚生。

給与計算に必要な要素を理解している。

労働法規に準拠しながら、適切な時間管理と給与計算・支給ができる。

社会保険手続きを理解している。

適切な福利厚生施策を企画・導入できる。    

 

全般。

人事機能を構築し、運用した経験がある。

人事関連サービス企業・専門家と連携し、適切な支援を受けられる。  

 

以上、ここまで。P20、21。  

 

ではこの辺で。(5968文字)  

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。  

 

PART3に続きます。  

 

参考・引用文献。  

 

「0to100会社を育てる戦略地図」

 

「社員20人なのに新卒採用に1万人が殺到。日本一学生が集まる中小企業の秘密」

 

「人事と採用のセオリー」

 

「プロの人事力」

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