2020年教育改革への僕の本「フィクサーによる日本の教育改革本第2版」PART3

どうも、武信です。(No764)  

 

前回の記事が以下です。

2020年教育改革への僕の本「フィクサーによる日本の教育改革本第2版」PART2

 

フィクサーによる日本の教育改革本を2014年頃(正確には2013年に着手)から書き始めて、5年くらいかけてある程度完成させました。(2018年頃にはほぼ骨格は完成)  

 

教育改革の議論の叩き台としての役目は果たせたと思っています。  

 

ですが、所詮、1人の人間による知識・思考力には限界があり、今回、第二版を書くことにしました。  

 

いろいろと修正点が出てきたからです。  

 

教育改革は国家100年の計であり、日本が今後、繁栄していく基盤となるものです。  

 

ですが実は、この本は教育改革も扱いますが、マクロ経済やミクロの大企業の活動なども扱い、日本の国力全般を底上げすることを目指して書かれており、教育改革だけに特化した本ではありません。  

 

前作を書き終えたことで、もっと分かりやすく、コンパクトに今回の第2版では書けるかなと思って執筆する次第です。  

 

文字数約5500文字です。  

 

 

1 前回からの続き。

 

前回で現状把握をかなりしました。  

 

世の中をMECE(分類分け)して、「民間・公務員・NPO・その他(フリーランスなど)」に分けたり、「G型とL型」に分けたり、「マクロ経済とミクロ経済」の視点も書きました。  

 

さらに、以下の消費低迷説を唱えました。  

 

1 「内需だけでは限界が出てくる予想」(財政問題や高齢化問題などにより)  

 

2 「欲しいモノが少なくなったから、消費が低迷した説」  

 

3 「他国のようにネットを上手く活用しなかったから、生産性が上がらず、国際的な競争(特にGAFAなど)に敗れ、GDPが上がらなかった説」  

 

4 「供給側の論理である生産性が低い説」  

 

5 「高齢化問題による消費低迷説」と「将来の生産年齢人口の減少による供給側の生産性低下による経済が成り立たない説」  

 

まだ他にもあるかもしれません。

 

複合的な問題だということです。  

 

原因を取り除くのは、問題解決への第一歩であります。  

 

ではここからは視点を切り替えて、「供給側の論理である生産性が低い説」(デフレ下だと意味ないと言われますが、G型には必要)から、G型で活躍する民間の人材像について、「どのような人材はふさわしいか」を考察してみます。  

 

2 未来と現状から逆算した教育改革が大事。

 

ではここでは、民間(主にG型(とL型にも一部適用可能))で活躍する人材像を分析してみましょう。

 

L型は冨山和彦氏の本に任せますし、公務員・NPO・フリーランスも他の人にとりあえず任せることにします。  

 

そして、何事も逆算思考が大事です。  

 

民間で活躍する人材(主にG型(とL型にも一部適用))から逆算して、教育を語ることが重要ということです。  

 

しかし、ここで把握しておかなければならない重要論点は時間軸であり、未来(何十年後など)からの逆算もしなければならない点です。  

 

つまり、AI時代にも適応した教育改革が必要なのです。  

 

「AI時代はどのようになっているか?」をある程度未来予測した上に、AI時代の働き方(民間やG型など)を模索し、それを教育に落とし込む必要があります。  

 

AI時代には「創造力」と「予測力」と「マネジメント(経営・管理)と人間力(コミュ力含む。サービス業のもてなし)」の3つは、最低限AIに代替されにくいようです。  

 

芸術作品は簡単なものであればAIに代替されてしまう可能性はあります、それでも最後の感性の部分の判断は人間がおそらく担うでしょう。(売れる芸術や企画までも、AIが予測・的中できてしまう可能性すらありますが)  

 

予測力は未来は不確実であり、AIでもそう簡単に未来を予測できるとは思えません。  

 

マネジメントは資本主義が永続するという前提ならば、経営システムが存続するので、会社という仕組みが残り経営・管理は必要でしょう。  

 

経営・管理は人間がやる部分が多いです。(部下指導や社長の意思決定など多数)  

 

また、意思決定はAIに代替される可能性は残りますが(採用や政治や経営の意思決定も入ります)、人間の持つ予測力と意思決定もまだ、活躍する余地があるかもしれません。  

 

最後の人間力(コミュ力。サービス業のもてなし)は人間の繊細な対応が必要であり、人間の温かい温もりやコンピュータではない生の人間が必要とされているので、生き残ると思います。  

 

スポーツや将棋などの、人間バトルが売りの職業も残るでしょう。  

 

それに対して、生き残らない筆頭格が「情報処理能力を得意とした職業」でしょう。  

 

事務処理はコンピュータに任せた方が正確ですし、人間に比べてまったく疲れません。  

 

これらの知識を前提とした上で、「どういうスキルや力を教育を子どもたちが身につけるべきか」論じていきたいと思います。  

 

3 未来を担う子どもたちが身につけるべきスキルや力。

 

さて、未来を担う子どもたちが身につけるべきスキルや力を分析していきます。  

 

まず、建物を造るときにも土台がしっかりしていないと揺らぐように、人間にも土台となる力があるでしょう。  

 

階層化して示してみます。  

 

1 OS力(情報処理能力・集中力・暗記力・体力など)。 非認知能力(または性格スキル)。学習能力認知特性など。  

 

2 OS力と非認知能力(性格スキル)と学習能力と認知特性の土台の上に、専門的知識と高度スキルが作られる。(メンタルも関わる)

 

3 専門的知識は理系は細分化がされている。  

 

スペシャリスト(専門分野1つ)・ゼネラリスト・π型人材(ゼネラリストの土台の上に専門知識2つ)という風に、専門知識人は分類される。  

 

4 その他の高度スキル。  

 

AIに代替されにくい能力(創造力・予測力・マネジメント(経営・管理)・人間力(コミュ力含む。サービス業のもてなしなど多数)。  

 

意思決定能力(思考力・判断力・決断力の総称でしょう)。問題解決能力。など。  

 

また、僕なりに様々な能力を表にしてまとめてみました。  

 

創造力(学問(文系・理系)・ビジネス・芸術など)  

 

思考力(地頭力とも呼びます。論理的思考力(ロジカルシンキング・ラテラルシンキング・クリティカルシンキングなど)。哲学的思考力・数学的思考力。多面的思考力。分析力など)  

 

OS力(情報処理能力・集中力。暗記力・体力(勉強と肉体的)など)

 

非認知能力(または性格スキルと呼ぶ) 自制心・やり抜く力・好奇心など。ビッグファイブなど)  

 

メンタル力(根性・やる気・諦めない力・鈍感力など)

 

コミュ力(人間理解・価値観・世界観・ノンバーバル・人たらし力・チームワーク力・リーダーシップ力・マネジメント力など)  

 

感覚的能力(予測力・直観力・洞察力・意思決定能力(思考力・判断力・決断力の総称)・メタ認知力。気づく力・理解力など)  

 

知識(学問(文系・理系。教養との区別は不明)・ビジネス系・宗教や文化・暗黙知など)  

 

技能(表現力(文章力・絵・音楽・数式・プログラミングなど)・手先の器用さ(タイピングや彫刻など多数)・オペレーション的業務など)  

 

知能(IQ(知能指数)・EQ(心の知能指数)、SQ(精神的知能)、HQ(人間性知能)、多重知能理論(1 言語的知能 2 論理数学的知能 3 音楽的知能 4 身体運動的知能 5 視覚空間的知能 6 対人的知能 7 内省的知能 8 博物的知能 9 実存的知能 10 指導的知能)など)  

 

などでしょうか。  

 

ちなみに、有名ブロガーのちきりんも能力の分類をしていますね。  

 

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110922  「2011-09-22 未完の「能力リスト」」  

 

これらの詳しい能力は、PART3以降で語っていきます。  

 

4 教育改革の見取り図(全体図)を作るために必要な視点。

 

ここで、僕が教育を語ってもいい理由を書きます。  

 

教育は「実際に学校で働いている現場の人が語らなければダメだ!」や「大学受験で東大などの難関大学に合格してなければダメだ!」や「実際に社会人として活躍していなければダメだ!」という意見を一蹴します。(僕はこの3点を持っていないので)  

 

まず、日本の教育改革の見取り図(全体図)を作るための必須な視点が、その執筆者は「全ての国民の職業や体験や能力などを体験できない」ということを認識している点です。  

 

数え上げるだけでも、「医療系の全仕事、スポーツ系の全仕事、法律系の全仕事、金融系の全仕事、コンサル系の全仕事、IT系の全仕事など職業は果てしなくあり、しかも一流レベルに到達するには長年の年月がかかる」ことから、1人の人間が全ての職業を体験することは不可能です。  

 

そう考えると、教育改革の全体図(見取り図)を作るには、現場からの情報有力者や専門家からの伝聞がかならず入るのです。  

 

伝聞ということは、執筆者が全て直に経験したことではありません。

 

ですが、それは「全ての国民の職業や体験や能力などを体験できない」という構造上の仕方ない問題なのです。  

 

よく「大学受験や社会人の経験もないのに教育改革の見取り図(全体図)が作れるのか?」という指摘がありますが、そうなったらノンフィクションライターの仕事を否定することになりますし、そもそも先ほど挙げた構造的欠陥があることをわかっていない方の指摘だと思います。  

 

ノンフィクションライターは取材によって本を書きます。(経験していないことも多いでしょう。ルポは除く)  

 

経験者から聞いて、その経験者からの情報が正しければ、もはや教育改革の意思決定において問題はないのです。(その執筆者が経験していなくてもです)  

 

動画でイチローはこう述べています。  

 

「名言「僕が読書をしない理由」というタイトル動画です。  

 

簡単に要約します。  

 

本は何かのスタンスや生き方を問いかけてきて、答えも提示してくるのですが、イチローはその本を読んで何となく共感し、身につけた気になるのが嫌だから読書をしないと言います。  

 

本の執筆者の生き方であって、イチローの生き方ではありません。  

 

イチローは狭い野球の世界で自分なりに経験したことが「自分の言葉」であり、「野球から自分で本当に経験したことを語りたい」ということです。以上、ここまで。  

 

いきなり言いますが、この視点は教育改革の見取り図(全体図)や経営者には通用しません。  

 

何回も言いますが、「誰も全ての職業や体験や能力など体験できない」からです。  

 

また経営者も現場の全て(従業員の体験含む)を体験できません。  

 

つまり、「自分が直接体験していない伝聞や助言からの意思決定をしないといけない」のです  

 

また、イチローの視点が極端になって、「自分が経験したこと以外信じない」となると危険です。  

 

人生には限りがあり、自分では経験してない、できなかったことなど腐るほどあるからです。  

 

そうなると「自分で経験したこと以外は信じない」という視点の人は、他人への理解がなくなります。(「そういう視点や経験もあるよね」と認めないのです)  

 

さらに言うと、首相にせよ経営者にせよ、伝聞がかなり入りますが、その現場や助言者からの伝聞はその人たちのポジショントークが入り込む余地があるという点が問題です。  

 

現場が自分たちを楽にさせるために、上に嘘をつくのです。  

 

伝聞での意思決定は上の人ほど不可欠ですが、その伝聞が当てにならないときがあるのです。  

 

正しい現場からの伝聞(知識や情報や体験など)を上は取捨選択し、全体図(見取り図)を作らなければなりません。  

 

話を戻しますが、教育改革の全体図(見取り図)を作るには、僕の思想や手法がないと作れないのです。  

 

「「資質・能力」と学びのメカニズム」という上智大学の教授の本を読みましたが、正直、学者が教育改革について全体図(見取り図)を作るのは非常に危険だと思いました。  

 

なぜなら、社会人目線が抜けているからです。

 

 僕は上でも書きましたが、主に「民間の社会人という逆算思考から、教育改革を作るべきだ」と述べました。  

 

そうなると、学者なら大量の民間に関する本を読んだり、民間の経験者からのかなりの意見を聞かないといけないのです。  

 

しかし、どうも学者はその逆算思考が理解できず、大学内の狭い視野(または教養人目線)だけから、教育を語っている気がしてならないのです。  

 

僕は民間のビジネス書を大量に読み、他者を想像できる感覚的能力がある上に、民間の社会人の意見も聞いているので、教育改革の全体図(見取り図)の骨格を作れたと思っています。  

 

本当は現場の教師も大学からそのまま直行で教師になるのではなく、民間の社会人を経験してから、教師になった方がいいのです。  

 

そのほうが民間をある程度知った上で、子どもたちに教えることができます。(単なる科目の授業を教えるだけの役割じゃなくなるのです)  

 

また、民間の人に関与してもらって、教育改革を練った方がいいです。(民間の社会人になる人が大半ですからね)  

 

「学者や官僚や研究者を育てる場所」が一流大学というなら、それは大学人が一番熟知していますから結構なことですが、大半が民間の社会人になるのに、そのポジションから大学構想を考えるというのはずれているように感じます。  

 

ともかく、教育改革を語るには、どのような哲学や知識や考え方が必要なのかを述べてきました。  

 

この思想なしに、教育改革を語るとおかしなことになります。  

 

「誰も全ての職業や体験や能力など体験できない」という考えの重要性の認知や、「自分が経験したこと以外信じない」という考えの危険性について認知した上で、教育を語らないとですね。  

 

PART4に続きます。 

 

ではこの辺で。(5822文字)  

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。

 

  参考引用文献。

「人工知能を超える人間の強みとは」

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